ハードウェアスタートアップのCerevoは7月18日、人気TVアニメ『PSYCHO-PASS サイコパス』に登場する『ドミネーター』を1/1サイズで再現した完全変形『DOMINATOR MAXI(開発コードネーム)』を発表しました。発売は2015年度内。価格はCerevoの岩佐社長によれば「間違っても10万円を超えることはない」とのこと。
今回発表された『DOMINATOR MAXI』は、Parrot、Sphero、Anki Driveなどの“スマートトイ”が海外で加速しているなかで、Cerevoがその強みを活かし開発する製品。「家電のテクノロジーで、限界まで再現性にこだわり、劇中のアイテムを現実世界で再現」する、“S2R(From screen to the real)”シリーズの第1弾製品となる。
サイコパス製作委員会から提供された3Dデータをもとに、外観を精巧に再現。そのうえで劇中と同様に、パラライザーからエリミネーターへ自動変形する機構を業界で初めて搭載。変形時間も設定資料どおりのスピードを実現しているという。余談だが、変形時のモーターの動作音がアニメ制作陣の間で好評を得ているとのことだ。
たんに光る、変形するだけではこれまでのデジタルトイと同じだという考えから、『DOMINATOR MAXI』には無線LAN、カメラ、そしてそれを制御するOSを搭載している。OSには組み込み用LinuxまたはAndroidなど、高度な機能を実現可能なプラットフォームを最終的に選定する。カメラ機能には顔認識など高度なアプリケーション処理を含められる予定だ。
キャラクターボイスは劇中と同じく日高のり子さんを起用し、録り下ろしの音声が100種以上収録される。
また劇中ではカメラで相手の顔を撮影し、犯罪係数を計測するという演出がある。これは、AR的にリアルタイムで表示するところを、連携するスマホの画面に投影することで再現するとのことだ。
制御基板は完全に新規に作り起こし、最終量産品を見据えて金型抜き方向まで考慮したメカ設計が行なわれている。これはハードウェアスタートアップとして多くの製品をすでにリリースしているCerevoならではのノウハウが存分に活かされていることだろう。
プレゼンテーション中に岩佐社長は、「小ロットでも製品を作れる環境を持ち、事業上黒字化できる強い会社になった。そしてこれを作れることをアピールすればトイ業界も変わり、そうすれば第2弾、第3弾製品ではもっと利益を出せるだろう」と語った。乱暴なくくりでは、ガジェッター視点で、ガジェッターがほしいものを作り、事業化を継続できるCerevoの今後の製品群にも期待を抱かせる発表会だった。
明日(7月19日)に恵比寿ザ・ガーデンホールで開催される『PSYCHO-PASS サイコパス』スペシャルイベント『朗読劇「PSYCHO-PASS サイコパス」-ALL STAR REAL ACT』の展示エリアにて、『DOMINATOR MAXI』に展示ブースが用意され、自動変形を中心にしたデモンストレーションが行なわれる。展示エリアにはチケットがなくても入場可能なので、実際に動作するところを見たい方はぜひ来場をオススメしたい。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります