シャオミ(Xiaomi、小米科技)がじわじわと世界シェアを広げ、レノボも負けじとグローバルに大量の製品を投入するなど中国メーカーのスマホの勢いが高まっています。そのような状況の中で“元祖中華スマホの顔”の呼び声も高いメイズ(Meizu、魅族科技)から最新モデル『MX5』が登場しました。
↑3万5800円のフルスペック機『MX5』。 |
MX5は、5.5インチフルHDディスプレーに2070万画素カメラ、指紋認証機能などを搭載したフラグシップモデル。メイズと聞いてもピンとこない人が多いでしょうが、中国では今やシャオミを超える大きな話題を集めているメーカー。実は創業はメイズのほうが先で、スマホも先進的な製品を次々と送り出していました。
ですが、シャオミが価格破壊ともいえるスマホを出してからは人気を奪われてしまったのです。ところが、昨年発売した『MX4』がシャオミを超える機能と低価格で一大ブレイクに。その大ヒットモデルとなったMX4の後継機がこのMX5となります。価格は16GB版が1799元(約3万5800円)、32GB版が1999元(約3万9800円)、64GB版が2399元(4万7800円)。
↑iPhone 6を超えた美しさ、角のエッジに注目。 |
MX5のボディーはオール金属製。iPhone 6に似たデザインですがよく見ると角の部分はエッジを効かせた加工がされており、これがホールド感を大きく高めています。本体素材はアルミニウムスチール『T6063』。素材まで明らかにしています。その地金板を68工程、30日かけ最大0.01ミリの精度でCNC(コンピュータ数値制御)加工してボディーがつくられているとのこと。なお、iPhone 6に似せたデザインに見えますが、昨年モデルのMX4は実はiPhone 6よりも先に発売されています。
↑ディスプレーはAMOLEDに。 |
ディスプレーはMX4の5.37インチから5.5インチへ拡大。液晶から有機ELと、発色をより鮮やかなものにしています。なお、解像度はフルHD(1080×1920ドット)ですが、実は前モデルMX4は1152×1920ドット。この部分は若干スペックダウンですが、特殊解像度のディスプレーの採用はコストアップと判断したのかもしれません。
↑ホームボタンにこだわり、指紋認証を搭載。 |
メイズの端末はホームキーを備えた製品が多く、このMX5には“mTouchキー”と呼ばれるものが搭載されています。mTouchキーは指紋認証機能も内蔵。本体のロック解除のほかに、モバイルペイメントの認証にも利用可能。30万回の利用にも耐え、キー周辺部は防水性能も持たせているとのこと。
↑デュアルナノSIM、デュアルLTE方式対応。 |
SIMスロットは1枚でふたつのナノSIMを装着する形状。通信方式はTD-LTE/TD-SCDMA/GSM版と、TD-LTE/FDD-LTE/W-CDMA/GSM版の2タイプ。グローバル版は後者となるでしょう。なお、詳細な周波数は現時点では未定。SoCはMediaTekの最新製品となる『Helio 10X(MT6595)』(オクタコア、2.2GHz)を搭載しています。メモリーは3GBと余裕の容量。
↑急速充電で慌ただしい朝も安心。 |
バッテリー容量は3150mAhで内蔵式。急速充電に対応し10分間で25%の充電が可能。就寝中に充電を忘れてもこれなら安心です。また40分間では60%まで充電できます。
↑Andoidカスタムの“FlymeOS”を搭載。 |
OSはAndroid 5.0(Lollipop)ベースのメイズオリジナル“FlymeOS 4.5”。前バージョンの“4.0”(Android 4.4 KitKatベース)と比べると20%高速化されているほか、SoCの『Helio X10』に最適化されており省電力効果も併せ持っているとのこと。なお、もともとFlymeOSはiOSふうのUIを目指しており、アイコンを見るとiPhoneっぽさが増しているのは当然のことなのかもしれません。
↑前モデルも合わせ、シャオミ包囲網が完成。 |
今回のMX5の発表で、前モデルのMX4と『MX4 Pro』が値下げされました。これによりMX4は1499元(約2万9800円)に。MX4よりスペックが落ちるシャオミのMi4が1599元(約3万1800円)ですから、シャオミを買うのがもったいなく感じるでしょう。そして、昨年のフラグシップのMX4は1999元(約3万9800円)。MX4 Proに相当するモデルはシャオミは持っておらず、スペックの低い『Mi Note』が同価格とあってはメイズの敵にもなりません。
↑QHD解像度越えで4万円!MX4 Proの脅威。 |
約10ヵ月前のモデルとはいえ、MX4 ProはMX5を超えるスペックを備えたウルトラハイエンド端末です。ディスプレーは5.5インチ1536×2560ドットと巷のQHDモデルよりも高解像度。SoCはサムスンの『Exynos 5』(オクタコア、2GHz)、メモリー 3GB、2070万画素カメラ、指紋認証など。おそらくMX5にもこのMX4 Pro同様の『MX5 Pro』が登場することでしょうが、メモリー 4GBやQHDディスプレー、より高画質なカメラなどモンスタークラスのモデルになるに違いありません。
↑アップルとシャオミを揺さぶる“m1シリーズ”。 |
一方、2015年に入って登場した『m1』、『m1 Note』といった“m1シリーズ”も高い人気をあります。このクラスのモデルはシャオミが『HongMi』(紅米)というラインを持っていますが、地味目なHongMiに対してメイズのm1はカラフルな多色展開。そのデザインはまるでiPhone 5cのよう。しかし、m1シリーズはiPhone 5cも驚く低価格、最低価格699元(約1万3900円)で爆発的な人気となりました。まるで「アップルさん、中国で売るならこれくらいのことやらないとダメですよ」と言っているかのような製品です。そして、シャオミがあわててHongMiやMi4にカラバリの多色展開をするなど、今やシャオミですらメイズの動向に注目しているのです。
↑メイズの動きは要注意だ! |
筆者もMX4 Proを持っていますが不満なくバリバリと使えています。MX5 Proが出てくればMX5と合わせてメイズが再び中国スマホ市場の話題を総ざらいすることになるかもしれません。メイズはまだアジアやヨーロッパ一部の国でしか製品を販売していませんが、性能や品質を考えると、シャオミよりもメイズに日本への上陸を期待したいところです。
●関連サイト
Meizu(英文)
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