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『シェンムー3』のようにゲーム開発資金調達はクラウドファンディングが主流になるのか:E3 2015

2015年06月25日 22時30分更新

 本日も私、ちゅーやんがE3 2015で発表された注目タイトルをコラム形式でご紹介。
 今回は前作から14年の歳月を経て新作発表となった『シェンムー3』を取り上げます。ただ、私自身はシェンムー自体を濃く語れるほどプレイしていないのであしからず。

ゲーム開発資金調達
ゲーム開発資金調達

 シェンムーは、今でこそスカイリムやGTAシリーズなどでスタンダードになった“オープンワールド”ゲームの礎となった作品です。

 上記動画の1:00:30ころからシェンムー3の発表です(FF7リメイクで会場が盛り上がって少し落ち着いたタイミング)。E3 2015にてシェンムーの開発を手がけた鈴木裕氏が登壇し、『シェンムー3』を開発するための資金をクラウドファンディングサイト“Kickstarter(キックスターター)”にて集めると発表。
シェンムー3 Kickstarterページ

ゲーム開発資金調達

 記事を書いている6月25日現在で、既に360万ドル以上の資金が集まり、当初の目標だった200万ドルを大きく超えて集まりました。

 『シェンムー』シリーズに関してはいろいろと費用の面で苦戦したらしく、その影響もあってか3の開発が遅れたとウワサでは報じられていました。そこで、鈴木裕氏がキックスターターで資金を集めるとし、このように世界中から資金の調達に現時点では成功したわけです。

 コンシューマーゲームでのクラウドファンディングで資金を集めるということはこの『シェンムー3』が初めてではなく、日本人開発者初のKickstarter参戦として話題になったcomceptの『Mighty No. 9』というゲームも、“Makuake”や“KickStarter”を利用した資金調達プロジェクトが実施されました。

ゲーム開発資金調達

 ちなみにcomceptの代表取締役は稲船敬二氏。
 また、ほかにクラウドファンディングを利用して資金調達を行なったゲームとして日本初の試みだった『Project Phoenix』。こちらではFFシリーズのサウンドを手がけた植松伸夫氏も参加。さらには、悪魔城ドラキュラのプロデューサー五十嵐孝司氏による『Bloodstained』もキックスターターを利用しました。バンジョーとカズーイの大冒険やディディーコングレーシングを手がけたレア社の元スタッフによる『Yooka-Laylee』もキックスターターです。

 クラウドファンディングで資金を集めるということは、制作費などの負担をユーザーも請け負うということ。今更ですが、クラウドファンディングとはなんぞや、ということに対しての解説記事が上がっていますのでそちらもいっしょにご覧くださいませ。
クラウドファンディングとは:よくわかるスタートアップ用語集

クラウドファンディングとは
crowd(群衆)とfunding(資金調達)を組み合わせた言葉で、特定の目的に対して資金を必要としている起案者が、インターネットを通して不特定多数の支援者(crowd)から協力を募り資金を集める(funding)こと。

 クラウドファンディングを利用することで、「○○なゲームをつくりたい!」とか「○○の要素を増やしたい!」という希望を開発者側から提案することができ、それに賛同したユーザーが、ある意味でwin-winな関係に築ける…と言うわけですよ。
 シェンムー3に関しても鈴木氏が集まった資金額に応じてゲーム内要素を増やせると言っていますね。

 ただ、クラウドファンディングに関しては日本ではそこまで認知度が無いというのが現実。資金調達方法のひとつということで世界に目を向ければ今回の例のように短期間で資金を集めることが可能ですが。シェンムー3に関しては世界中から待ち望んでいた声が多かったらしく(鈴木氏曰く、イベントに参加する度に聞かれていたそうで)資金集めに成功したのでしょう。さらに、ゲーム製作に関しては“タイトル”や“製作スタッフ”のネームバリューがある程度必要ということも重要な要素かと思われます。

 ゲームに関しては続編を待っているのに一向に発売されないことや制作チームの解散などもよくあること。製作において一番のネックは資金ということなので、シェンムー3の事例からクラウドファンディングを利用して「あの名作が復活!」ということもありえるかもしれませんね。ただし、先にも書きましたが世界に目を向ければ、の話で国内だけで人気だった作品にはその時期では無いという感が否めないですが。

 世界でヒットした名作ゲームの復活、このシェンムーの流れからきっとありそうな予感がします。個人的には『がんばれゴエモン』シリーズを復活していただければ…と思います。

 それはさておき、シェンムー3の開発スタッフをネイロが募集中です。クラウドファンディングで資金を提供するだけでなく、「俺がシェンムーをつくるんだ!」という方、ぜひとも応募してみては?
『シェンムーIII』開発スタッフ募集!!ページ

■関連サイト
シェンムー3 公式サイト
シェンムー3 キックスターターページ

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