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グーグルが提供するよりスマートなアプリとホームのためのツール

2015年06月16日 10時00分更新

Android開発者にとってはいい時期だ(ReadWrite Japan提供記事)

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先月サンフランシスコで開催されたGoogle I/Oは開発者たちにとって、あたかもグーグルからもたらされた恵みの雨のようなものだっただろう。

今回の発表では既存のツールのアップデートおよび、ゲーム、バーチャルリアリティコンテンツ作成者向けの新しいツール、そしてスマートホーム用アプリの開発用ツールについて触れられた。

そして今、開発者にとっては腕の見せ所といえる時だ。

Android Studio 1.3がNDKの穴を埋める

2年前、グーグルはAndroid Studio IDEを発表した。ベータ版で無くなって久しいが、C/C++を使うためにGoogle Native Development Kit(NDK)を使っていた開発者たちにとっては不遇の時代だった。

今回の1.3にアップグレードされることになるAndroid Studioでは、NDKサポートが組み込まれている。グーグルは絶対に必要でもない限り、NDKを使うことを推奨していなかった事から、Androidでの開発を気にかけていた人々には驚きだったことだろう。グーグルはAndroidアプリを作るのはJavaでやるべきだと考えていたからだ。

物理シミュレーションなどに依存するゲームなど、ある種のアプリにとってこれはあまり良い事ではなかっただろう。時としてネイティブコード並のパフォーマンスを出すことが出来ないからだ。

Android StudioのリリースはChromeの場合と同じ感じだ。開発者はより一般的な安定版からバグを抱えているが新機能を搭載したベータ版、そして最先端(ほとんどの場合安定動作しないがおそらくはもっともクールな)”Canary”版まで試すことが出来る。

というわけで、最新の1.3はまずCanary版で出てくるだろう。そしてあなたの覚悟が十分なのであれば、バグが収まるまで待つ必要はない。

以下、グーグルの発表。

Android Studio 1.3プレビュー版 – Android M向けにAndroid Studioの新バージョンをリリースする。

もっとも大きなポイントは、Android NDKおよびゲーム開発者から要望があった、C/C++によるコーディング&デバッグ機能だ。

JetBrainのCLionプラットフォームをベースとして、Android StudioのNDKプラグインではC/C++およびJavaでのリファクタリングおよびコード補完機能が提供される。

JavaおよびC/C++のサポートは一つの環境に統合されたものになる。Canaryチャンネルを通じてAndroid Studio 1.3にアップデートを行い、みんなの意見を聞かせてほしい

グーグルはWeb開発者も放ってはおかない。新しく公表されたPolymer 1.0によって、あたかもデバイス上のネイティブ環境で動かしているかのようなデスクトップおよびモバイル用のWebアプリおよびサービスの開発が可能になる。ツールバーやメニュー、マップその他の追加も可能だ。

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BrilloとWeaveによってスマートホームをよりシンプルに

グーグルはモノのインターネット – インターネットにガジェットやセンサーなどを接続しようという動き – 特にスマートホームにおいて存在し続ける複雑さについても狙いを定める。自社のNest部門と共同で、同社のIoT用公式OSとなるBrillioと 開発者向けの共通通信規格であるWeaveを発表した。

BrilloはいわばAndroidの親戚であり、(グーグルが言うには)スマートホームの開発者にとっての軽くセキュアで、幅広いハードウェアを扱うためのプラットフォームだ。

センサーやコンセントに刺さっていないかもしれないデバイスのバッテリーをもたせる為の厳しい電力制御も行える

BrilloはWi-FiあるいはBluetooth経由でアクセスできるコンソールが備わっている。

グーグルはWeaveをクロスプラットフォームな通信レイヤーと位置づけている。つまりAndroidデバイスに限らずさまざまなデバイスが互いに通信できるようになるということだ。同社によれば、BrilloとWeaveはどちらか片方だけでも利用できるようなモジュール的なアプローチを採るという。また仕様やガイドラインを制定する認証プログラムも提供するという。

往々にしてフラストレーションがたまるスマートホームのエクスペリエンスをシンプルにするという役目はもちろん注目を集めるものだ。QualcommのAllJoyn Allianceおよびそのフレームワークも、AppleのHomeKitも、家の中のライトやドア、その他あらゆる物がクラウドもしくはマシンと通信できるようにするという目的を共有している。

Brilloの開発者向けプレビューは今年の秋ごろ、Weaveについてはその後に登場予定だ。

これらのツールはまだ皮切りに過ぎない。グーグルは他にもAndroid Mの開発者向けに、指紋認証やクラウドメッセージング、アプリをインストールできる広告(註:本当でしょうか…)や新しい開発コンソールなども発表した。バーチャルリアリティービデオコンテンツの製作者のための “Jump”Cardboardについても公開された。詳しくはAndroid Developersブログを見てほしい。

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今回のキーノートスピーチでは、ハードウェアについての大きなニュースはなかったが、ChromecastやAndroid Auto、Android TVについての宣伝は忘れていない。

むしろ今回は、ソフトウェアおよびクラウドについてのプレゼン(Now On TapやGoogle Photosを含む)が目を引く発表内容だった。グーグルが言うようにこれらによって物事がシンプルになったりニーズが満たされることがあれば、開発者達にとっては大きな成功といえるだろう。実際に触れるようになれば、これらどれほどいいものなのか我々は知ることになる。

画像提供:Adriana Lee for ReadWrite

Adriana Lee
[原文]


 

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※本記事はReadWrite Japanからの転載です。
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