本日(6月10日)からドコモがスマートフォン『Xperia Z4』を発売。続いてauも11日、ソフトバンクも13日に発売する予定となっています。Xperia Z4は海外では『Xperia Z3+』として公開されており、一時、ニュースになったほどですが、タブレットはしっかり“Z4”を冠しています。
そんな『Xperia Z4 Tablet』の香港版(LTE対応SIMフリー版)を手に入れたため、早速レビューしたいと思います。タブレットは日本ではLTE版がドコモとauから、そしてWiFi版がソニーストアおよび量販店で6月19日に発売される予定です。
↑こちらが外箱。型番は“SGP771”。 |
↑同梱物はこのとおり。今回お借りしたモデルには専用Bluetoothキーボード『BKB50』が付属しています。 |
まずは基本スペックですが、厚さは6.1ミリ、重さは393グラムと、世界最薄・最軽量。ディスプレーは2560×1600ドット解像度の10.1インチ液晶で、カメラは背面に810万画素、正面に510万画素のセンサーを搭載しています。この薄さ・軽さながら、6000mAhのバッテリーを搭載し、防水はIPX5/8相当、防じんはIP6X相当に対応しています。
↑香港版ですが、もちろん日本語にネイティブで対応。 |
↑大画面なのに軽い!ちなみに、同サイズのライバルであるセルラー版iPad Air 2は444グラムで、Z4 Tabletのほうが51グラム軽い。 |
↑Z4 Tablet(上)とiPad Air 2 (下)の厚さはほぼ同じ。どちらも充電端子はキャップレスですが、Z4 Tabletは防水対応です。 |
ここでうれしいお知らせ。タイトルにも書いてはいるのですが、香港版(SGP771)はきちんと技適が通っているので、大手を振って日本で使えます。
ソニーモバイル香港のホワイトペーパーによると対応周波数帯は以下のとおり。
●SGP771の対応周波数帯
UMTS HSPA+ 850(Band V)、900(Band VIII)、1900(Band II)、2100(Band I)MHz
GSM GPRS/EDGE 850、900、1800、1900MHz
LTE Band I、Band II、Band III、Band IV、Band V、Band VII、Band VIII、Band XII、Band XVII、Band XX、Band XXVIII、Band XL
↑技適マークは電磁表示。設定→タブレット情報→法的情報→認証で表示できます。これで総○省にゲゲゲされなくて済む……。 |
実際に手持ちの『BIC SIM』(IIJmio)を挿してみましたが、APNを設定すれば問題なくLTEが利用できました(東京・飯田橋にて)。また、au版のZ4 Tabletは音声通話非対応ですが、SGP771はドコモ版同様に音声通話対応です(VoLTEでの通話は未確認)。
↑SIMカードはナノサイズに対応。本体上側面のカバーを外して挿します。お隣はマイクロSDカードの挿入口。 |
↑技適は通ってはいますが海外仕様。STAMINAモードはホワイトリスト式。 |
↑端末紛失時のサービスは“my Xperia”が利用できます。 |
さて。Z4 Tabletの注目ポイントとしては、64ビット対応オクタコアCPU搭載とか、XperiaタブレットでAndroid 5.0初採用とか、画面が濡れていてもタッチ操作可能だとかいろいろあるのですが、今回はせっかくなので、付属していたBluetoothキーボードの使い勝手をピックアップしてみます。
↑こちらが専用のBluetoothキーボード『BKB50』。香港版と言うことでキートップは中国語仕様になっています。 |
↑とはいえ、Bluetoothキーボードの方もきちんと技適が通っています。表示は背面のシールに印刷。型番が同じ事を考えるとハードウェアとしては各国共通、市場によってキートップのプリントだけを変えているのだと考えられます。 |
↑初回のペアリングはNFCのワンタッチで完了。キーボード側のNFCアンテナは背面左下にあります。 |
実際に使ってみると、発表時などに強調されていたとおり、薄型ノートPCのような見た目と使い勝手に驚きます。キーボードとタブレット本体はしっかりと固定されるため、あまりオススメはできませんが、斜めに傾けても外れることはなく、チルト角度は最大125度(公称値)。好きなところで固定でき机の上から膝の上まで問題なく利用できました。
↑ノートPCを使っているときにありがちな、端っこをもっての移動もできなくはありません。 |
↑全開に広げれば膝の上でも十分使えます。キックスタンド式や単なるBluetoothキーボードでは、こうはいきません。 |
↑キーボードの厚さは7.5ミリ。タブレットを取り付けたときの合計は21ミリです。 |
↑キーボードの重さは365グラム。タブレットに取り付けた状態で計測したところ合計750グラム。 |
↑ちなみに開いたときにキーボードは少し傾斜が生まれるような仕組みになっていて、どこか“VAIO Proシリーズ”っぽいです。 |
キーピッチは15〜17ミリ、キーストロークは1.2ミリ。薄型のWindowsノートPCやMacBook Airシリーズに慣れている人なら打鍵感に違和感は抱かないといったところ。手元のタッチパッドによるカーソル操作、“Fキー”を利用したカタカナ・英字変換(例:F7キーで、“しゅうあす”→“シュウアス”に変換)など、実用面でも“ノートPC”らしさがかもし出されています。
↑Bluetoothキーボードが接続されている状態だと変換候補は画面下に表示されます。今回試したのは香港版ですが、POBox Plusの最新バージョンがインストールされているため、日本語入力・変換もまったく問題ありません。 |
↑タッチパッドでカーソル操作もできます。もちろんタブレットなので画面タッチも有効ですが、“ノートPC”ふうに使うならこれは必須。ちなみに2本指での操作も対応で、スクロール、ピンチイン・アウトも可能。 |
↑F6キーからF10キーまでにはWindows PCでお馴染みのカタカナ・英字変換が割り当てられています。 |
↑BKB50接続時は専用のランチャーが有効に成、アプリの起動などができるほか設定変更やキーボード側のバッテリー残量を確認可能。 |
難点としては、Enterキーが横長なので、慣れないと外してしまいがちな点と、日本語・英語入力の切り替えが左上の“チルダ”キーに割り当てられていると気づきにくい点です。あとは、キーボードにプリントされた中国語が人によっては気になるかもしれませんが、そこはブラインドタッチで乗り切るか、もしくはキーボードだけ日本版を買うかして対応しましょう。
↑Enterキーの大きさは慣れが必要かも。 |
日本版のXperia Z4 Tabletにはマイクロソフト純正のAndroid向け“Word”、“Excel”、“PowerPoint”などがプリインストールされていますが、今回手に入れた香港版には見当たりません。また、Skypeもショートカットだけが入っており、利用する場合は自分でインストールする必要があります。
ちなみに、香港版を販売しているEXPANSYSで購入すると、グローバル版の“Office 365 Personal”が同梱されています。日本の“Office 365 Solo”などとは違い、日本での利用はライセンス的な制約があるので注意が必要です。
↑1年ぶんのOffice 365はついていますが、日本向けではないので注意。 |
以上。EXPANSYSでは、キーボード付きが10万3730円、キーボードなしが8万7510円で販売中(記事作成時)。少し割高感はありますが、国内WiFi版が単品で直販価格8万1950円なのを考えると、かなり魅力的なお値段。修理などの受け付け時を考えるとハードルは少し高めですが、薄型の防水SIMフリータブレットを探している方は、ぜひ検討してみてください。
●関連サイト
・EXPANSYS JAPAN
・EXPANSYS該当製品ページ
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