台北で開催中のCOMPUTEX TAIPEIにて、インテルは同社が展開する『インテルゲートウェイ』およびIoT(Internet of Things)への取り組みに関するカンファレンスを行ないました。
↑インテル上席副社長 兼 IoT事業本部長のダグ・デイビス氏が登壇し、同社のIoTへの取り組みについて解説。 |
『インテルゲートウェイ』は同社のCPUを搭載したルーターを軸として、接続するデバイスやそこに流れるデータを管理するソリューションです。デイビス氏は2015年現在、世界中にIoTデバイスが約150億台流通しており、5年後の2020年には500億台を突破すると予測。
↑IoTデバイスは今後5年間で350億台も増加する見込み。 |
ただし、現状で流通している約150億台のIoTも、85%のデバイスはお互いやクラウドには接続されていない状態にあるとのこと。
この大量に流通しているが未接続状態のIoTデバイスを相互に連携させて、それによって流れるデータを効率良く活用するためのキーとなるのが『インテルゲートウェイ』というわけです。
↑CPUやOSの組み合わせで、用途や目的に合わせたゲートウェイを構築できます。 |
台湾ではこのインテルゲートウェイを採用したIoTソリューションがすでに稼働しています。カンファレンスでは、その実例を元にインテルゲートウェイの活用方法が紹介されました。まずは、台湾の各都市に普及しているレンタル自転車システムのU-bike(Youbike)から。
↑台北市の中心部でよく見かけるレンタル自転車サービス。 |
↑U-bikeの貸し出し受け付け端末。 |
U-bikeは専用の駐輪場が用意されており、併設された端末からレンタルの申し込みが可能。料金の支払いはクレジットカードのほか、台湾で普及している非接触型ICカード『悠遊カード』が利用できます。
この貸し出し受け付け端末には、インテルゲートウェイが組み込まれており、利用状況などのデータを管理できます。U-Bikeは同じ駐輪場に返却しなくてもオーケーなので、利用状況などをデータとしてリアルタイムで把握することで、各駐輪場に効率良く配車できるゆになるというわけです。
↑U-Bikeの登録者数は約330万人で、貸し出し数は1日に10万件にもなります。 |
また、台湾の通信キャリアである中華電信は、基地局にインテルゲートウェイを利用。消費電力のモニタリングなど、基地局自体の管理に使われているほか、風力計や温度計、雨量計などの各種センサーを取り付け、リアルタイム天候モニターとしても活用しています。
↑基地局の管理ボックス内にインテルゲートウェイを設置。 |
↑基地局には風力計などが取り付けられています。 |
↑iENサービスとして中華電信が天候情報を提供。 |
このほか台湾プラスチック社では、自社工場のモニタリングシステムにインテルゲートウェイを採用。工場で使われている機械やロボット、さらに工場内に設置された温度計や圧力系など多くのセンサーから大量のデータを収集。製造の管理や予測に役立てるとともに、リアルタイムで異常を検知して、工場内の安全性を高めることにも活用しているとのことです。
↑工場の各所に設置したセンサーからの情報を集めて、集中的に管理します。 |
↑機械やロボットからデータを収集。解析して結果をリアタイムで反映させます。 |
このようにインテルCPUを搭載した“インテルゲートウェイ”を採用することで、IoT端末との結びつきが強化され、収集したデータをもとにより便利なシステムが構築できるわけです。
↑カンファレンス会場の入り口に設置されたインテルのキャッチコピー。 |
COMPUTEX TAIPEIの会場には『REINVENTING COMPUTING OUTSIDE』というインテルのキャッチコピーが掲げられています。これまでは“インテル入っているPC”で、コンピューターの内側から革新を進めてきた同社ですが、今後は“インテル入ってるインターネットゲートウェイ”で、PCの外側からも世界を再発明していくというのが同社の狙いのようです。
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