なんてことはない自転車の画像ですが、ホイールの白いスポークが気になります。ザイロンスポークのスピナジーかしら? とも思いましたが、よーく見るとなんだかヘンです。
現在キックスターターで資金調達中の3Dプリンターで作成されたスポークフィン。ホイールの空気抵抗を最大50%削減するこのアイデアグッズのお値段は、64本分で20ドル(約2500円)とお安めとなっています。
自転車ホイールはスポークが空気をかき混ぜることによる抵抗が大きく、この抵抗を少なくするためスポークレスのディスクホイールや、スポーク長が短いディープリムホイールが生まれました。まあ、当たり前ですがそのぶん横風に弱くなり、スポークが短いほど硬くなるのでタフな乗り心地になる傾向があります。
最新ロードバイクは空気抵抗削減を減らすため、フレームやフォークを翼断面形状(翼型)にしたりブレーキユニットの位置を変更したりとさまざまな工夫がこらされたバイクが増えてきています。特殊なシールの貼り付けや表面加工で前方からの風だけでなく、横風にも対策したり、製品開発の際に風洞実験を行なったりと、なんだかハイテク感がありますね。
自転車の大敵は空気抵抗や向かい風です。時速30キロ後半から急速に感じるあの抵抗感。さらに強烈な向かい風では巡航どころかヨダレと鼻水をたらしながら進む苦行に大変化。海岸沿いの走行では舞い上がった浜辺の砂によるサンドブラストもプレゼント。ドMにはたまらないシチュエーションですね!
さて、少々お高めなロードバイクのホイールは空気抵抗の削減のため平らに加工された“エアロスポーク”を採用する製品が多いです。エアロスポークは逆風や巡航時の空気抵抗削減には有効ですが、Null Winds Technologyはそれだけでは足りないと考えた模様。その結果生まれたのが、あわゆる方向からの風を受けて回転する翼断面形状のスポークカバー。15ゲージより細いスチールもしくはステンレススポークに装着可能で、装着すると20%速度がアップするとうたわれています。段差のないプレーンスポーク用ですね。
↑風を受けてスポークフィンが回転するのがキモ。 |
スポークフィンを装着したホイールの見た目は、幼少のころチェーンリング(チェーリング)をスポークにはめてチャラチャラ音を鳴らしながら子ども用自転車を乗り回していた私には既視感があります。確かに空気抵抗削減の効果はあると思いますが「これ、うるさくない?」、「重くない?」と疑問が沸いてきます。
その効果と意欲は買いたいスポークフィンですが、上記のような当然の疑問によるためか、残念ながら資金調達はあまり順調ではない様子。やはり、ホイール外周部の重量増を避けたいですよね……。
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