バーチャルリアリティの競争が熱を帯びてきた(ReadWrite Japan提供記事)
グーグルがCardboardと名づけたバーチャルリアリティの取り組みに新しい責任者が迎えられた。ジョン・ウィリーは以前、グーグル検索部門や、同社のモバイルプラットフォームのCardsインターフェイスのデザインを率いてきたが、その彼が一年前に何かの冗談で始まった部門を引き継いだ。
しかしそれを笑う人はいない。Fast Companyに18日に報じられたウィリーのこの新しいポジションはCardboardが集める注目以上にグーグルのバーチャルリアリティーへの取り組みを表わすものになるかもしれない。
拡大するグーグルのCardboardへの取り組み
5月の半ばに行われたウィリーを検索部門からはずしてCardboardに投入するという決定について、グーグルもウィリー本人も多くを語っていない。Fast Companyによると、ウィリーの新しい役職についてグーグルは認めたとの事なので、この異動について更に詳しく調べるよう要請した。詳細はわからずとも、グーグルが自作のバーチャルリアリティーヘッドセットについて大きなプランを持っているというのは想像に難くない。
話は4月に遡るが、グーグルが「Work with Google Cardboard」をリリースした。これはハードおよびソフトメーカーがCardboard VRのデザインがグーグルのガイドラインから外れない様にするための認証システムだ。更なる情報としてウォール・ストリート・ジャーナルには、グーグルがAndroidベースのバーチャルリアリティー向けOSを出すと3月に報道された。おそらくはCardboardの構想も無関係ではないだろう。これら2件の事で、グーグルはCardboardを新しく、より重要なテリトリーに位置づけようとしているのは見て取れる。ウィリーの件もそれを補強しているといえるだろう。
Fast Companyが指摘するとおり、ウィリーはGoogle検索およびサービスの利用履歴からユーザーのニーズを予測するGoogle Now Cardsを作ったことでその名を轟かせている。Gmailの受信箱に飛行機のフライト情報が送られれば、Google NowのカードがAndroid端末上に現れ、便に遅れが無いか等がわかる様になっている。同じように興味のある映画について検索すれば、Google Nowから近い内容の映画の通知が送られてくるようになる。
ウィリーのCardsにおける経験が、バーチャルリアリティーの計画にどう生かされるのかは定かではないが、Cardboard(および他のバーチャルリアリティープラットフォーム)のインターフェイスがユーザーフレンドリーなものになるのは間違いないだろう。Cardsはユーザーと必要な情報との距離を縮めるものであり、バーチャルリアリティーにおけるウィリーのタスクもそれに近いものになるのではないか。
バーチャルリアリティーの分野が日々その賑やかさを増す中、サムスンがGalaxy S6向けに作られたGear VRの後継モデルを最近リリースした。HTCとValveのヘッドセットであるViveも今年の後半にリリースされる予定だ。ソニーおよびフェイスブックの傘下となったOculusのヘッドセットも2016年に登場予定である。ウィリーがCardboardとどう関わるにしろ、彼は彼にふさわしい仕事をするだろう。
画像提供:
トップ画像:Adriana Lee for ReadWrite
Google Cardboard画像:Google
Jon Wiley氏画像:from Twitter
Brian P. Rubin
[原文]
ReadWrite Japan
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※本記事はReadWrite Japanからの転載です。
グーグルのサーチデザインチーフがバーチャルリアリティ「Cardboard」の責任者に
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