●LINEクリエイターズスタンプが1周年
『LINE Creators Market』1周年を記念して、クリエイターが集う、『LINEクリエイターズマーケット1周年感謝祭』が開催された。 |
ユーザーがLINEのスタンプを制作、販売できるサービスである『LINE Creators Market』。これによって制作されたLINEクリエイターズスタンプは、販売、購入開始より1周年を2015年の5月8日に迎えました。
“1億総クリエイター化”とまで行かなくても、多くの人が気軽に参加でき盛り上がりがなお加速するLINEクリエイターズスタンプの、最新の販売・利用実績、そして今後の取り組みについて、『LINEクリエイターズマーケット1周年感謝祭』で登壇したLINEスタンプコンテンツ事業部 スタンプ企画チーム マネージャーの渡辺尚誠氏が発表をしました。
●上位10位クリエイターの平均販売額は驚異の1億900万円
LINEスタンプコンテンツ事業部 スタンプ企画チーム マネージャー 渡辺尚誠氏。 |
『LINE Creators Market』の登録クリエイター数は約1年間で世界156ヵ国で約39万3000人、販売中のスタンプの数は日本国内で約10万セット、世界で約11万セット弱となっています。クリエイタースタンプの販売総額は、開始半年後には約35億9000万円、1年後の現在は約89億4600万円と純増以上の推移を見せており、渡辺氏は「スタンプの数が増えていて、そのぶん、一個一個のスタンプに対しても光が当たってきている」と語りました。
クリエイターの数。 |
販売中のスタンプの数。 |
クリエイタースタンプの販売総額。 |
驚愕するのは、今回初公開されたクリエイターズ単位でのスタンプ販売額。
スタンプ別の販売状況は、販売金額上位10位の平均販売額は約5050万円。当然、複数のスタンプを販売しているクリエイターもおり、別の集計で販売額上位10位のクリエイターの平均販売額を出したところ約1億900万円だったということ。1憶円という大台を突破するクリエイターが複数名も誕生しているということです。
スタンプ上位10位の平均販売額。 |
クリエイター上位10位の平均販売額。なんと驚異の1億900万円。 |
もちろん、クリエイターに利益として分配されるのは、スタンプ販売額からApp Store・Google Playなどの手数料30%を除いたうちの約50%となるため、“1億円”という数値より収入の実態は異なってきますが、それでもかなりの大金を手にしたクリエイターが複数いることは間違いありません。
渡辺氏が語るところによると「スタンプの売り上げでキャデラックを買ったという人もいた。キャディラックはアメリカの60年代、70年代にアメリカンドリームの象徴といわれていて、まさにスタンパードリームとういのがこの1年で生まれてきているのではないか」。
加えて、漠然とした“夢”というスケールを超え、最近では学生の卒業後の進路として、スタンプのクリエイターとして食べていこうという選択肢も出てきているそう。「LINEスタンプはクリエイターの文化をつくる側面と、プラス、ひとつの産業になってきているという確信がある」と、1年間の実績が振り返られました。
●スタンプのグッズ化などのマネージメントをスタート
『LINE Creators Manegement』を指導。 |
イベントではさらに、クリエイターズスタンプのこれからの取り組みついて話が進みました。
一番大きいな取り組みとしては、LINEスタンプから人気になったクリエイターのグッズ化、コラボスタンプ、コラボ商品を支援する『LINE Creators Manegement』の開始。
LINEは今後、トップクリエイターのスタンプ作品の商品化を支援するべく、クリエイターと企業やライセンシーなどをつなぎ、スタンプキャラクターを用いたタイアップ企画や商品化のほか、商標出願サポート、海賊版対策などの支援も行なうということ。現在決定している提携企業はタカラトミーアーツ。
所属クリエイターとして現在11名の人気クリエイターが内定。 |
所属クリエイターは、LINE側がスタンプの売上・認知度、さらに企業PR、商品化に適したものかなど想定したうえでLINE側が選定するということ。現在は人気クリエイター11名が内定している状態で、1周年感謝祭ではChackmoさん(かまってウサちゃん)、もふ屋さん(ボンレス犬・猫)、NIKUQ WORKSさん(ウサギのウー)、が代表して登壇し、それぞれ感激の胸中を語りました。
クリエイターのNIKUQ WORKSさん(ウサギのウー)、もふ屋さん(ボンレス犬・猫)、Chackmoさん(かまってウサちゃん)が登壇。(写真右より) |
LINEクリエイタースタンプによるグッズのサンプル。販売時期は未定。 |
●戦略は「LINEクリエイターズエコシステム」
これからのクリエイターズスタンプの方針を渡辺氏は“LINEクリエイターズエコシステム”と語りました。
「クリエイターにスタンプをつくってもらい、そのつくったスタンプをより輝かせる、埋もれていたスタンプをよりトップクリエイターに引き上げるという取り組みをまず行なう。すでにスタンプが輝き、かつ売上げもあるクリエイターには、様々なスタンプ以外のマネージメントサポートをすることによって、より輝かせる存在にしていき、そして輝いた存在としてまたクリエイターズスタンプかえってきてもらうという、“LINEクリエイターズエコシステム”というものを今年の戦略の基本にする」
●スタンプを制作しやすく、探しやすくするための取り組み
ほかにも、『LINE Creators Market』ではこれからさまざまな展開を行なっていきます。以下のものなどがあります。いずれも、よりスタンプを制作しやすく、探しやすくするためのものとなります。
・審査期間の短縮
LINEクリエイターズスタンプの制作にあたって、これまで3、4ヵ月、長くて6ヵ月程度かかることもあったという審査期間が大きな課題でしたが、審査スタッフを大幅拡充、審査体制の改善、システム面の改修、などの対応を進めており、6月中には審査期間を2週間前後に短縮が予定されています。
・『LINE CREATORES』公開
クリエイターが販売開始前のものを含む自身のスタンプを投稿でき、他ユーザーからの“いいね”によって評価を受けることができる『LINE CREATORES』が公開されます。LINEのトーク画面でスタンプを使用したときのシュミレーションをすることも可能。
・スタンプショップのリニューアル
クリエイターズスタンプをより目立ちやすく、探しやすくするために、LINEアプリ内の“スタンプショップ”のリニューアルを予定。メインページには公式スタンプと並列して人気クリエイターズスタンプを紹介するほか、カテゴリ別検索機能を追加し、例えば猫、うさぎ、犬などの動物や男女別のキャラクターなどのカテゴリ別にスタンプを閲覧することが可能となります。
・月間MVP制度を導入
スタークリエイターを発掘することを目的とし、ダウンロード数、送信率、クリエイター別の3つのランキングトップ10を『LINE CREATORES MAGAZINE』にて発表する制度をスタート。各ランキング1位のスタンプ内からMVPを決定する月刊MVP企画を新たに開始し、MVP選出されたスタンプには公式スタンプとしてアニメーションスタンプ、またはサウンドスタンプ化する権利が付与されるというものです。
以上、LINEクリエイターズスタンプにおける今後の取り組みでした。
『LINE Creators Market』は、特別な技術がなくてもスタンプを販売し価値に変えることができるプラットフォームで、スタート1年でLINE側も想像できなかったほどの盛り上がりを見せています。新たに、グッズ化の支援といったシステムが構築されたことによって、“スタンパードリーム”の規模がどっかんと大きくなったことは言うまでもありません!
1周年仕様のブラウンとコニー。 |
イベント会場では、クリエイターによる落書きスペースも設けられていました。 |
■関連サイト
LINE Creators Market
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