ドコモの2015夏スマホのひとつ『ARROWS NX F-04G』。NXシリーズは個人的に「だいたい武骨デザインでスペックもりもりで、何かしらの新技術を搭載する」といった認識なのだが、『ARROWS NX F-04G』もそのままのイメージで、今回は世界初となる虹彩認証“Iris Passport”を採用している。
生体認証としては2011年に登場した『REGZA Phone T-01D』(富士通製)から知られはじめ、iPhone 5sの“Touch ID”で広く普及することになった指紋認証だ。また、ここ最近の“ARROWS=指紋センサー”という印象をもつユーザーは多いだろう。しかし、ARROWS NXは上記のように虹彩認証を実現したことで、指紋センサー機能を削っている。
指紋センサーが出てきた当時も言われたことだが、実用的であるのかがやはり気になってしまう。パターンを入れるよりも手間であれば、それは使用されない機能でしかない。というわけで、ドコモの発表会プレゼンをスルーしてタッチ&トライエリアで、延々とARROWS NXの虹彩認証をチェックして遊んでいたので、そのインプレッションをお届けしよう。
虹彩認証に使用するカメラはインカメラではなく、別途用意されている赤外線カメラ。本体正面上部にある「インカメラかな?」と思う部分が虹彩認証用のものだ。また、暗い場所でも認証できるように赤外線LEDライトも搭載されている。そのため、端末正面上部はだいぶ過密なレイアウトになっている。
↑本体右上にあるものが虹彩認証センサー。よく見るとグリーンでARROWS NXのカラバリにある“Iris Green”のベースカラーにもなっている。ちなみに左から近接センサー、赤外線LEDライト、インカメラ、受話口、虹彩認証センサーと、ウフフな過密っぷりだ。 |
↑“Iris Passport”がオンになっている場合、画像のように赤外線LEDライトが点灯。 |
虹彩の登録は、カッを目を見開いてじっと画面を見つめるだけ。センサーが本体中央にないため最初は微妙な位置調整に手間取るが、およそスマホを見る距離から持ち上げた距離感なので、すぐに慣れるだろう。
また複数登録に対応するが、説明員によると家族でシェアするためというよりは、裸眼状態、メガネ状態といったように複数登録することで認証精度を高めるために用意したそうだ。メガネオンオフで登録してもおもしろくないので、今回は裸眼の状態で登録して、裸眼状態でのアンロック、メガネ状態でのアンロックでテストしている。
↑白黒で虹彩認証センサーから見た絵が表示されるので、ふたつの○に瞳が入るように距離を合わせる。また顔がARROWS NXの正面にくるようにしないと精度は低め。一応斜めからのロック画面の解除もできたが、時間がかかった。 |
動画はまず最初は裸眼でロックを解除しているところ。やや位置取りに慣れているので手間取ってしまったが、ふたつの○に虹彩が入った時点でアンロックされているのがわかるハズ。次にメガネを着けた状態でもテスト。登録している虹彩は裸眼状態のみ。ちょっと間を置いてからのアンロックになった。メガネを着けた状態で虹彩を登録しておけば、認証時間は短くなるそうだ。
↑ロック解除以外ではドコモの各種サービスでのログイン用で、対応するページでは“生体認証でログイン”の項目が追加される。 |
↑設定の“ロック・セキュリティ”欄にある といった感じに、虹彩認証はイロモノ機能ではなく実用的な認証速度であり、ロックの解除やドコモID入力などに便利。また『パスワードマネージャー』では、虹彩と特定サイトのパスワードの紐付けが可能。 |
↑すべて手入力でやや面倒だが、設定したサイトにアクセスすると虹彩認証になり、それを通過するとIDやパスワードが自動入力される。なお、明るい場所での認証はやや苦手で、室内程度ならオーケーだが晴天下での認証はけっこうシビアらしい。 |
といった感じに、虹彩認証はイロモノ機能ではなく実用的な認証速度であり、ロックの解除やドコモID入力などに便利。また『パスワードマネージャー』で特定サイトへのログインの補助にもなるため、寝ている間に指紋センサーで突破されてしまった男性諸君だけでなく、仕事用スマホのセキュリティーアップ用としても、ちょうどいい感じだと思われる。店頭にホットモックが登場したら、体験アプリで認証精度をぜひチェックしてほしい。
●関連サイト
・ドコモ(製品情報)
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