みなさま、GWはどのようにお過ごしになりましたでしょうか。GW中は都内でも晴れの日が続き、絶好の星空撮影日和でした。え?「都内で星とか撮れるのか?」ですと? 実は少しの設定とソフトでカンタンに撮れちゃうんですよ! 梅雨の時期になる前にお手持ちのカメラで挑戦してもらいたいものです。それでは、詳細を説明します。
■カメラと三脚を用意
手持ちのデジカメと小型でいいので三脚を用意します。僕は一般的なコンデジと同等の撮像素子(1/2.3型)を採用したミラーレス一眼の『PENTAX Q』と、マンフロット製『PIXI』(実売価格2500円前後)を用意しました。星を撮る際、長時間露光するので三脚は必須です。また、リモコンやレリーズが手持ちにないなら、手ブレを防ぐため数秒後にシャッターが切れるセルフタイマーに設定しましょう。
■カメラをマニュアル(M)モードに
星を撮るときは、カメラの設定を細かくできるマニュアル(M)モードが基本です。一眼タイプのカメラを使う場合は、キットレンズでいいので最も広角になるレンズを使いましょう。そのほうが星が多く入りやすいです。
手持ちのカメラがコンデジという人は、マニュアル設定ができるか確認して下さい。シャッタースピードと絞り値、ISO感度が変更できれば同じように使えます。マニュアル設定がない場合は、シーンモードなどに“花火”や“夜景”があればそれに設定しましょう。
■都会ではISOを低く設定しよう
田舎で星を撮る時はISOは800~1600、絞り開放、シャッタースピード10~30秒くらいが一般的です。しかし、満天の星空が見える田舎と違い都会は人工光が多いので、設定値はかなり変わってきます。ISO感度は200~400と低く設定しましょう。長時間シャッターを開けるので、高くし過ぎると真っ白な写真になる可能性もあります。
■シャッタースピードと絞り値は臨機応変に
シャッタースピードは4~6秒に設定し、絞りはF3.5~4に設定しましょう。撮影してみて写真が白くなりすぎる場合は絞り値を上げてみて下さい。星のピントはMFで設定します。Qのようにピントを拡大して調整する機能があればそれを活用し、無い場合はできるだけ遠くの建物などにフォーカスを合わせてから撮影しましょう。
一等星以上のような大きな星が空にあれば何とか見えるように。少々写真編集ソフトなどでコントラストをいじってみると、小さな星も何とか見えるようになりました。しかし、もっとしっかりした星空を撮りたくなりますよね。
■インターバル撮影に挑戦
一定時間ごとにシャッターを切る“インターバル撮影”を行ないます。機種によってはカメラ自体がインターバル機能をもっているので、設定ができるなら約10秒に1度シャッターを切るように設定してみてください。撮影枚数は50~200枚もあれば十分かと思います。レリーズにインターバル機能を備えたものもあるので、カメラに機能が備わってないならそれを活用しましょう。写真はRAWよりもJPEGで撮影したほうが、写真の保存時間も早く事故が少なくなる気がします。
■インターバルで撮った写真を“比較明合成”する
↑『SiriusComp』の画面。合成した写真の保存場所や、インターバルで撮った合成する写真を指定して手軽に比較明合成できる。 |
続いて、大量の星の写真を重ねて線状にする“比較明合成”処理をPCで行ないます。比較明合成はフリーソフトの『SiriusComp』などを使えばカンタンに実行できます。
■都会の星空の完成!
50枚の写真を比較明合成した写真です。色合いやコントラストなどをいじっていますがいかがでしょうか。100枚以上に設定するともっと多くの線が撮れることでしょう。
■こだわって撮るなら……
この写真は『PENTAX K-5IIs』で撮影したものです。16ミリ(35ミリ換算)の広角レンズを使い、“ソフトフィルター”を装着して星の光が大きく見えるようにしています。K-5IIsは上記のQよりも撮像素子が大きいので、より精細に撮れました。
手持ちのカメラでできる都会の星空撮影ですが、電灯などがかなり近くにある場所ではゴーストが発生する可能性もあり難しいので、極力暗い場所で撮影して下さい。興味がある方は週末にでもぜひ挑戦してみて下さい!
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