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世界最高峰の爆速ヨットレースにソフトバンク・チーム・ジャパンが参戦

2015年04月30日 20時30分更新

文● 中山智  編集●KONOSU

 4月30日、関西ヨットクラブとソフトバンクは、ソフトバンク・チーム・ジャパンを結成し、2017年に開催されるヨットレース『第35回アメリカズカップ』へチャレンジすると発表しました。

アメリカズカップ

 アメリカズカップは1851年から150年以上も続くヨットレースで、世界でもっとも古いスポーツイベントのひとつです。

アメリカズカップ
アメリカズカップへのチャレンジを発表する関係者。右から関西ヨットクラブ理事長渡邊浩氏、ソフトバンク・チーム・ジャパン総監督早福和彦氏、日本セーリング連盟会長河野博文、ソフトバンク ブランド推進室室長兼ソフトバンクモバイル執行役員広告宣伝本部本部長栗坂達郎氏。

アメリカズカップ

 こちらは、前回優勝のオラクル・チームUSAの帆走シーン。優雅なイメージのヨットとは違った、猛烈なスピードと迫力あるレースが繰り広げられます!

 孫正義氏は今回の発表について「世界最高峰のヨットレースであるアメリカズカップへの出場は、世界No.1を目指すソフトバンクグループの姿勢とも重なる大きなチャレンジです」とコメント。

日本チームは過去に1992年、1995年、2000年と3回チャレンジ(いずれも結果は4位)していますが、それ以降は資金面などで断念。15年ぶりの参加は、日本ヨット界の悲願が実現したことになります。

アメリカズカップ
アメリカズカップでは、水中翼により艇体が中に浮く双胴艇のハイテクヨットが使用される。
アメリカズカップ
発表会で展示されていた艇のイメージデザイン模型。これは2000年頃のモデルなのでモノハル(単胴艇)。
アメリカズカップ
前帆にはお父さんが。この白い犬のイラストが世界の海を転戦していきます。胸熱!

 現在、アメリカズカップの運営委員会に挑戦状を提出した段階で、参加を許可された状態ではないため、スキッパー(艇長)やクルー(乗組員)などの詳細は明らかにされていませんが、すでに5人のメンバー内定しているようです。今後、追加で乗組員を募集する予定もあるとのこと。

 今後は本大会が開催されるバミューダ諸島をベースにトレーニングを開始し、7月からイギリスのポーツマスでスタートする前哨戦の『アメリカズカップワールドシリーズ(ACWS)』に参加。2017年の予選、本大会へとチャレンジしていきます。

アメリカズカップ
アメリカズカップの公式サイトでは、ソフトバンク・チーム・ジャパン参戦のニュースがトップに。

 総監督の早福和彦氏は今回の参戦について「今大会からルールが大幅に変わり、チャレンジしやすい環境になった」と解説。これまでアメリカズカップは、一定のルールの下、船の設計を各チームが自由に行なえたため、莫大な開発費が必要でした。

 この規定が、各チームとも特定のビルダーが作った同じ艇体を使うルールに変更。艇体の価格は20分の1になるなど、チャレンジへの金銭的なハードルが大幅に引き下がりました。

 また改造可能な部分も厳密に決まっており、艇の性能差ではなく、乗組員の技量が大きく問われるレース内容にシフトしています。選定したメンバーや今後のトレーニング次第では、15年ぶりのチャレンジとはいえ、ソフトバンク・チーム・ジャパンも十分好成績をあげられる可能性があるとのことです。

アメリカズカップ
こちらは今大会の艇体デザインを使ったイメージイラスト。艇体が2つの双胴艇。

 使用する艇体は乗員6名で、全長は約14メートル。前回大会では乗員11名で、全長約22メートルのサイズだったので、約半分と小型化しています。ただし、一般的なセーリングクルーザーとは違い、艇体が2つ並んだ双胴艇(カタマラン)のデザインは同じ。また、水中翼を装備し一定速度以上になると、艇体が水面から浮き上がり空中を飛んでいるかのように帆走するので、スピードと迫力はそのままです。

アメリカズカップ
アメリカズカップ
アメリカズカップ

 ちなみに、現在アメリカズカップを保持しているのは、孫氏とは知己のラリー・エリソン氏がスポンサーをしている『オラクル・チームUSA』。ラリー・エリソン氏は、自ら艇に乗り込んでレースに出場するほどのヨット好き。また艇には1名のゲストが乗艇できるので、もし日本チームが本大会まで出場できれば、オラクルのラリー・エリソン氏とソフトバンクの孫正義氏のヨットガチンコ対決が見られるかも。

アメリカズカップ
イベントにはテリー伊藤さんと橋本マナミさんもゲストに登壇。テリーさんは高校時代にヨット部を自分たちで作ったほどのヨット好き。橋本さんもテリーさんのヨットに乗せてもらったことがあるそうです。

 ソフトバンクとしては、金銭的なバックアップのほか、CMやメディアを使ったセーリング自体の認知度アップも進めていくとのこと。今後のソフトバンク・チーム・ジャパンに注目です。

■関連サイト
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