日本IBMが2014年に開始したインキュベーションプログラムの“BlueHub”。採択企業5社を紹介するDemoDayが2015年4月13日に朝日新聞メディアラボにて開催。日本IBMはサムライインキュベートとco-ba shibuyaと協力のもと、サービスやビジネスモデル、UI・UXの再構築などへのメンタリング、コーチングサポートを行なう。
以下、要注目のスタートアップ5社のプレゼン内容をお届けする。
■体質・疾病リスクがわかる簡単遺伝子情報検査キット|ジーンクエスト
4万9800円で『遺伝子解析キット』が受けられるパーソナルサービス。送られてきたキットに唾液を入れて返送するだけで、ウェブページ上で体質や疾病リスクなどの遺伝子情報を知ることができる。解析できる項目数は200以上と国内でも最高規模。
遺伝子市場はまだできておらず、アジアの競合もない。技術的にも参入障壁が高いと強みをみせる。ヤフーの“Yahoo!ヘルスケア HealthData Lab”にOEMを提供するといった展開もみせている。ヘルスケア業界全体への遺伝子解析検査の活用や、遺伝子解析データをもとにした新薬開発、臨床試験などBtoBでの事業展開を予定する。
■ソーシャルの画像から製品を抽出して分析| Brand Pit(ブランドピット)
おっ……と思ってしまう名前のサービスだが、サービスは骨太。日々大量にアップされるソーシャル上の写真から自社製品が写っている写真を抽出して、消費者分析ができる強力なマーケットリサーチサービスを提供。製品とともにユーザーの顔や場所などを分析でき、性別、年齢、場所、表情から感情など消費者分析できる。
デモではビールのハイネケンをインスタグラム上で分析した例を出し、サービスを説明。画像から、競合製品の比較、地図上のヒートマップ、家やバーなどを判別する消費シーン、同時に消費されている食べ物などのデータを抽出した。今後は動画にも参入していくとしている。
■農業の経営を最適化する|テラスマイル
農業支援のツール“テラスコープ”を提供。すでに数多くあるテクノロジーによる作農支援ではなく、農家自身の出荷量や収穫量の入力に夜経営予測支援を行なう。「どのタイミングで出荷すれば、利益が大きいか」などサプライチェーンを意識するといったことが可能になるサービスだ。
テラスコープ自体は3年間無償で農家に提供され、集まった分析データをもとにしたレポート“テラレポート”を作成し、必要な団体に販売するビジネスモデル。
■スポーツチームの運営支援|リンクスポーツ
「もっとスポーツを楽しんでもらいたい」をテーマに、高校の部活や大学サークル、社会人チームなどアマチュア層をターゲットにした、チーム管理ツールを4月末にリリース予定。スケジュール、試合の記録、打ち上げ代の集金などを管理できる。チームの代表がひとりでもアプリを使えば、アプリをインストールしていない人、スマホを持っていないチームメイトもPCやフィーチャーフォンのメールだけでやりとりが可能となる。
今後はランキングなど追加機能によるチーム単位の課金、ロット単位での物販などを予定する。まるでマンガみたいでおもしろかったのだが、“助っ人”をクラウドソーシングできる機能の実装が想定されている。
■電波がないところでも使えるGPS登山マップ|セフリ
山登りやアウトドアレジャーで、オフラインでも使えるGPSマップアプリ『YAMAP』を提供。電波が届かないところでも、自分の位置がわかる。2013年3月のリリース以来、10万ダウンロードを突破、30万ダウンロードを今年中の早いうちに達成したいとしている。
また登山アウトドア製品の比較評価アプリ『YAMAP Gears』という新サービスを予定。所有しているアウトドア製品の登録管理、他製品との比較、ユーザー評価が行なえる、山道具版の価格ドットコムだ。外国人観光客のインバウンド需要と合わせ、収益の拡大を目指す。
BlueHub第1期の5社が選ばれた理由は、ともにIBMと掛け算でシナジーが出る事業をしていること。今後、5月19日に行なわれる“IBM XCITE SPRING 2015”にて、1社が勝者として選ばれる。
■関連サイト
IBM BlueHub(Facebookページ)
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