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Xperia Z3で北陸新幹線のLTE速度を調査したら金沢に近づくにつれてauが高速化した

2015年04月08日 07時00分更新

 みなさん、おはようございます。いまは週刊アスキーの吉田でございます。突然ですが、みなさんは北陸新幹線にはもう乗りましたか?東京から金沢までの所要時間が最速で2時間半になったことで、首都圏からの石川県や富山県へのアクセスが格段に向上しますね。しかも、東京から新大阪までの所要時間とほぼ同じ。関西人としては驚きなのは、大阪駅から特急サンダーバードで乗って金沢駅に行っても2時間半ということ。新幹線の速さを再認識してしまいました。

北陸新幹線LTE速度調査
北陸新幹線LTE速度調査

 さて、ワタクシはいろいろな仕事を抱き合わせたことで見事金沢出張を勝ち取り、交通手段に北陸新幹線を使えるようになりました。ここでは、その抱き合わせ仕事のひとつである北陸新幹線のLTE速度調査の結果をお伝えします。

マックスむらい in 金沢
金沢駅に隣接するもてなしドームは入り口にそびえ立つ鼓門(つづみもん)が有名ですね。

 今回の速度調査に利用した端末は、ソニーモバイルコミュニケーションズ(株)のXperia Z3と、AppleのiPhone 6/6 Plus。いずれもドコモ、au、ソフトバンクの3キャリアを揃えました。

北陸新幹線LTE速度調査

 この記事では、Xperia Z3を使った速度検証の結果を紹介します。

北陸新幹線LTE速度調査

 なお、バッテリー切れを回避するためスマホの台数ぶんのモバイルバッテリーとして、(株)アイ・オー・データ機器「ISMB-P8700W7」を準備しました。ISMB-P8700W7は、バッテリー容量8700mAhで、1Aと2.4Aの充電用USBポート×2基、マイクロUSBポートを備え、満充電までの時間は約5時間。本体サイズは幅93×奥行き63×高さ25mm、重さは190gです。価格は7700円。

北陸新幹線LTE速度調査
上面に北陸新幹線のイラストがプリントされています。W7というのは車両の型番です。これはJR西日本の呼称で、JR東日本だとE7となります。

 写真を見るとわかるように、本体に北陸新幹線のイラストがあしらわれているなどガチで開業合わせのモバイルバッテリーです。アイ・オー・データは石川県金沢市に本社があるので、広報担当者によると全社的にかなり力を入れているとのこと。

北陸新幹線LTE速度調査
北陸新幹線LTE速度調査
側面には1Aと2.4Aの充電用(出力用)USBポート×2基、入力用に2.1AのマイクロUSBポートを備えています。

 さらに、ついでといってはなんですが、「かなざわメモリー」なる郷土愛あふれまくりのUSBメモリーもお借りしました。スタンダードモデルとプレミアムモデルがあり、実売価格はそれぞれ2000円前後と3000円前後。容量はいずれも8GB。もちろんUSB 3.0に対応しています。

北陸新幹線LTE速度調査
「かなざわメモリー」(U3-STD/Hシリーズ)は、写真のプレミアムモデルのほかスタンダードモデルを用意。
北陸新幹線LTE速度調査
カラーは、プレミアムモデルがホワイト&ゴールド、ブラック&ゴールドの2種類。スタンダードモデルはホワイトとブラックの2種類です。

 ちなみに、だるまみたいなイラストは石川県公認キャラの「ひゃくまんさん」です。

北陸新幹線LTE速度調査
「ひゃくまんさん」は、JR金沢駅の北陸新幹線の改札を出てすぐの正面あたりに設置されていました。

 前フリがだいぶ長くなりましたが、東京駅から金沢駅まで各駅停車の「はくたか」に乗車して全15駅の速度を一挙に公開します。なお、はくたかの停車駅は出発時間や季節などによってさまざまですが、ワタクシは東京発6時28分の551号に乗車しました。計測には「RBB TODAY SPEED TEST」を使い、途中駅では駅に到着する直前から発車までの時間に3回計測した平均値、始発の東京駅と終点の金沢駅では新幹線ホームで3回計測した平均値をそれぞれ算出しました。

 なお、今回は休日(土曜日)の6〜9時、16時の計測であり、平日や時間帯によっては速度が大幅に異なる可能性があります。あくまでも参考値として考えてください。

■総合評価

北陸新幹線LTE速度調査

 先が長くなるので、まずは折れ線グラフで速度の移り変わりを見ていきましょう。下りは金沢に近づくにつれてauの速度がアップしてることがわかりますね。ソフトバンクは長野を過ぎたあたりから富山までは速度がガクンと落ちます。ドコモは速度差が激しいものの8Mbps以上の速度をキープしていました。

北陸新幹線LTE速度調査

 上りでは、停車駅によって速度差が激しいもののソフトバンクが飛び抜けて早い場所が多いですね。ドコモとauは可もなく不可もなくという感じです。auのほうが速度変化は少ないので安定していると言えるかもしれません。

■東京駅(6時28分発)
東京発の「はくたか」の始発は6時28分に出発するので、その10分ほど前に新幹線ホームで計測。ドコモが下り50Mbpsとぶっちぎり。都市部で強いソフトバンクも下り38.74Mbpsと高速でした。auは上り下りとも15Mbps前後出ていますが、他キャリアに比べると物足りない結果に。

北陸新幹線LTE速度調査

■上野駅(6時34分発)
上野駅では新幹線は地下ホームということもあり、各キャリアとも下りが20Mbps前後に落ち込みました。上りはauが9.29Mbpsでトップ。

北陸新幹線LTE速度調査

■大宮駅(6時54分発)
上り下りともドコモが安定しており、下りは37.28Mbpsとダントツ。とはいえ、auとソフトバンクも下りは20Mbps程度出ているのでネットは快適でしょう。なお、各駅停車の「はくたか」ですが、この次の駅である熊谷駅とその次の本庄早稲田駅には停車しません。北陸新幹線でこれらの駅に向かうには、「はくたか」ではなく「あさま」に乗る必要があります。後述の安中榛名駅は「はくたか」は上り下りとも1日1本だけ停車しますが、熊谷駅と本庄早稲田駅に停車する「はくたか」は上り下りとも現ダイヤでは存在しません。

北陸新幹線LTE速度調査

■高崎駅(7時20分発)
ソフトバンクが下り28.63Mbps、上り14.42Mbpsといずれもダントツ。ドコモは下りが9.23Mbps、上りが7.06Mbpsと最下位に。なお、この次の駅である安中榛名駅に東京から向かうには、18時40分東京発の「はくたか575号」もしくは「あさま」に乗る必要があります。

北陸新幹線LTE速度調査

■軽井沢駅(7時37分発)
避暑地の軽井沢ではドコモが下り49.60Mbpsと他を圧倒。auは下り11.87Mbpsといまいち、ソフトバンクはモバイル通信回線が4G(LTE)から3Gに切り替わるなど電波状態が安定しませんでした。

北陸新幹線LTE速度調査

■佐久平駅(7時46分発)
軽井沢での惨敗とはうって変わってソフトバンクがトップに。下り36.68Mbpsと他キャリアよりも10Mbps以上高速でした。

北陸新幹線LTE速度調査

■上田駅(7時56分発)
ここまであまり目立っていなかったauがぶっちぎり。下り54.38Mbpsはここまでの計測でトップのスピードでした。ソフトバンクはここでも3Gに落ちてしまい、かなりの低速に。

北陸新幹線LTE速度調査

■長野駅(8時8分着、8時10分発)
ソフトバンクが上下とも15Mbps超と安定してますね。速度のトップは下り21.51Mbpsをマークしたドコモでした。auはここでは上下とも10Mbpsを超えられませんでした。

北陸新幹線LTE速度調査

■飯山駅(8時21分発)
このあたりからauの快進撃がスタートします。下りは24.89Mbpsと3キャリアではトップ。ドコモは高崎駅に続き2回目の下り10Mbps未達となりました。

北陸新幹線LTE速度調査

■上越妙高駅(8時33分発)
auが下り29.46Mbpsとトップ。ドコモも下り15.98Mbpsとまずまずの速度です。ソフトバンクは上下とも10Mbpsに届かず。

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■糸魚川駅(8時46分発)
ドコモが下り28.16Mbpsとトップに返り咲き。上りも3キャリア中で唯一の10Mbps超えとなりました。auは下り13.01Mbpsと直近2駅からスピードが半減。ソフトバンクはここでも3Gも落ちてしまい。上りは1Mbps以下となりました。

北陸新幹線LTE速度調査

■黒部宇奈月温泉駅(9時01分発)
北陸新幹線の停車駅で最も長い駅名の黒部宇奈月温泉駅では、auが下り29.96Mbpsとダントツ。ドコモは下り16.91Mbpsでした。ソフトバンクはLTE(4G)を掴んではいたものの上下とも4Mbps台と残念な結果に。ちなみに駅名に入っている宇奈月温泉は、この駅から車で20分ぐらい山中に入る必要があるので、3キャリアとも速度が落ちると思われます。

北陸新幹線LTE速度調査

■富山駅(9時13分着、9時14分発)
富山県の中心に位置する駅ということもあり、3キャリアとも下り20Mbps超と良好な結果に。ドコモとauは25Mbpsを超えてます。下りはソフトバンクが15.27Mbpsでトップでした。

北陸新幹線LTE速度調査

■新高岡駅(9時23分発)
富山に引き続き、3キャリアとも高速。ソフトバンクが下り25.79Mbpsでトップでした。上りも17.21Mbpsでこちらもトップ。とはいえ、auは下り21.90Mbps、ドコモは18.88Mbpsとまずまずのスコアです。

北陸新幹線LTE速度調査

■金沢駅(9時37分発)
終点の金沢でも3キャリアとも良好な結果が得られました。トップは下り21.23Mbps、上り9.00Mbpsをたたき出したソフトバンク。auも下り18.80Mbpsと高速でした。ドコモは下り11.15Mbpsと少々残念な結果に。

北陸新幹線LTE速度調査

■金沢駅前(16時ごろ)
参考として金沢駅を降りて駅に隣接するもてなしドーム近辺で計測したところ、auが51.83Mbpsとぶっちぎりのスピードをマークしました。駅構内よりも遮蔽物も少なく電波を効率的に受信できたものと考えられます。ドコモはここでも下り11.85Mbpsとここでも残念な結果となりました。ソフトバンクは駅構内と比べて、下り速度にほとんどが変化がありませんでした。

北陸新幹線LTE速度調査

 総じて見ると、ドコモとauのXperia Z3であれば、おおむね20Mbps前後の下り通信が可能でした。ソフトバンクはものすごく高速になる駅もあったのですが、上田駅から黒部宇奈月温泉駅あたりまでは走行中でも3Gに落ちることが多く、時間帯によってはかなりストレスがたまる速度になるかもしれません。北陸新幹線の長野以降の路線はトンネルが多く常時の高速通信は望めませんが、駅間は10〜30分程度と短時間なので、トンネル内を除けば通信が途切れ途切れになることはなかったです。まあ、普通の人は東京から金沢までは各駅停車の「はくたか」ではなく、停車駅が上野、大宮、長野、富山、金沢のみの「かがやき」に乗ると思うので、体感は違うかもしれません。

 近日中にiPhoneでの速度調査結果も公開しますのでお楽しみに!

■関連サイト
ソニーモバイルコミュニケーションズ(Xperia Z3
アイ・オー・データ機器(北陸新幹線コラボバッテリー
​アイ・オー・データ機器(かなざわメモリー
JR西日本北陸新幹線時刻表(PDF

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