『スマホでアップルに負けてるマイクロソフトの業績が絶好調な件』(大好評発売中)
スマートフォンでアップル、Googleに後れを取り、Windows8も不評のマイクロソフト。新CEOのサティア・ナデラが描く、Surface、Windows10、クラウドでの戦略シナリオとは。週刊アスキーのウェブサイト週アスPLUSでも、屈指の人気をほこる連載“Windows情報局ななふぉ出張所”の著者・山口健太氏が書いた初めての著作が発売中です。
日本で唯一のWindows Phoneジャーナリストとして活躍し、マイクロソフトとスマートデバイスの話題を追いかけて、現在は若手のITジャーナリストとして活動の幅を広げている。本著は世界中のマイクロソフトのイベント、IT系展示会を取材してきた著者だからこそ書けた、ここ数年のマイクロソフトの動きからIT業界のトレンド、さらに2015年に発売が想定されているWindows10までも解説している1冊です。ぜひ店頭、ウェブでお買い上げください。
著者の書きおろしコラムを提供してもらいました。本著にもリンクする内容ですので、ぜひご覧いただきたく思います。
■Windows10世代で、一石二鳥目指した2in1PCの理想は現実となるか
PCの形状といえば、タワー型やノート型など数パータンに決まっていた。だがタッチ対応が強化されたWindows8の登場とともに多様化し、タブレットとノートPCの両方のスタイルで使える2in1に注目が集まった。ノートPCとタブレットを1台に統合。持ち物は軽くなり、充電やデータ同期の手間も不要で、一石二鳥となる。
だが、現実はそう甘くなかった。変形型の2in1ではノートPCとしての使い勝手に難点があったり、分離型ではプロセッサー性能が限定的となるなど、深刻なトレードオフが発生した。たしかにソニー(当時)の『VAIO Duo』シリーズやマイクロソフトの『Surface』シリーズなど、優れたハードウェアの製品は続々登場。しかし、アプリ不足が足を引っ張った。Windows8の登場後もタブレットで便利に使えるストアアプリは増えず、せっかくの2in1も宝の持ち腐れという状態だった。
状況に変化が起きたのは、Windows8.1アップデートが登場した頃のこと。2in1デバイスも、ノートPCとしての使い勝手を重視したものが増えてきた。PCの利用においてまず重要なのはデスクトップアプリであり、エクセルやウェブブラウザーの使い勝手を疎かにしたPCは誰も求めていないはずだ。その上でペン操作など新たな入力スタイルに対応する。
↑新『VAIO Z』は2in1を採用しつつも、ノートPCとしての使い勝手も重視した。
プロセッサーの進化も続く。新MacBookも採用したコアMにより、タブレットや超薄型ノートにおいても十分な性能のCPUやSSDを使えるようになった。その延長には次世代の第6世代コア”Skylake”の存在も見え隠れする。
残る課題はアプリだ。Windows10では、PCとスマートフォンで共通のアプリプラットフォームとしてユニバーサルアプリが導入される。しかしアプリ開発者の多くはiOSやアンドロイド、ウェブアプリの開発に忙しく、Windowsの優先度は下がっている。Windows10は2015年夏に発売が決定した。今後はいかにして開発者に関心を持ってもらうか、MSの打開策が期待される。
週アスPLUSでも屈指の人気連載“Windows情報局ななふぉ出張所”を執筆中、マイクロソフトとスマートデバイスの話題を追いかけて、1年の4分の1は海外と、世界を股にかける若手ITジャーナリスト山口健太氏が手掛けた初の書籍が2015年3月13日に発売。
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