更なるカスタマイゼーションとコントロールを(ReadWrite Japan提供記事)
3月9日の盛大なApple Watchのイベントの後、The VergeはグーグルがAndroid Wearをアップデートし、WiFiとジェスチャーのサポートの他、アドレス帳と組み込まれているアプリへのアクセス改善を行うと報じた。
この件ついてグーグルは肯定も否定もしていないが、TechCrunchに対してAndroidの開発チームは「忙しくしている」と述べた(これが何を意味しているのかはさておき)。
これらの追加は魅力的に思えるが、他に取り組むべきもっと根本的なことがあるのではないだろうか。何故なら1年のリードがあったにも関わらず、Androidのウェアラブルはそのうち幾つかの主要な分野でApple Watchに後れを取ることになるからだ。
盤面のカスタマイゼーション
時計の盤面を軽く考えない方が良い。これはスマートウォッチユーザーが最も長く見ることになる画面であり、常に表示されユーザーの腕を飾るものでもある。
ユーザーに時計の見た目をカスタマイズさせると言う意味では、グーグルはアップルに敵わない。グーグルが厳格かつ上から目線な姿勢を崩さないアップルと比べてよりオープンよりなことを考えると、奇妙な話にも思える。
しかし9日、アップルは幾つもの盤面から柔軟に見た目を変えられることを紹介した。ユーザーはアナログやデジタル、他にも天気予報や歩数計、予定などを盤面に設定することができる。
アップルによれば、設定の組み合わせはごまんとあると言っているが、少なくともAndroidよりは細かい設定が可能と言うことは言える。
グーグルが盤面の設定を核となる要素と考えていないことは理解できないが、この事は大きな穴で有り続ける。ユーザーの選択肢はたいていの場合、スマートウォッチメーカーから提供される限られたものになる。
Android WearのパートナーであるMotorolaの場合、Moto360では手持ちの写真か、用意された限られたものを使うことができる。Moto Makerツールを介して提供される新しいハードカスタマイゼーションでは、内面及び外面の様々な設定が行えるようになると発表があったばかりだ。
盤面設定ツールは、Moto360ユーザー向けに作られたConnectアプリに含まれるが、Android Wearデバイスが全て依存している核となるWearアプリとは別のものだ。Android Wearユーザーはサードパーティー製の盤面もDLできる他、FacerやWatchMakerといったエディタを使って自作することも可能だ。(出来は必ずしも良いとは限らないが)
盤面の選択肢がいろいろ出てきたとしても、簡単に使えるツールが提供される以上のことはない。アップルはそれを提供する予定だ。LGの新しいプラットフォームもこれに追随する。Android Wearではまだ未定だ。
一般的なカスタマイゼーション
カスタマイゼーションの必要性は盤面だけにとどまらない。
ユーザーにもっと設定変更やカスタマイゼーションを許可することで、グーグルはそのユーザーエクスペリエンスを大きく向上することができる。スマートフォンの通知が時計にも必要なのかどうかはわからないが、それでも主要な機能であることは代わりはないし、通話やメッセージングにおいては特に必要とされるものだ。
現在ユーザーは時計にアラートを送る特定のアプリをブロックすることができるが、配偶者からの電話や、上司からのメッセージのみ許可するといったことはできない。
また飛んでくるテキストやメッセージに対して返信する定型文の変更もできない。返信用の定型文一覧がグーグルから提供されてはいるが、時にはそれらで網羅されている以外のことを伝えたい時もあるはずだ。Wear Responseなどの様なサードパーティー製アプリもあるが、そもそも備わっているべき機能を実現するための仮の手段に過ぎない。
コントロールの提供
予定されているAndroid Wearの更新では、連絡先及びアプリへのアクセスがより素早く行える様になるという。もし本当であれば良いニュースだが、それで終わりとするべきではない。
考えてみて欲しい、Apple Watchは他のスマートウォッチが提供出来ていない機能をユーザーに提供しようとしている。ユーザーは絵文字などの新しいメッセージング機能やメモ書き、心拍に至るまでを他のユーザーに送ることができるほか、時計を使って電話をかけたり支払いをしたりホテルの鍵を開けることもできる。
そんな中、Android Wearデバイスでは来週の予定をチェックすることはできない。Google Nowのボイス機能でカレンダーの確認はできるが、次の予定確認やイベントのキャンセル、アポイントメントの追加を電話で行うことはできない。
使いやすいところにある画面の輝度調節、携帯のWiFiを切り替える機能、携帯を見失った時に音を鳴らして見つける機能及びボリューム調節などのこのウェアラブルの便利な機能は、サードパーティー製のWear Launcherを入れれば使える様になる。これはこれで素晴らしいことだが、グーグルが最初から提供しておけばなお良いのではないだろうか。基本的な機能を実現するためにわざわざアプリをダウンロードさせるべきではない。
スマートウォッチの細かい設定を行うためのグーグル・アプリやサービスは大量にある。音楽、カレンダー、連絡先はそれらの中でも主要なものだ。
ユーザーに対してデータ及びデバイスのコントロールを提供する点については、グーグルはアップルよりもはるかに優れている。Apple Watchの登場を控えて、グーグルは何故みんながAndroid製品を使う様になったのかを振り返るべきだ。そうすればハードウェアのパートナー達は他を求めて離れてしまうことなく、関係を保ち続けることができるだろう。
画像提供:
トップ画像提供:Sony
その他画像提供:各社
Brian P. Rubin
[原文]
ReadWrite Japan
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