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高品質ハイレゾ音楽プレーヤー『AR-M2』実機レビュー

2015年03月27日 13時00分更新

AR-M2

 1952年に設立された名門オーディオブランドのAcoustic Research社の高音質ハイレゾ音楽プレーヤー『AR-M2』が4月24日に発売されます。今回まだ日本に数台しかない実機を試用する機会を得たので、音質評価まで含めたレビューをお届けいたします。

●所有欲を満たす上質なボディー

AR-M2

『AR-M2』のボディーは、フレームが金属、背面がヘアラインの入った樹脂製で、その一部にデザイン上の意匠として“AR”のロゴが入ったピアノブラックのパネルが埋め込まれています。Android OSを搭載した端末ですが、重量はスマートフォンより重めの240グラムとなっており、剛性感とあいまって金属の塊を握りこんでいるかのような重厚な存在感が魅力です。

AR-M2
AR-M2

 ボリュームはAndroid OSと独立したALPS製のアナログポテンションメーター、またネジには六角星形のトルクスねじが使われており、ハイエンドオーディオにふさわしい上質感を外観から演出しています。税込価格14万9040円とそれなりの値段がつけられている本製品ですが、その出費に見合っただけの所有感を満たしてくれると言えるでしょう。

AR-M2

 Android OSのバージョンは4.3です。CPUにはクアルコムの『MSM8926』が採用されていますが、この組み合わせは安定性を重視して選んだとのこと。システムアップデートは可能ですが、『AR-M2』に搭載されている音楽プレーヤー『AR Music Player』は、Android OSのオーディオフレームワークに属しておらず、Acoustic Research社独自のオーディオパスにより音楽を再生しています。ですので、特段の理由がないかぎりはAndroid5.0へのバージョンアップはないでしょう。そして、あくまでも音楽プレーヤー専用機なのですから、OSバージョンを気にするような端末でもありません。

AR-M2

 本製品にはGoogle Playストアはインストールされていません。もしアプリケーションを追加したいときには“Amazon Android アプリストア”を導入するか、APKファイルをコピーして直接インストールすることになります。APKファイルは、ESファイルエクスプローラーなどのファイルマネージャーを利用すれば、ほかのAndroid端末上でバックアップすることにより入手可能です。

AR-M2

 試しに定番音楽プレーヤー『Poweramp』をインストールしてみましたが、AR-M2はAndroidのオーディオフレームワークもサポートしているので、とくに問題なく音楽を再生することができました。ただし、前述のとおりGoogle Playストアに対応していないため、課金が必要なアプリケーションは継続使用できません。とは言っても、音質的には標準搭載されている音楽プレーヤー『AR Music Player』のほうが有利なので、ほかの音楽プレーヤーをインストールする必要はないでしょう。

●ボリューム感ありつつ忠実な音再現

 さて本題の音質についての評価に入ります。今回AR-M2の音質面を評価するにあたって、イヤホンにはShureの『SE535』を使用しました。

AR-M2

 忠実な音再現に注力したハイレゾ音楽プレーヤーだけに、音のひとつひとつを聞き分けられる情報量の豊かさが、まずベースとしてあります。そのうえで解像感の高い音楽プレーヤーにありがちな音が痩せたような印象はなく、それぞれの音が独立しつつも、立体的なボリュームを感じられます。

 ハイレゾ音源とiTunes Storeで購入したサンプルレート44.100kHz、ビットレート256kbpsの音楽を比較するともちろん後者が情報量は減りますが、不思議と音それぞれの存在感は変わらず、明確に認識できます。ハイレゾ音源ではない聴き慣れた音楽を楽しんだときにも、その音楽のなかから新たな音を発見できるだけの素性のよさがあります。

 ホワイトノイズはボリューム後半の2/3ぐらいから目立って聞こえ始めますが、イヤホンで聴くなら0/3〜1/3の間でボリューム調整は十分です。1/2以上にボリュームを上げたまま聴き続けることはまずありえないので、ホワイトノイズが問題になることはないでしょう。

AR-M2
↑左上は“クロック:温度補償水晶発振器(TCXO)”、右上は“DAC”、左下は“ヘッドホンアンプ”、右下は“オペアンプ”。

 オーディオの世界、そのなかでも携帯音楽プレーヤーは自分にしか聴こえないので、究極の自己満足アイテムです。しかし、だからこそスマートフォンや現在所有している音楽プレーヤーの音に満足できていないのであれば、「自分を裏切らないために!」という理由をつけて、高品質ハイレゾ音楽プレーヤーの世界に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか? AR-M2にふんだんに使われている高音質パーツの効果のほどは、東京・中野にあるオーディオ機器専門店フジヤエービックなどの店頭で試聴してみてください。

 いち早く入手したい方は、アスキーストアですでに予約販売を開始しているので、ぜひご利用ください。

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