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リアルな描き心地を実現したPAPER専用ペン『Pencil』の開発秘話を聞く

2015年03月19日 17時30分更新

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 独特の描画感覚を持つ米FiftyThree(フィフティー・スリー)社のPaperアプリ専用Bluetoothスタイラスペン『Pencil』シリーズが、日本でも正式に発売されました。実売価格はゴールドカラーの『Pencil Gold』とクルミ材を使用した『Walnut』が9072円で、アルミ材に黒鉛の質感をデザインした『Graphite』が8424円。販売は、オンラインと直営店のApple Store限定となります。

●Pencilシリーズのスペック
サイズ:138(H)×8.5(D)×15.6(W)mm
重量:Gold 36g、Walnut 26g、Graphite 34g
バッテリー:90分の充電で約1ヵ月

 Pencilは、iPadアプリ『Paper』の専用ペンとなっており、鉛筆で描くような自然の使用感を追求して開発されています。また、アイデアをメモして即座に共有できるアプリ『Mix』も提供しています。日本での正式な発売に先駆けて、フィフティー・スリーのハードウェア担当ディレクターであるジョン・イケダ氏に開発秘話を聞いてきました。

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 同社社員第1号を名乗るイケダ氏は、マイクロソフトのキネクトなどのデザインを担当していた経歴の持ち主。

 Pencilの開発とフィフティー・スリーの理念について、イケダ氏は次のように語りました。

 「すべての人には、クリエイター的な要素が備わっています。そして、誰もが自分のアイデアを上手に残しておきたいと思うでしょう。しかし、作品をつくるためのソフトはあっても、アイデアをまとめるツールは少ないのが現状です。

 たとえば、マイクロソフトは先進的なデジタルツールを提供していますが、会議で重要なことはアナログ的なもの“紙と鉛筆”で決められていたのです。アイデアとはとてもアナログ的なデバイスで生まれ、アイデアの瞬間を捉えるデジタルツールが存在していなかったからです。

 “紙と鉛筆”の問題点は、アイデアの共有が難しいということです。逆にデジタルツールはデータ共有という面では強いですが、従来のUIでは扱い方を覚えるのにもひと苦労。そんなことよりも、アイデアそのものに力を注ぐべきでよね。そこで我々が目指したのは、“紙と鉛筆”に近いUIとデジタル的な強みを兼ね備えた、パワフルなデバイスです。

 フィフティー・スリーはハードウェアだけを提供するのではなく、その先にある素晴らしいエクスペリエンスを提供する会社です。そのために必要なハードとソフト、サービスの3つすべてを開発しています」

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 イケダ氏は「紙と鉛筆には魔法のようなものがある」とも語っており、確かにとっさにメモを取るのに、手描きなら何も考えずに残せます。話しの中に出てきた“紙と鉛筆”を徹底的に目指して、さらにデジタルの共有方法として、ハードの『Pencil』、ソフトの『Paper』、サービスの『Mix』の3つということになったのではないでしょうか。

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 iPad以外への展開について聞いてみたところ、「もちろんある。だが、iPadに比べてAndroidやWindowsのタブレットは画面の大きさや解像度など多岐にわたり開発が難しい。紙と鉛筆を使うかのような、最高のエクスペリエンスを経験してもらうためにiPadが開発しやすかった」とのこと。

 また、ペン先の硬さが違うモデルは検討しているか聞いたところ、「鉛筆のように垂直に立てて描くのと斜めに描くので違う描き方を体験してもらいたかったので、硬さやひっかかりなどを考慮して現在のペン先になった。また、硬いスタイラスペンは現状本当にボールペンのように再現できているものはない」とのこと。

 インタビューのあとに感じたのは、商品化への意識が高く、完成された状態で提供したいという姿勢だ。紙と鉛筆を徹底的に再現しようとこだわり抜いた『Pencil』。レビュー記事も近日公開予定なので、使用感が気になる人はそちらもチェックしてほしい!

【2015年3月20日修正】Pencilシリーズの『Graphite』の価格を8400円と記載しておりましたが、正しくは税込み8424円です。お詫びして訂正いたします。

●関連サイト
FiftyThree
Apple Storeオンラインショップ
Pencil by FiftyThree - Graphite
Pencil by FiftyThree - Walnut

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