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YouTubeにTHETAの360度動画を投稿してみた【純正ツールの情報追記】

2015年03月16日 16時00分更新

 360度全天球写真&動画撮影できるリコーの『THETA』を片手に、世界をブラブラしている旅バカライター中山です。THETAで撮った作品は、写真なら同社のクラウドサービスにアップすることで、ほかの人にも手軽に公開できるのですが、動画は5MBと容量制限があって10秒程度の動画しかアップロードできません。

360度YouTube
↑THETA自体は最大3分の動画が撮影できますが、公開できるのはその一部だけ。

 撮影した360度動画をカットせずに丸ごと公開できないかと待っていたところ、ついにYouTubeが360動画のアップロードと公開に対応しました!

360度YouTube
↑YouTubeのヘルプに、THETA以外の対応カメラやアップロードの手順も掲載されています。

 ただし、アップロードに対応したといっても、単純にTHETAで撮影した動画を投稿するだけではダメ。PC上での作業が必要となります。この作業が若干わかりにくいので、解説します。

(2015年3月17日14時30分追記)

 記事初出時は、コマンドプロンプトを使った方法を解説しましたが、3月16日に更新されたPC/Mac向けTHETAアプリ(バージョン1.10.0)でYouTubeへのアップロードが可能となりました。CUIがわかりづらい、という方はぜひこちらをお使いください!

(以上、追記)

 

 PCでの作業で用意するものは下記の3つ。

1 THETAで撮影した360度動画
2 プログラミング言語のPython(入手先:https://www.python.org/
3 YouTube用動画作成のためのスクリプト(入手先:https://github.com/google/spatial-media

 まずは、普段THETAで動画を撮影して視聴するのと同じように、PC用のTHETAアプリで変換します。

360度YouTube
↑PC用アプリでMP4ファイルへと変換。

 次にPCにダウンロードしたPythonをインストールします。現在『Python 3.4.3』と『Python 2.7.9』の2つがダウンロードできますが、前者だとエラーでスクリプトが動作しませんでした。後者の『Python 2.7.9』をインストールしましょう。

360度YouTube
↑Python 2.7.9をダウンロード。最初Python 3.4.3してしまい、作業が進まず苦労しました。

 Pythonのプログラムを動作させるためには、コマンドプロンプトから作業するので、インストールが完了したら、システムの環境設定でPathをとおします。

 手順は、“システム”→“システムの詳細設定”→“環境変数”へとアクセス。“システム環境変数”にある“Path”を選んで“編集”から、“C:Python27;”を追記します。

360度YouTube
↑システムのプロパティにある“詳細設定”タブへとアクセス。
360度YouTube
↑Pathの値を書き換えます。ほかの文字を消すとPCの動作が変になる可能性もあるので慎重に。

 ここまで設定したらいったんPCを再起動。コマンドプロンプトを起ち上げて、“Python”と入力してエンターキーを押すと、Pythonが起動するはずです。

360度YouTube
↑Pythonのインストールと設定が正しければ、このような画面になります。

 ここまでが準備段階。あとは、YouTube用動画作成のためのスクリプト“360VideosMetadata.py”と、PC用のTHETAアプリで作成した動画を同じフォルダーに保存して、コマンドプロンプトからそのフォルダーにアクセスします。

 最後に、コマンドプロンプトで“360videosmetadata.py -i 動画ファイル名 YouTube用の動画ファイル名”と入力して実行。スクリプトがYouTube動画に必要なメタデータなどを埋め込み、指定したファイル名で新しい動画を作成してくれます。

360度YouTube
↑コマンドプロンプトからYouTube用の動画を作成します。
360度YouTube
↑成功すると、同じフォルダーに動画ができあがります。

 あとは、作成した動画をYouTubeにアップロードすればオーケー。アップロードが完了すると、YouTubeで360度動画が閲覧可能! マウスもしくはキーボードの“W、A、S、D”キーで視点を操作できます。

360度YouTube
↑グリグリと視点が変えられる動画が視聴できます。

 また、Android版のYouTubeアプリなら、タッチ操作だけでなく端末の向きに合わせて視点を変えること可能。ハコスコなどの簡易ヘッドマウントディスプレーと組み合わせれば臨場感たっぷりでさらに楽しめそうです。

360度YouTube
↑360度動画に対応しているのはAndroid版のみ。iOS版のアップデートが待ちどおしい。

 Pythonのスクリプトを使った作業が、GUIに慣れたユーザーにはややハードルが高いですが、360度動画をカットすることなくアップして公開できるのが◎。THETAなど対応カメラを持っているユーザーはぜひ試してみましょう!

●関連サイト
YouTube 該当ヘルプページ

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