スマホがカギになるスマートロック『Qrio Smart Lock』 |
「資金に困っているわけではない」
WiLとソニーの共同出資から生まれた、スマートロックを開発しているキュリオ(Qrio)の西條晋一代表が11日にそう述べた。QrioはクラウドファンディングのMakuakeで消費者から支援者を募っていたのだ。実際、1600人以上から2500万円を超える資金を調達している。
Makuakeを運営するサイバーエージェント・クラウドファンディング中山亮太郎代表、ホームセキュリティー「Safie」佐渡島隆平代表、ウェアラブルデバイス「雰囲気メガネ」白鳥啓代表の3名に、小誌の伊藤有編集長代理をまじえて語った座談会だ。
「事前に本気で欲しいと思っている人の声が聞けるのがクラウドファンディングを使っている理由だ」と西條代表。
「マーケティング会社に依頼して覆面調査してもらうというのが通例だったと思うが本音が聞けているかどうかは分からなかった。『せっかくスマホを使うのだから、ハンズフリーで子供を抱っこしていても開けられるように』という声をいただいた」
キュリオ(Qrio)西條晋一代表 |
商品戦略、ディテールを変えた
同じように、Safieの佐渡島代表はクラウドファンディングで得られた消費者の意見から商品戦略を変えたという。
「不動産、介護、保育、いろいろなところから問い合わせが来て、需要が見えてきた。当初は個人向けだけにしていた戦略を変え、B(法人)向け商品をどんどん出していこうと、数ヵ月で戦略を変えられた」
雰囲気メガネの白鳥代表は、やはり消費者の声から製品のディテールを変えたそうだ。
「色に『グレー』を追加した。置き忘れ防止が欲しいといったコメントがあったので、そちらをもっと前の階層に持ってこようというフィードバックもした」
「Safie」佐渡島隆平代表 |
ウェアラブルデバイス「雰囲気メガネ」白鳥啓代表 |
クラウドファンディングはマーケティングツール
KickstarterやIndiegogoなどクラウドファンディングはお金のない個人のための打ち出の小槌サイトのように言われることもあるが、「そんなことはない」とサイバーエージェント・クラウドファンディングの中山代表。メーカーの負担となっていたテストマーケティングを改革できるというのだ。
「大手消費財メーカーはリアルに何千店舗でチェックしている。出先にアンケート部隊がいて、『なぜ買ったか』をマーケティングして、最終リリース前にブラッシュアップをしている」
販売前からあらかじめプロモーション費用をかけ、小売店に置いてくれと交渉をすることもあるという。余談だがこれは出版業界も同じで、「新聞広告が出る」「新聞に書評が載る」「映画化が決まっている」といったセールストークは書店でよく聞く。
サイバーエージェント・クラウドファンディング中山亮太郎代表 |
小誌 伊藤有編集長代理 |
1400万円の予約で流通が「向こうから来た」
クラウドファンディングで募った発売前の評価は、流通に対するアピールも強い。
Makuakeで購入者を募ったLED電球のサイフォン(Siphon)はわずか2ヵ月で1400万円を超える出資(予約購入)を記録した。おかげで「流通が向こうから売らせてくださいと言ってくるようになった」と中山代表は言う。
「資金調達は当たり前。PR、テストマーケティング、顧客獲得、実績作り。銀行に向けても実績になるのが本当のクラウドファンディング。メーカーにもどんどん使ってもらいたい」
写真:編集部
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