週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

実績なくても仕事で必要とされる方法:端羽英子の「自分を売る技術」

tapping

 週アスPLUSをお読みのみなさん、初めまして。ビジネス知識やスキルを使ってスポットのアドバイスを販売するサービス 「ビザスク」を運営している端羽英子です。

 サービスを通じて「自分の知識やスキルの価値を見直せ」「自分で稼ぐ道を探れ」と言っていますが、実はわたしも最初はどうやって自分をアピールすべきか、さっぱり分かっていませんでした。

大企業に勤めても経歴に書けることがない

 大学生のころ、学生結婚した後にゴールドマン・サックスに入社したものの、一年で妊娠して退職。その後、米国公認会計士試験に合格し、日本ロレアルに再就職するも、一年半後には家族の渡米に同行し、退職することになりました。

 キャリアアップのため渡米先でビジネススクールを受験することにしたのですが、困ったことになりました。受験には出願用のエッセイが必要だったのです。

 勤めてきた会社はいずれも社名こそ有名ですが、キャリアとしては短期間。『そこで何をしていたのですか?』と言われると、成功させたプロジェクトもなければ、語れる実績もありません。エッセイに書けることが思いつかず、焦りばかりが募りました。

 しかしあるとき、渡米先で出会ったアメリカ人のMBA生に言われた思いがけない一言に、目からウロコが落ちました。

弱点を逆にとらえられれば最強のスキルになる

 「あなたには『ヤング・ジャパニーズ・ワーキング・マザー』という強みがあるじゃない」と言われたんです。

 若くて、日本人で、働いていて、母親。一見するとすべて社会的に弱いキーワードで、ビジネススクールを受験するためには「克服しなければいけないこと」だと思っていました。しかし、マイノリティーも突き抜ければオンリーワンになる。発想を逆転させれば、弱みは強みになるんだと気付かされた瞬間でした。

 自分の経験をもとにレポートを書いた結果、受験には無事合格。MITのビジネススクールに通えるようになりました。

 入学後も、テクノロジー戦略の授業で「オムツのマーケティングの日米の違い」について議論する中、自分自身の体験を交えて持論を展開したり、マクロ経済の授業では「労働力減少を迎える日本における女性活用の必要性」といったテーマで発表したり、自分にしかできないことが次々と出来るようになったのです。

■まずは社外に出てみるのが最初のステップ

 ビザスクを運営する中でも、自分では失敗だったと思っていたプロジェクトでの経験が、今から似たようなチャレンジを迎える方にとっては貴重な知識になる、という事例がよくあります。「こんな当たり前のことをお金を出して聞きたい人がいると知って驚きでした」という声もいただきます。

 自分の強みを見つけるには、まず会社の外に出てみることが大事だと感じます。いつもとは違う人と出会い、他人からの指摘を刺激に、自分にとっては当たり前と思えること、弱みと感じていたことを、価値あるものとして再発見する。これが自分の価値をアピールする技術を身につける第一歩ではないでしょうか。

 

■著者経歴──端羽英子(はしばね・えいこ)

 東京大学経済学部卒業後、ゴールドマン・サックス証券投資銀行部門にて企業ファイナンス、日本ロレアルにて化粧品ブランドのヘレナルビンスタインの予算立案・管理を経験し、MIT(マサチューセッツ工科大学)にてMBA(経営学修士)を取得。ユニゾン・キャピタルにてバイアウト投資に5年間携わった後、ビザスクを立ち上げる。

000

画像:Rennett Stowe

■関連サイト
ビザスク

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります