2015年も3月に入り、今年は多いと言われている花粉のピークが近づいてきた。薬を飲んだ直後は眠くて仕事にならない。薬が切れてきた夕方は仕事にならない。そもそも仕事したくない。そんな人も多いのでは。花粉の少ない南国にでも行きたいとぼーっとしてしまう季節ですが、なんとそんな夢のようなことをかなえてくれる福利厚生をもつIT企業がある。
オリジナルTシャツがつくれるカスタマイズECの『tmix(ティーミックス)』などを運営するspice lifeが、2015年2月に導入したリモートライフ制度がそれだ。リモートライフ制度を使えば、好きな時期に好きな場所を勤務地に選べる。費用は限度額10万円を会社が負担してくれる。
制度ができたきっかけは花粉症に悩まされていたエンジニアの五十嵐邦明開発部長が、花粉の時期は仕事のパフォーマンスが半減し、「花粉症の時期は、花粉の飛ばないところで仕事がしたい」と発言したのがきっかけ。仕事のパフォーマンスを下げることなく、効率よく勤務できる環境を提供しようとできあがった。実際に五十嵐氏は2月19日から3月2日の間、リモート勤務を使い、沖縄で勤務した。3月13日から3月25日までは台湾でリモート勤務の予定だという。すごく、うらやましい。
五十嵐氏によると、「長年の夢が叶い、当社の新制度“リモートライフ制度”を利用し沖縄で勤務しました。嘘かと思うほど本当に花粉は飛んでなく、花粉症の症状はまったくなくなりました。そのうえ気候も暖かくて快適なので、素晴らしいパフォーマンスで仕事ができています。気分も上がります。場所が変わることも大きいけど、それと同じくらい、会社の仲間や会社以外のみなさんに応援してもらえるのが大きいです」
「実際にリモートライフを使って仕事をしてみて、予想以上に成果を出せることがわかりました。花粉症の人は多くいると思うので、今後、ほかの企業でもぜひこのような制度を導入してもらえたらと思います!」とよろこびの声を伝えてくれた。会社としても限度額10万円であれば、十分に水準を超える成果があり、会社としてもメリットがあるという。よし、KADOKAWAもぜひ導入してくれ。
このほかにも花粉症の時期だけでなく、日本全国や海外で仕事をする社員が増加する見込みという。夏に北海道のRubyコミュニティーに参加予定の社員が数週間リモートライフ制度を利用して北海道勤務を計画していたり、米国で5月28日~29日に開催されるGoogle I/O 2015に合わせてリモートライフ制度の利用を計画している予定があるという。
気になるのはリモート勤務で社員ひとりのパフォーマンスは確かに発揮できるが、チームとして機能するかどうかというところ。そこはコード管理に『Github』、ビデオ会議に『Google hangout』、コミュニケーションにはチャットの『idobata』などのオンラインツールを利用。「これらのツールで滞りなく円滑に業務が行なえており、これまでも支障が発生したことはありません」という。確かに新しいことを始めやすいIT企業の中で、特に遠隔コミュニケーションに適したツールが多く出ているエンジニアだからこそ、円滑にできる制度だと思う。難しい面も多いと思うが、多くの企業に広まってほしい制度だ。
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spice life
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