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男湯と女湯をつなぐ未来タオルほかビックリ発明11連発:Open Hack Day Japan 3

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 「なぜハック(開発)するのか。心躍ったからするんです!」。エンジニアの一人がプレゼンで嬉しそうに言った言葉が、その日のすべてを物語っていた気がする。

 ヤフーが8日に開催した「Open Hack Day Japan 3」は、エンジニアのお祭りイベント・ハッカソンでも日本最大級のもの。350人超のエントリーから生まれた80組超のチームが前日から24時間で開発した作品を「仮装大賞」よろしく次々に披露。会場は感心と爆笑の渦に包まれた。

 それではさっそく世にも素晴らしいハッキングの世界をどうぞ!(カギカッコ「」の言葉は開発チームからの声)

 

1.男湯と女湯をつなぐ未来のタオル

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 タオルが色あざやかに光り、男湯と女湯で「そろそろ出るよ」などとイルミネーションで会話できる。お風呂のタオルに超小型コンピューター(Edison)、マイコン(Arduino)、フルカラーシリアルLED(NeoPixel)を入れ、通信できるように改造した。女優でエンジニアの池澤あやかさんも開発に参加。「お風呂で使えるIoTデバイスを作ろうと思い、唯一お風呂に持ち込めるタオルを使うことに。うまくLEDが光らなくて、原因を見つけるのが大変でした。防水仕様になっていないので、今から(?)やります!」

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2.リア充を爆発させるヘルメット

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 風船がついたヘルメットをかぶってFacebookにログイン。友だちの数や結婚しているかどうかを確認、リア充と判定されたら針のついたサーボモーターが動き、風船がバン!と「爆発」する。KORGの電子工作モジュール(littleBits)と、インターネットにつなぐためのモジュール(cloudBit)を使って開発した。リア充にうらみがあったわけではなく「littleBitsで何か作ってみたかったんですよ」

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3.家電のスイッチをつける猫の手

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 スイッチにくっつけるだけで、普通の家電をスマート家電にできる装置。スマートフォンのアプリから「電源オン」の操作をすると、家電についた「猫の手」が炊飯器や照明のスイッチを入れてくれる。Bluetoothで通信して、サーボモーターを動かすシンプルな構造。「ツールキットはユカイ工学のコナシ(konashi)を使ってます。ほんとは家の外からiPhoneで家電を操れるようにもしたかったんですけど」

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4.猫でも開けられるドアの鍵

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 猫の首輪についたビーコンタグとBluetoothで通信し、自動で解錠するスマートロック。外に出たい猫がデジタルキーを使ってドアを開けられる仕組み。錠にコンピュータ(Raspberry Pi)をつないでコントロールする。「『Qrio』(スマートロック)があれだけスマートなら、人以外にも鍵を持たせられるんじゃないかと思って。首輪にGPS(位置)情報を取得させて、帰ってきたときどこに行ったかが分かるようにできたら、もっとよかったなあ」

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5.スマホにつながる耳かき

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 耳かきをしているときの強さ(耳かき圧?)がスマートフォンのアプリで分かる。ワコムのiPadスタイラスペン「Bamboo Stylus Fineline」の筆圧センサーを改造したもの。軸にあたる部分に高反発ゴムを仕込み、圧を測定している。コンテストではワコムの賞を獲得。副賞にはスタイラスペン6本。2人のメンバーで3本ずつ分けたいそうだ。「ペンは書く以外に用途はないと思いましたが、ある意味『かく』点は同じ。(副賞のペン)2本は普通にペンとして使って、残りは耳かきにします」

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6.ハガキが届いたらメールで通知するポスト

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 郵便物のスキャンデータをGmailに送ってくれるデジタル郵便ポスト。ポストの受け口にScanSnapを仕込み、入ってきたハガキやDMをスキャンし、Edisonからメールを出す。メールを『不要』と選択すると、実際のポストからも返却処理(下から吐き出す)ができるリアルスパムキラーだ。「ほんとは学習機能も持たせたかったんですけど。みなさんが『家に欲しい』と言ってくれて嬉しかったです」

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7.皿を洗うとDJできるスポンジ

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 食器洗いスポンジとスマートフォンがつながり、スポンジを動かすとアプリからスクラッチ音が鳴り、アニメ「秘密結社 鷹の爪」キャラクター吉田君の声がする。超小型の加速度センサーをつけてBluetoothでスマートフォンと通信しているそう。動機は「自分も皿洗いをせずにためこんでいた状態だったから。手につけて洗っても反応します」。ちなみに防水仕様には?「できてませんっ!」

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8.360度くるくる回るデジタル地球儀

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 リコーの360度カメラ「THETA」で撮影した写真を球面ディスプレイに表示。球形のコントローラーをくるくる回すと、映像も地球儀のようにくるくる回る。コクヨS&Tが開発した「黒曜石」という指輪型のプレゼン操作機を使ってもくるくる回せる。「子供のころから地球儀をくるくる回すのが好きだったんです。全天球で平面じゃないインターフェースが作りたくて。ほんとは裏も全部見えるようにしたかったんですけど。ここに(日本科学未来館の)『ジオコスモス』を表示できたら最高ですね!」

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9.トイレットペーパー製ストレージ

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 トイレットペーパーにインクで「0」「1」信号を書き込んでいく紙製ストレージ。コールドストレージ(保存のために必要でほとんどアクセスのないストレージ)のコスト対策になるんじゃないかと考えて開発を始めたものの「GBあたりの単価はHDDの3.7円に比べ、27万9620円と圧倒的な高単価を実現」ダメじゃん!「ディスクのアンマウントに時間がかかり、Write時にストレージが破れます」聞いたことないよ!「クソコードでケツが拭けます」それ言いたかっただけでしょ!

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10.口にくわえてぶんぶん振るやつ

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 見た目のインパクトから話題のフェイシャルフィットネスデバイス「PAO」がインターネットにつながる。ロボットとも口ぶんぶんでコミュニケーションできて、PAOの左右がいちばん上に来たとき全天球カメラのシャッターが切れる。PAOの左右に加速度センサーとジャイロセンサーを積み、Edisonで通信。LEDがカラフルに光るようになっている。「光量が欲しかったので、大量のFET(トランジスタ)が必要でした」。そう言い、PAOを口にくわえてぶんぶん振っていた、そんな彼は電気通信大学。

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11.写真から邪魔者を消せちゃう

 ちなみにコンテスト最優秀賞は「写真から邪魔者を消せる」という驚きのソフト。複数枚の写真を撮影、写真の露光から「邪魔者」にあたる部分を計算、統計解析的手法で写り込んだ観光客などを消してしまうもの。誰も写っていない写真集「tokyo nobody」を思い出した。

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 見ているだけでも楽しめたハッカソン。参加者たちはきっとランナーズハイならぬハッカーズハイになり、体から楽しい成分があふれ出ていたんじゃないかと思う。このごろ子供たちのIT教育が話題になるけど、まずはハッカソンの会場に連れていくのが一番なんじゃないかなあ。だってこんなの絶対やりたくなるでしょ!

写真:編集部

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