長崎バイオパーク公式アカウントのVine。851万回ループ再生されている
「ここ3ヵ月で利用者が3倍になった」
6秒動画サービス「Vine」ジェイソン・トフ(Jason Toff)代表は24日、そう言って目を丸くしてみせた。Vineチームが日本を訪れるのは初めてだ。3倍に急増した理由が「正直言って分からない」(ジェイソン代表)ため、調査に訪れたのだという。
Vineは2013年1月に開始して2年目になる動画サービス。正方形のフレームで6秒間の動画をアップロードできる。動画は自動でループ再生され、1日あたりの再生回数は平均15億ループ、閲覧回数では全体で月間1億人にのぼるという。MAUは非公表。
Vineの従業員は34人。建てつけはTwitter傘下だが、ニューヨークで「Twitter内のスタートアップのように」(ジェイソン代表)独立して活動している。TwitterやInstagramが最近になって動画の投稿サービスを始めたが「問題ない」と代表は言う。
「Vine」ジェイソン・トフ(Jason Toff)代表。Twitterの動画とは住み分けられるという |
「TwitterとVineは目的が違う。Twitterはいま瞬間を切り取っているリアルタイム性が大事。天気がどうだとか、今どこにいるだとか。Vineはどちらかというとストーリー、面白い動画だ。
Instagramは友だちと共有する場合が多い。こんなイベントに行ったとか、こんなレストランに行ったとか。Vineもそうした用途はあるにはあるが、それより少人数の人が大人数の人にエンタメ作品を発信することが多い。別の部分を扱っている。VineチームにInstagramを使っている人もいるしね」(ジェイソン代表)
2年間で「Vineスター」「Vineセレブ」と呼ばれる有名人たちも多数登場したそうだ。Vineを通じてロバート・デ・ニーロのようなハリウッドセレブと仲良しになるVineセレブも現れ、Vineではスターが現れやすい仕組みを作り始めているという。
初めてVineを使ったロバート・デ・ニーロ。後ろにチラッと現れるのがVineスターのジェローム・ジャレ(JEROME JARRE)くん
「生のイベントにVineスターが登場する。Vineの名前で後押しされるという感覚を持ってもらっている」(ジェイソン代表)
YouTubeにおけるマックスむらいやHikakinのようなYouTuberという位置づけになるのだろう。(まだ収益化の道はないけど)
Vineの場合は利用者層は主に30台以下の若い層に使われており、Vineスターも若い層が厚めになっている。今後は社内に5人ほど抱えるキュレーターを中心に埋もれた名作を見つけ、より幅広いVineスターを発掘していきたいと話していた。
Vineスターの無邪気さはどこか初期のニコニコ生放送を思い出させるものがあり、ちょっとしたノスタルジーを覚えた。
なお現在、日本でテレビ番組のキャプチャーを違法に公開する利用者も現れている。Vineでは現在「権利者から要請があったら削除する」体制で運営していると言い、アメリカでは逆にメディア企業がVineを使って映像を出す例もあると説明した。
ちなみにビジネスとしては「今は素晴らしい製品を作ることに注力している。素晴らしいユーザー体験が提供できるというところにフォーカスしている。Twitterも寛大だ」(ジェイソン代表)とのことで、まだ無邪気にやっていけそうだ。
写真:編集部
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