ソニーは本日2月18日、2015年度から2017年度における経営方針説明会を東京・品川の本社にて開きました。そのなかでウォークマンなどの音楽プレーヤーなどを担当するオーディオ分野についても分社化する旨を発表しました。
↑同社の平井一夫CEO。 |
説明会の冒頭で、同社の平井一夫CEOは事業ポートフォリオの見直しを発表。現在ソニーが展開する各分野を“成長牽引領域”、“安定収益領域”、“事業変動リスクコントロール領域”の3つに分別し、今後の売り上げや利益の見込み、投下資本について語りました。
●成長牽引領域
売り上げと利益は今後も増加させていく。他社との差別化にもつながりやすいため、投下資本も増やしていく
・デバイス分野(半導体、センサーなど)
・ゲーム&ネットワーク分野(PlayStationなど)
・映画分野(ソニーピクチャーズ エンタテイメント)
・音楽分野(ソニーミュージックなど)
●安定収益領域
売り上げは横ばいで、利益は微増になると予想。投下資本は今より減らし、着実な利益設計をしていく。
・イメージング・プロダクツ&ソリューション分野(α、サイバーショット、ハンディカムなど)
・ビデオ&サウンド事業(ウォークマン、ヘッドホンなど)
●事業変動リスクコントロール領域
市場の変化は今後も激しく、リスクの低減と収益性を最優先にする。想定では売り上げは減少するが、黒字化を目指す。投下資本は減少方向。
・モバイル・コミュニケーション分野(Xperia、SmartWearなど)
・テレビ事業(BRAVIAなど)
エレクトロニクスの各部門は、ソニーモバイルや昨年1月に発足したソニービジュアルプロダクツ(テレビ部門)のように子会社化を進めます。時期について明言があったのは、ウォークマンなどを開発する“ビデオ&サウンド事業”で、10月の分社化を予定しているそうです。
平井CEOは分社化の狙いを「自立性を高めて、各分野で結果責任、説明責任を明確化する。また、意志決定の迅速化にもつながるため、急激に変動する市場の動きにあわせられるようになる」と語り、「“One Sony”として取り組むべき事は、(ソニー本社が)小さな会社としてバランスをとっていきたい」と説明しました。
ソニーは昨年にPC事業を売却(現VAIO株式会社)していますが、分社化するエレクトロニクス各部門について「各事業に必要な事業売却や買収についても各責任者の判断を仰ぎたい」とコメントしており、“第2のVAIO”のような会社の設立もまだ可能性としては残っています。
↑収益化する見込みがあれば、既存の分野、今までやってこなかった分野の双方に新しい製品を展開したい方針。 |
ポートフォリオの見直し、“収益性重視”の経営にシフトするソニーですが、電子ペーパーウォッチ『FES Watch』やスマートロック『Qrio』、4K単焦点プロジェクター『Life Space UX』などを生み出した“シードアクセレーションプログラム(SAP)”を社内で実施しています。今後もソニーらしさを残しつつ、あわせて既存の概念にとらわれない、新しい製品やサービスの展開も期待したいところです。
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