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差別化狙う人材マッチング市場 フリーランス向けプレミアム案件も登場

2015年02月10日 12時00分更新

 ハイクラスな人材情報サービスといえば、管理職・専門職向けに特化した有料会員制転職サイトのビズリーチがあるが、フリーランスエンジニアに向けた人材マッチングサービスでも、ハイクラス人材を集めたカテゴリが新たに作成された。

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 シェアゼロが運営するフリーランスITエンジニアと企業をマッチングする仕事紹介サイトのPROsheet(プロシート)では、2015年2月10日より、1日あたりの報酬を4万円以上(プロシートの通常報酬は3万円/1日が基本。デザイナー、マーケターは通常2〜2.5万円/1日が3万円/1日)の”PROsheet Premium”サービスを正式に開始した。エンジニア自らがPROsheet Premiumコースを申し込み、スキルや実績を細かく確認する厳正な面談を通過した場合、クローズドな紹介・提案が実施される。一部自宅作業可能といった優遇案件も優先的に紹介されるという。週3日の勤務で月48万円の報酬といった案件が可能となる。

 いわばビズリーチのフリーランス版といったところだが、このようなサービスが開始された背景には大企業などでのエンジニア需要の高まりと、フリーランスエンジニア実績の可視化があるという。

 シェアゼロの中川亮代表取締役は、「大企業こそITエンジニアは必須。だが、優秀な人をどこで調達したらいいのか企業側もわからない。今までであれば火のついたプロジェクトのマネージメントなどが多かったが、近ごろはビジネスの初期構築設計でキモになる部分がわかる人を最初に入れておく運用が多い。社運をかけた新規事業であればなおさら。いくらお金出してもいいので、UI・UXがすごい人がほしいという要望がある。ただ、そういう人が見つかる場所はない」と語る。

 さらに、狙いとなるのは他サービスとの差別化だ。「(プロシートは)サービス開始から1年ほどだが、サイトに登録している2500人以上の稼働実績からハイクラス人材カテゴリが実現に至った。ただ案件が飛ぶだけのフリーランスと企業双方で口コミレベルだけだったものを数値化で基準作成ができるようになっている。実際に、スキルが違うだけで爆発的にプロジェクトの速度は変わる」(中川氏)

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昨年10月に進化したプロシートのオンラインマッチングの仕組み。

 ITエンジニアに限らず、この1年で人材を活用したマッチングサービスだけでも、多くのライバルがいる。シニアやノマド活用による経営課題解決のサーキュレーション、コンテンツ制作サービスを担うイノーバ、ベンチャー企業のサービス開発・採用のグロースパートナー、業界業務の知見をつなぐスポットコンサルティングのビザスク、さらに広いすそ野で見れば、クラウドワークスランサーズのようなクラウドソーシング型でのスキマ時間活用など新しい働き方が広がり続けている。プレミアム案件の登場も、フリーランスのあり方をさらに多様にする試みと言えるだろう。

 人材市場といえばマッキンゼーやリクルートなどの存在があるが、中川氏は「大手が乗り込んでくるにも、市場規模が小さいのでスタートアップでやる意義がある。ただしこの1年で認知度は上がってきたが、同じようなビジネスモデルも増えてきている。次のステップとして、今後、さらに二手三手と打っていく必要がある」と語った。

■関連サイト
PROsheet

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