1月31日、西武鉄道は西武池袋線 練馬高野台駅の発車メロディーを小学生が作曲したものに変更した。これは、西武グループが2014年から開催している『こども応援プロジェクト』で実現したい夢を一般から公募したところ、「自分の作った発車メロディーを駅で流したい」という応募があったのがきっかけで実現したもの。
実際の制作は、京阪電鉄やJR九州などの駅の発車メロディーの作曲で有名なミュージシャン 向谷実氏のサポートにより実現した。なお、上り線(池袋方面)を作曲したのは石原卓蒔くん(9歳)で曲名は「たのしい場所」、下り線(所沢・飯能方面)を作曲したのは千葉慎之介くん(8歳)で曲名は「きれいな川」。
↑式典には左からミュージシャン向谷実氏、上りホームのメロディーを作曲した石原卓蒔くん、西武鉄道 石神井公園駅管区長 土田正直氏、西武鉄道のキャラクター『スマイルちゃん』が出席。 |
同日、練馬高野台駅のホーム上にて記念式典が行なわれ、上りホームのメロディーを作曲した石原卓蒔くんと向谷実氏、同駅を管轄する西武鉄道 石神井公園駅管区長 土田正直氏、西武鉄道のキャラクター『スマイルちゃん』が出席し、一番列車の出発式が行なわれた。
式典で石原卓蒔くんは、どんなイメージ作曲したか?という質問に「僕は西武の電車が大好きなので、駅に来ると楽しい気持ちになります。そして、僕とほかのひとたちが電車に乗って楽しい場所に向かうイメージで作りました。」と答えた。
また、今はどんな気持ち?という質問には「大好きな西武の駅に僕の作った曲が流れるのが本当のことになるなんてビックリだし、うれしいです。そして、今日から僕と慎之介くんが作った曲をたくさんの人に聞いてもらえるのもうれしいです。」と語っていた。
下り線のメロディーを作曲した千葉慎之介くんは、残念ながらインフルエンザのため欠席となったが、作曲については「駅の近くの石神井川がとてもきれいで2羽のカモが一生懸命泳いで遊んでいるところを見て作りました。僕は電車が好きで特に西武線が好きなので、自分が作った発車ロメディーをみんなに聞いてもらいたいです。」と、コメントを司会者が代理で読み上げた。
また、作曲のサポートをした向谷実氏は「このようにホームで式典ができるのは、鉄道ファンとしても鉄道コンテンツを作っているミュージシャンとしても光栄に思います。私も色々と発車メロディーを作ってきましたが、西武線のメロディー長は5秒と短く、今まで制作した最短記録です。今回の曲の特徴は、上りと下りでアレンジを変えています。上りは朝の通勤時間帯で出勤される方向けに三拍子にしています。三拍子はワルツや円舞曲などで使われていて、人の行動を促す作用があります。下りは逆に落ち着いて帰宅をされる方のために安定感のある四拍子にしています。石原くんや千葉くがいいメロディーを作ってくれたので、この駅にふさわしい素敵なものに仕上がりました。」と語った。
石神井公園駅管区長 土田正直氏は「非常にいい曲に仕上がっていて、この駅だけの特別な発車メロディーになりうれしく思います。石原くんや千葉くん、向谷氏に感謝いたします。」と述べた。
↑まずは千葉くんの作った下り線の発車ベルを関係者一同でボタンを押して初再生。 |
↑次に石原くんの作った上り線の初発車ベルを聞いて、列車を見送った。 |
発車メロディーを子供が作ったものにするという試みは全国でも珍しく、西武鉄道では初めてのことだという。子供の鉄道に対する夢をこのような形で叶えられる機会があるのはとても喜ばしいことだ。なお、石原くんの将来の夢は電車の運転士さん。ぜひ今回のことをきっかけに夢を叶えてほしい。
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