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「CES開始前に勝負は決していた」海外大規模イベント出展で成功を収めるには?

2015年02月04日 07時30分更新

「びっくりした。10人くらいが集まるイベントのつもりだったが……」と語ったのは、Cerevoの岩佐琢磨CEO。

 1月26日にDMM.make AKIBAにて開催された2015 CES報告会の冒頭だ。世界最大の家電・IoT展示会であるCESに出展をするためのマニアックな話はなかなか共有されず、もったいないということで、CES出展を計画する企業や関係者に向けたイベントが実施された。

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■展示会を見に行かなくてもいいと認識すべし

 まずはそもそものCESの規模感から来場者に説明。会期は4日間。メイン会場のLVCC(Las Vegas Convention and World Trade Center)は東京ビッグサイト4つ分の広さで、さらにサブ会場の1つであるSANDS(Sands Expo)は幕張メッセくらいという広大さだ。さらに、これらとは別にSuites(日本ではあまりないホテル内でのクローズド展示)がラスベガスの各ホテルにて展開される。4日間でこれらを全て見ることは実質的に不可能だ。そのため、出展者もプレスも参加者も何のために行くのかが重要だと岩佐氏は語る。

 スライドに提示されたメッセージは「展示会を見に行かなくてもいいと認識すべし」。会場を見て、展示を行い、さらにプレスの相手を全て行うのは難易度が高い。プレスだけでも約5000人が来場するため、選択と集中が必要だ。販売へとつなぐディストリビューターか、告知をしてくれるプレスか、はたまた商品についてのパーソナルオピニオンを探るのかなど、どれかに絞ったほうがいいというわけだ。

 Cerevoがとった戦略は、海外のメディアに向けたアピールだ。世界中の家電企業、メディア、問屋が集まる場所として、CESほどの規模は他にはない。商談や取材対応だけでも、日本では得られない効率の高さがあるという。

「(航空券と宿泊費で)13万円で行って帰れる。例えば、今から来年のCESで話をしようと、海外メーカーに向けて突っ込んでいくのは非常に効率的。各家電メーカーの経営幹部が一同に集う機会はほかではない。大変価値のある時間になるのではないか」(岩佐氏)
 
■知られていないPP(プライオリティポイント)システム

 小規模なブースであっても、目的さえ明確であれば、イベント開場前に勝負は決する。Cerevoの場合は、展示=記事=代理店からの連絡、という形でつながった。「バカみたいなコストでないなら、1年目は出してみるのがおすすめ」(岩佐氏)ということだ。

 なお、2016年のCES開場内の優良なスペースは、すでにほとんどが売り来ているという。イベント中に来年のブース募集があるため、4日目時点で目立つような場所はとれない。

 申し込みにおいても、“プライオリティポイントシステム”(PP)という優先制度があると岩佐氏。ブース出展の実績が、1年ごとに1ポイントずつ加算される仕組みで、高いほど優先的に場所の指定ができる。募集日となるCESの2日目で最初に呼ばれるのはソニーなど大手。PPが順に下がっていき、1の場合でも367日前の申し込みでは、良い場所は残らないという。もっとも、「しょぼい場所」なら10月までは空いているようだ。

 長く出し続ける人が優遇される仕組みとなっているため、まず出展してみることが求められる。岩佐氏によれば、PPが3ポイントくらいで良い場所が抑えられるようになるという。CESのブース代は、1コマで4500ドル。ただし、ブース規模に従って、航空券や宿、造作物のコストは増大する。

 なお、ブースの貸し出し(Co-exhibit)もCESでは可能。出展社と仕入れ・資本関係があれば、800ドルの支払いと書類申請を行えば認められる。ゲストとして登壇したInterphenomの江原理恵Co-Founderとアップパフォーマの山田修平CEOは、今回のCESでCerevoからのコマ貸し出しを受けて出展した形だ。

 このほか、対メディアで特化するなら、ブースを1コマ減らしてでも「Unvailed」に出すべきだと岩佐氏。一般客は入れないCES前夜に行われるプレスカンファレンスだが、世界中からメディアが集まる。ここでまずは知ってもらえるPRをしっかりやることが重要で、後日ブースに来てもらえれば追加取材につながる。

 Unvailed当日の岩佐氏は、スノーボードに乗ったまま3時間ほどカメラに囲まれ続け、プレゼンを行うという大変な状況だったという。だがそのかいもあって、NBCやFOXなど米国の主要ニュース番組でも取り上げられる結果につながった。

 なお、来年のCESに行くなら、注目すべきは「SANDS」だと岩佐氏。2015年のCESは、IoTといえばSANDSと事務局が押し込めた形で、メディアに対してもアピールをしていたという。ブース予約会を見てきた岩佐氏によれば、「メイン会場から移る企業も含めて、2016年の参加企業はさらに期待がもてる」とのことだ。

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会場で毎日配布される"CES DAILY"。1日目のデイリーはUnvailedから選ばれる。Cerevoも見事表紙に入り知名度がアップした。なお、岩佐氏いわく今回のCESで一番効いたのは、米国のニュースサイト・Mashable(マッシャブル)とのこと。

■関連サイト
2016 International CES
2015 International CES 公式日本語サイト
Cerevo

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