Facebookは省パケット設計のAndroid向けクライアントアプリ『Facebook Lite』を公開しました。価格は無料ですが、現在日本のGoogle Playストアからはダウンロードできません。
Playの説明から、“制限のある通信環境と2Gネットワークへの最適化”などと書かれていることから、インドや南米などの新興国での利用を想定しているようです。
●実際にアプリを入れて確かめてみました
しかし、Androidアプリですので、例によってapkファイルはさまざまなコミュニティーでいわゆる“野良アプリ”として公開されている模様。あくまでも自己責任の範囲となりますが、試しにインストールして使ってみました。
↑野良の非公式apkを入れてみた。落ちている場所などはグーグル先生へ。 |
まず、ログイン前に少しつまづきました。インストール後、いくら待てどもログイン画面が出てきませんでした。しかし、WiFiを切ってモバイルネットワーク(LTE)のみの通信にしたところ、無事ログイン画面が表示されました。以降は、WiFi環境に切り替えても問題ありませんでした。
↑タイムラインは中華フォント。 |
自分の日本アカウントであっても、問題なくログインできました。しかし、日本語フォントは基本的に“中華フォント”状態で、“歩”など特定の漢字は“?”で表示されてしまいます。なお、言語設定に日本語は用意されていません。
↑通知画面。 |
↑言語設定。 |
全体的なUIの構成は通常版のAndroid向けFacebookと似ていますが、通知画面に画像がなかったり、各種アイコンがかなり解像度の低い(圧縮率の高い)ものになっています。アニメーションもほとんど省かれており、ムダな装飾などを外すことでアプリのパッケージ容量(Google Playのバージョン1.0.0.0.0によると252KB)をコンパクトにしているようです。ちなみに、自分の試用後の機器アプリ容量は696KB、対して今まで使っていた通常版は36.82MBでした。
↑メッセンジャー機能は内蔵。 |
通常版とさらに違う点は、メッセンジャー機能を内蔵している点。現在の通常版アプリでは、メッセンジャー機能は別のアプリとして提供されています。2つのアプリにするより、1つにまとめることで、新興国向けのストレージ容量が抑えられているモデルでも利用しやすくしているのでしょう。
●写真のアップロードは通常版と同じ
↑ペットの犬の写真をアップロードしてみました。 |
また、冒頭で紹介したように2Gネットワークへ最適化されているので、プロフィール写真などはある程度の軽量化(圧縮)が行なわれています。加えて、アップロードする画像は通常版とどのような違いがあるか確認してみました。
今回アップロードしたのは元画像2103ドット四方のJPEGファイル(Xperia Z2で撮影し、標準のエディターで加工しました)。結果は以下のような具合に。
・元画像(Orizinal.JPG)
2103ドット四方 72ppi 1.3MB
・Facebook Liteでアップした画像(LiteFb.jpg)
960ドット四方 72ppi 102KB
・Facebook Liteでセピア加工してアップした画像(LiteFbSp.jpg)
960ドット四方 72ppi 98KB
・Facobook通常版でアップした画像(normalFb.jpg)
960ドット四方 72ppi 80KB
※それぞれのスマホ版からアップロード後、ウェブ版からダウンロード。
※Facebook Liteにはアップされた画像をダウンロードする機能はない。
※また、画像の加工機能にも制限がある。
アップロードする画像に関しては、Lite版も通常版のAndroid向けアプリと同じで960ドット四方に圧縮するようで、“Lite版は特別に圧縮率が高い”ということはなさそうです。このあたりは、どの国の人が見てもしっかり画像が見られるように設計しているのかもしれません。
●使いやすさは断然“通常版”のほうがいいけれど
全体的な使い勝手、機能の豊富さなど、どれをとっても通常版のFacebookアプリのほうが使いやすいのは確かです。
一方で、格安スマホユーザーなどの“日々の通信量を少しでも節約したい”や、“Facebookを高頻度では使わないので、アプリをもっと軽くして欲しい”などのニーズは日本にもあります。とくに後者の場合、標準で(しかもアンインストールできない仕様で)Facebookアプリが入っている場合ストレージ的には結構厳しくなる場合も多く、本来は“通常版”と“Lite版”をユーザーが選べるようになるのが理想です。今後の動きにも注目してみたいと思います。
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