有名メーカーの新品スマートフォンが多数展示されていたCES2015。でもあまり名前の知られていないマイナーメーカーからもなかなか魅力的な製品が出展されていました。CES2015の裏の主役ともいえる、それらの製品をご紹介しましょう。
↑グレッソの超高級ラグジュアリースマホ。 |
アメリカのグレッソ(Gresso)はプレミアムな素材を採用する高級スマートフォンメーカー。いわゆる“100万円スマホ”で有名なヴァーチュ(Vertu)と同じカテゴリーの製品を製造しているメーカーです。いくつかの製品がありますが、2015年の最新モデルは『Gresso Regal』シリーズ。チタンボディーの『R1』が3000ドルから、チタンボディーにPVDコーティングしたボディー、そして18金を組み合わせたモデル『R3』が5000ドルから。ブースにはその最高値モデルのR3が置いてありました。
↑ガラス越しにもわかる“モノホン”素材。 |
ショーケースは鍵がかかっており実機を出してもらうことはできませんでしたが、側面のチタンや画面上部の“G”のロゴが刻印された18金パーツなど、貴金属を使っていることが光の反射からよくわかります。サイズは143.2×70.2×8.8ミリ、205グラム。手にもったら恐らくいい感じの重量感があるんでしょうね。
↑トップナンバーの製品だった。 |
グレッソは1製品あたり999台しか生産しません。そしてその1台1台に製造ロットが刻印されます。展示品はR3モデルの001/999、すなわちトップナンバーの製品でした。スペックは5インチフルHDディスプレー、クアッドコア1.5GHz CPU、名モリー2GB、ストレージ32GB、カメラは1300万画素+500万画素など。残念ながらLTEは非対応で、説明員によればいずれ対応品も出るだろうとのことです。
↑超広帯域無線対応、800メートル先のタグ位置もわかる。 |
BeSpoonが開発したスマートフォン『SpoonPhone』はUWB(超広帯域無線)に対応した製品。何ができるかというと、専用のタグの場所を半径800メートルの精度で検索できます。この手の製品としてはBluetoothタグが市販化されていますが、Bluetoothの場合は実際に利用できる距離はせいぜい10数メートル。これに対してUWBは100メートル単位で位置を正確に探し出せます。
↑これがUWBの専用チップ。 |
とはいえタグ発見のためだけにUWB対応スマートフォンを買う人もそういるようには思えず、やはり何らかの決定的な利用方法が見つからないと製品を増やすことは難しそう。UWBのチップも今のスマートフォンの部品と比べるとサイズがやや大きく、今後システム・オン・チップ(SoC)に組み込まれるようにならないと搭載するのも難しくなるでしょう。今後の動きに期待したいものです。
↑スマートTV付属のタブレット。 |
中国の大手TVメーカーでもあるハイセンス(Hisense)のスマートTV、よく見ると手前に小さいタブレットが置かれています。これは『GALA TV』というもので、このタブレットは普段はTVのタッチパネル付きリモコンとして利用できます。そしてTVの前を離れるときは、このタブレットにTV番組をそのまま継続して放送できるとのこと。
↑7インチの低価格製品かな。 |
写真を撮るときにちょうど電池切れとなってしまいましたが、解像度は低く1万円以下で売られている中華タブレットと性能は変わらないかもしれません。質感はTVリモコンとして毎日宇使うことも考えてか、そこそこしっかりしています。恐らくこのタブレットを使わなくとも、アプリを別途他メーカーのタブレットに入れてもGALA TVは動くはず。なのでこのタブレットは製品化されないかもしれません。
↑ハイセンスから防水スマホ。 |
もうひとつハイセンスから。岩場の模型の上に置かれているこのスマートフォンは防水対応の『G610M』。海外メーカーでも防水スマートフォンは少しずつ増えているようです。こんなところに展示するってことはアメリカでも売るのかな、と思ったら通信方式は中国3GとGSMのみ。参考出展だそうで、ちゃんとW-CDMA対応品も開発してグローバル販売してほしいものですねえ。
↑長虹のAndroidスマートウォッチ。 |
最後にこっそりと展示されていたスマートウォッチをご紹介。これも中国TVメーカーの長虹が展示していたもの。ブースの中の裏のほうにひっそりと置かれていました。しかも壁に留められており、説明も一切なし。
↑説明員も不明のスペック。 |
どんな製品かブースの説明員に聞いてみたところ「あれ、こんなのあったっけ?」との答え(笑)。もしかしたらブースの展示に華を添えるために慌てて展示したのかもしれません。どうやらAndroid OSで動くようですが詳細は不明。各社スマートウォッチを出しているだけに、せめて“参考出展”とか何らかの説明がほしいところです。
↑出展多すぎて見きれなかった今年のCES2015。 |
アウディーブースにはなんと車載用の自社ブランドタブレットも発見。ハイセンスのTV用タブレットもそうですが、スマートフォンやタブレットコーナー以外にもモバイル製品を多数見かけた今回のCES2015、出展企業が増えすぎて全部を見て回ることは不可能でした。恐らくここでは紹介できなかったマイナー系スマートフォンやタブレットがまだまだ出展されていたことでしょう。来年はそれらを中心に取材してみるのも楽しそうですが、とはいえやっぱりメジャーメーカーの新製品も気になるところ。CES2016の取材が今から悩ましいところです。
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