週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

細田守監督、7月公開の最新作はアクション満載の大冒険活劇『バケモノの子』

2014年12月11日 19時30分更新

 『おおかみこどもの雨と雪』で圧倒的でファンタジックな自然界の美しさと、新しく繊細な母子の愛の姿を描いた細田監督作品の次回作は、人間界の“渋谷”とバケモノ界“渋天街”の2つの世界を舞台にした冒険活劇『バケモノの子』。
 公開は2015年7月11日(土)。

 ストーリーは、ひとりぼっちの少年が、孤独なバケモノ剣士と出会い、弟子入りして修行するという、いわば少年の成長物語。交わるはずのない2つの世界に生きる2人が、お互いに成長していく過程を、アクション満載で描いたアニメーション映画となる。

バケモノの子
↑公開された唯一のスチール。画面は渋谷のスクランブル交差点。少年の肩に乗っている丸くて白い生物は“チコ”という名前のマスコット。主人公のそばにいて、ほっとするようなキャラクターとして存在するようだ。渋谷区から一歩も出ないという設定については、有名でありながら、これまであまりメインの舞台になっていない場所として選んだという。

 青春、親戚、母子、に続き、今回のテーマは“父と子”であり、“成長”が大きなキーワードだ。細田監督は、映画のテーマを考えるにあたり、自身もひとりの親として「今の子どもたちは何を見て育ち、どうやってこの世の中で、成長して大きくなっていくのだろうか」について考えたという。

 少子化で子供が減り、子供を見つめる眼差しがどんどん変わっていく社会で、子供の成長をどのように祝福して、見守って、いかなければならないのかといった、これから必ず訪れる社会の新しいテーマが、この映画には込められている。「子供は親が育てるというけれども、(実際は)たくさんの人に育てられている。いつか“心の師匠”と呼ぶような人が現われ、その人の存在が(父親より)大きくなったとしても、それによって誇らしい成長を遂げてくれたらいい。子供がたくさんの人から影響を受けて成長していく、そういう映画を」と細田監督。

バケモノの子
↑細田守監督。発表会見にて。

 これまでの作品と一転、『バケモノの子』には年配の男性(バケモノ含む)が多く登場するという。また、アクションがふんだんに盛り込まれることもあり、画作りにはたくさんのチャレンジがあると細田監督。幡ヶ谷など、渋谷区のあらゆる場所でバラエティに富んだ激しい戦いが繰り広げられる予定で、公開までには、キャンペーンも含め、さまざまな仕掛けを展開していくとのこと。続報を心待ちにしたい。

現代社会の変容とともに、家族観も変化するのは必然です。
旧来の伝統的な家族観はもはや参考にならず、
私たちは、家族の新しいあり方を
模索しなければならない瀬戸際に立たされています。
新しい子どもたちはなにを道標に成長すればよいのか。
また新しい大人である私たちは、
子供たちにどんな姿を見せ、なにを手渡してあげられるのか。
この映画を通して共に考えていけたらと思っています。
『バケモノの子』は、ひとりぼっちの不幸な少年が、
強いけれど身勝手な独り身のバケモノと出会い、
想像を超えた冒険をする物語です。

子供たちには、バケモノとの修行と冒険が、
心躍るおとぎ話になるように。
若者たちには、「自分は何者であるか」という
彼らの時間の切実な問題に、
寄り添い励ましてあげられるように。
そして大人たちにとっては、少年とバケモノの唯一無二の絆を通じ、
大きな充実感と幸福感が得られるように。
おエンターテインメントの作法に則り、
あらゆる世代が楽しめる清々しい映画を目指します。

アニメーション映画監督 細田守

バケモノの子

○監督・脚本・原作:細田守
○作画監督:山下高明(『サマーウォーズ(レイアウト設定)』)、西田達三(『おおかみこどもの雨と雪(原画)』、『サマーウォーズ(アクション作画監督)』)
○美術監督:大森崇、高松洋平、西川洋一
○音楽:高木正勝

2015年7月11日(土)、全国東宝系ロードショー

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります