企業向け製品“AMD PRO”について記者向けの説明会を行なった。まず登壇したのは日本AMDのコンシューマ・コマーシャル事業部の林氏。
『Xbox One』や『プレイステーション4』、『Wii U』などゲーム機にチップが、そして『Mac Pro』にはFire Proを2基搭載するなど、AMD製品は意外と身近な製品に搭載されている。
認知度の高い“インテル”などのライバルに対し、“プロセッサーと3Dグラフィックの両方を同じ企業が開発する”というメリットをアピール。
AMDではPC向けのx86系と、最近特に増え続ける、スマホやゲーム機で使われるARM系の2つの市場に技術を注入。2014年時点で800億ドル(約8兆円)の市場にまで拡大しており、今後も増加していく2つの市場を舞台に“新しい会社に生まれ変わる”と説明する。
続いてAMDのコマーシャル・クライアント製品管理担当シニア・ディレクターのAditya Kapoor氏が登壇し、ビジネス分野でのAMDの取り組みを解説。
2013年の5ヵ年計画で、2013年に5年で2600万台出荷予定が、2014年には3200万台へと増えた。大幅な伸びを見せているものの「PCベンダーにとってビジネス層は大事な領域だが、AMDはまだまだコンシューマー向けのイメージが強い」と分析。
しかし、ビジネスシーンでも利用が増えてきた『Skype』など、“グラフィック面の強化”が要求にあり、グラフィック分野を自社でもつ強みからAMDでは、AMD PROに勝機アリと見る。
グラフィック面、性能面においてライバルのインテルCPUとAMD PROの優位性を紹介したのち、「AMD PROは一般向けとどう違うのか?」と続け、大きく4つの違いが挙げられた。
その4つのポイントを紹介していこう。
(1)パフォーマンス
ビジネスは4年間使い続け、償却できるものが求められる。そのときのエントリークラスでは、4年使い続けるには不適当。AMD PROなら最高のアーキテクチャーを使い続けられる。
(2)ライフサイクル
AMD PROは24ヵ月のサイクルで提供するため安定性が生まれる。一般向け製品では、小売店から「新しいカラー、新しい形状が欲しい」と日々求められるが、それを企業に毎月もっていったとすると飽きられてしまう。
(3)品質
長い勤務時間、日中の電力サイクルを使うなど“ビジネス向け”として、一般向けAPUとは差別化した品質が求められる。また、ビジネスの現場では、約90%がWindows7を使っているという実情もあるが、AMD PROではさらにいろいろなOSやビジネスアプリでテストを敢行。単にハード面だけでなく、ソフトウェア面にも目を向けている。
(4)ビジネスソリューション
広い分野だが、必要な視点であると解説。IT管理者から多く要望される管理性についても言及した。
IT管理者において、コストの40%がPCの管理に当てられているという実情をあげ、AMDでは独自の管理ツールを提供。
オンラインで、デバイスにアクセスし、
・ディスク管理
・ブートマネージャー
・電源ユーティリティー管理
が行なえる。
また、デスクトップがOFFの状態でも、メモリーや周辺機器といったデバイスの管理まで可能。
同社が“史上最高のAPU”とするKaveri世代は、前のRichland世代と比べ、圧倒的な性能を誇るという。
そのKaveri世代であるAMD PROは、今年HPからリリースした“エリート”シリーズで独占販売を行なっている。今後はHPの下位モデルにも拡大し、他メーカーにも拡大していく予定だ。
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