iBeaconの次に注目したいHomeKit対応家電が登場！iPhoneに話かけるだけ

2015年02月19日 18時15分更新

　みなさん、こんにちは。いまは週刊アスキーの吉田でございます。さて、2月19日に東京・六本木にあるグランドハイアット東京で、「CES Unveiled Tokyo」というイベントが開催されましたよ。これは、例年1月頭に米国で開催されているCES（コンシューマー・エレクトロニクス・ショー）を受けて、その内容の一部を東京で披露するという内容です。

　展示ブースのスペースはかなりコンパクトで出展者も9社と、本場のCESとは規模が全然違いましたが、ワタクシの目的はただひとつ。世界初のHomeKit対応Bluetoothデバイスをこの目で見ることでした。

　HomeKitとは、AppleがiOS8で実装した機能で、音声アシスタント機能であるSiriと家電を組み合わせることで音声で家電を操作可能にするもの。デバイス側がHomeKitに対応すれば、iOS側に専用アプリなどをインストールすることなくSiriで家電をコントロールできるという仕組みです。

　さっそく、このデバイスが展示されているアプリックスIPホールディングス(株)のブースへ。まずはiPhoneのSiriに向かって「キッチンの照明つけて」と話します。

　するとSiriが「はい、設定します……」と応答。

　続けて「変更しました」という返事が返ってきます。

　このあと、キッチン用に設定されていた照明がオンになりました。

　次に「リビングの電気をつけて」と話してみました。

　するとリビング用に設定されていた照明が光りました。

　ちなみに、「キッチン」は「台所」、「照明」を「明かり」や「電気」と表現しても大丈夫です。つまり、「キッチンの照明つけて」と「台所の明かりつけて」と話しかけた場合は、同じ操作が可能です。家庭内では、世代によってキッチンや台所と呼び方が異なりますが、このSiriではそのあたりの言葉の違いを吸収してくれるわけです。

　また、「照明消して」や「明かり消して」と照明の場所を指定しない場合は、HomeKit対応のすべての照明を消すということも可能です。

　なお、アプリックスがHomeKit対応家電を販売するわけではありません。今回展示されていたのは、(株)ドウシシャがアプリックスのモジュールを組み込んだ製品でした。アプリックスのHomeKit対応のBluetoothデバイスを家電メーカー各社が採用することで、すでにリモコン機能が備わっている家電であれば短期間でHomeKitに対応させることが可能のようです。

　アプリックスではそのほか「お知らせビーコン」というBluetoothモジュールを内蔵した家電も展示していました。

　展示されていたのは扇風機とセラミックファンヒーター。いずれもペアリング済みiPhoneとの距離が一定以上開くと、自動的に送風がオフになります。

　もちろん、再度近づくと扇風機は自動的に羽根が回り、ファンヒーターからは熱風が吹き出します。

　扇風機の場合、電話の着信があると自動的に羽の回転速度を落として微風モードとなり、電話口から聞こえる風切り音を低減するという機能もあります。

　セラミックファンヒーターのほうは、室内の温度やフィルターの交換時期などをiPhone側のアプリが知らせてくれる機能を備えています。

　扇風機やファンヒーターのコントロールに使われているのはアプリックスが開発した「hubea」（ヒュービー）というアプリで、Bluetoothモジュールと一緒に制御用のアプリをメーカー向けに販売するそうです。一般ユーザーは、App StoreやGoogle Playから同名のアプリをダウンロードして機器とペアリングするだけで、Bluetoothを利用した遠隔操作や自動制御が可能になります。

　もうひとつ展示されていたのが、Bluetoothモジュールを内蔵したアロマディフューザー。

　こちらはLINEのメッセージの内容を判別して、本体のライトの色を変化させるという機能が備わっています。

　アロマディフューザーとペアリングしているiPhoneに対してLINEで「こんにちは」と送信すると、アロマディフューザーのライトが緑色に光ります。

　「おはよう」の場合は、ライトが赤に光ります。

　「緊急」というメッセージを送ると7色のライトを順番に点灯させます。

　LINEのメッセージ内容での判別だけでなく、TwitterやFacebookなどSNSサービスの違いによって点灯させる色を変えることも可能とのこと。

　アプリ側に水切れを通知してくれるほか、お手入れメモなども表示されます。

　アプリックス広報によると、2015年はHomeKit対応デバイスやお知らせビーコンなどの普及に力を入れていきたいとのこと。Bluetoothモジュールは安価で低消費電力のうえ、制御用のアプリも提供されるという、家電メーカーにとっては導入しやすい環境が整っています。2015年はHomeKit元年になりそうな予感がします。