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開発者に訊いてわかったnasneリモート視聴の快適さの秘密

2014年10月01日 18時30分更新

nasne(ナスネ)

 ソニー・コンピュータエンタテインメントのネットワークレコーダー&メディアストレージ『nasne(ナスネ)』は、2014年9月25日の無償アップデートで、待望のリモート視聴に対応した。外出先のスマホや『PS Vita』から、家のnasneで録画した番組が視聴できる。今回は、その機能のスゴさについて同社の製品企画・開発者に話をうかがってきた。

nasne(ナスネ)
↑製品の企画を担当する、戦略・商品企画部 渋谷清人担当部長。
nasne(ナスネ)
↑製品の開発を担当する、研究開発本部2部 石塚健作担当部長。
nasne(ナスネ)
↑ソフトの開発を担当する、研究開発本部2部4課 大橋良徳氏。

nasneの高速なレスポンスと快適操作をリモート視聴でも再現

編集部:リモート視聴の開発ポイントを教えてください。

渋谷氏:『nasne(ナスネ)』の開発で一環してこだわっているのは高速なレスポンスと快適な操作性です。これはnasneがプレイステーションシリーズの周辺機器である以上、ゲームの操作感に慣れたユーザーがストレスなく扱えるようにする必要があるからです。今回のアップデートで対応したリモート視聴も例外ではありません。いかに宅内のLANと同じように快適に、いつでもどこでも視聴できるかを追求しました。

大橋氏:デジタル放送のリモート視聴は、放送局や受像器メーカーなどで構成される“次世代放送推進フォーラム(NexTV-F)”で策定されたものに準じる必要があります。ただ、著作権保護の方式は一般的な“DTCP+”でなくても構いません。そこで、nasneのリモート視聴では独自の方式を採用することで、他社にはないスムーズな視聴を実現しています。

編集部:開発で苦労された点はどういったところでしょうか?

石塚氏:回線速度の問題とルーターをどう通過させるかという点です。リモート視聴で配信する映像の帯域は2~1Mbpsであるため、まず各家庭の上り回線の速度はこれ以上の速度が必要です。しかし、光回線ならともかくまだ全国にはADSLや低速なケーブルTV回線もあるため、ユーザーによって回線速度の差が激しいのが現状で、上り回線が遅いとリモート視聴はできません。また、受信側に関しても3G回線では場所によっては視聴が厳しいです。これはユーザーの環境によってしまう部分のため限界があります。

渋谷氏:そこでnasne用アプリ『nasne ACCESS』のリモート視聴追加機能(500円)は、購入して頂く前に映像の冒頭20秒間だけは何度でも試せるようにしました。これで自分の環境でも快適に視聴できるか試してから購入できます。

石塚氏:宅内のnasneから映像が外出先に通信できるかは、ユーザーが使っているルーターの設定によって異なります。そこで、どの設定でも通信できるようにアシストするサーバーを2つ立て、アプリによるペアリング設定のみで、簡単に視聴できるようにしました。実際に“出張先のホテルで自宅の番組を観る”という想定で、全国のさまざまなホテルのネット環境で試してみましたが、正常に観られなかったのは1ヵ所だけでした。また、アメリカからも視聴ができました。ただ、NexTV-Fの規定で90日ごとにペアリングを更新する必要があるので、長期の海外出張の方はご注意ください。ちなみに、PS Vitaで利用できるニコニコ実況にも対応していますので、ぜひ使ってみてください。

テザリングでも視聴は快適

nasne(ナスネ)
↑鹿児島に設置したnasneから品川のSCE本社でPS Vitaに録画番組をストリーミング。スマホのテザリング経由でわずか6秒で再生を開始した。なお、リモート視聴はリアルタイムで放送している番組のストリーミングも可能で、その場合は10秒前後で再生を開始した。

ニコニコ実況も楽しめる

nasne(ナスネ)
↑PS Vitaではリモート視聴でもニコニコ実況に対応。リアルタイムの反応を見て楽しめる。

●関連サイト
nasne製品ページ
ソニー・コンピュータエンタテインメント

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