9月16日からベルリンで開催された写真・イメージング分野の世界最大の展示会“Photokina2014”。会場では大手メーカーの最新モデルのデジカメやレンズが数多く展示されていたが、それ以外にも注目を集めていたのが、360度の全天周撮影ができるタイプのカメラだ。
●『360cam』(GIROPTIC)
↑1台で360度の写真撮影だけでなく、フルHDの動画撮影も可能。 |
広角レンズのカメラモジュールを3つ搭載して合成する。11月に開発者向けモデルを出荷し、正式な販売は来年初頭。価格は499ドル(5万4000円前後)を予定しているとのこと。
↑ビューワーにはAndroidやiOS端末が使える。 |
●『Panon』(Panon)
36個のカメラが搭載され、上に放り投げると最高到達点で自動的に撮影される。カメラ数が多いので、よりキレイに合成可能。撮影は静止画のみ。
↑こちらも閲覧にはタブレットやスマホを使用。リモートコントロール用のアプリも用意されている。9月発売予定で599ドル(6万5000円前後)から。 |
●『360Fly』(VOXX Electronic)
ひとつのカメラで周囲の写真や動画の撮影が可能。ただし、真下は撮影には非対応。
↑本体上部の超広角レンズ。11月に発売予定で価格は499ユーロ(7万円前後)。 |
●『QBiC Panorama』(エルモ)
日本のメーカー“エルモ”から発売中の広角カメラ『QBiC』を4台組み合わせて、全天周写真や動画が撮影可能なシステム。こちらは発売中で直販価格10万8000円。
いずれも小型で、面倒な合成作業などにユーザーがタッチすることなく、手軽に全天周写真やビデオを撮影できるのが特徴となっている。
これら全天周カメラやビデオが数多く登場してきた背景には、カメラ自体の進化もあるが、撮影する方法と作品を“観る”手段も格段に進歩しているため。
撮影する方法としては、カメラ自体が小型化しているのでアクションカムのようにカラダや自動車などに設置できるだけでなく、『ドローン』などのラジコンヘリを使って低コストで撮影できるのが大きい。ラジコンヘリからぶら下げて撮影すれば、カメラマンが映り込むことなく、全天周での写真や動画撮影できる。
↑Photokina会場ではあちこちでラジコンヘリが展示されており、一大ブームとなっていた。 |
閲覧方法としては、スマホやタブレットのアプリを使って手軽に作品を楽しめるというのがポイント。さらに最近では、『ハコスコ』や『Gear VR』のように、スマホを自体をヘッドマウントディスプレーのスクリーンとして活用するデバイスも登場しており、とくに全天周ビデオをより没入感のある方法で楽しめるようになっている。
↑会場ではバーチャルリアリティーに特化したヘッドマウントディスプレー『Oculus Rift』を使って、全天周ビデオのデモを行なっているブースもあった。 |
これら全天周ビデオを使った商用化も海外では進んでいる。筆者がPhotokina取材前に訪れたチェコのプラハでは、『FlyPrague』という『Oculus Rift』を使った市内観光サービスを体験した。
FlyPragueで流れる映像は、ラジコンヘリで市内を撮影したもの。それをOculus Riftで観るという、まさにPhotokina会場でプッシュしていた活用方法。
↑Oculus Riftに映し出される映像に合わせて動くテーマパークのライドふうの装置が用意されている『FlyPrague』。 |
↑FlyPragueを体験する筆者。タケコプターを着けて上空から市内観光をしている感じだった。料金は10分で9ユーロ(1300円前後)。 |
↑FlyPragueのデモ映像。画面上部にラジコンヘリのプロペラが見える(画像をクリックするとYouTube動画を閲覧可能)。 |
●関連サイト
・360cam(英文)
・Panono(英文)
・360Fly(英文)
・QBiC Panorama
・FlyPrague(チェコ語)
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