一時世間をにぎわしたビットコインだが、一般的な印象としては怪しいとか危ないといったものだろう。正直、私も最初は気持ちが悪くて調べたこともあったが、ビットコインの理論は納得できるものだった。たとえば、ビットコインを利用するには鍵のペアが必要になるが、その鍵の数は理論上では宇宙にある素粒子と同じくらい。つまり、現実的に鍵を見つけ出すことはほぼ不可能だ。なので、問題があるとすれば、取り引き所を運営するサイトのセキュリティーだろう。安全な取り引きさえ行なえれば、ビットコイン自体は有望な仮想通貨となり得る。
そこで今年7月に私がアドバイザーとなって立ち上げたのが、ビットコインのウォレットサービス『zaif』である。開発のコンセプトは“スマホから誰でも簡単に使える”。ビットコインのアカウントを開設し、誰でもスマホから簡単にビットコインの送受金が行なえる無料のサービスだ。現在はビットコインどうしの送金しかできないが、今後は現実通貨との取り引き機能などを実装していく予定である。
モノというのは、金や銀などの鉱物のように、多くの人が価値があると感じれば通貨と同じになる。ビットコインの流通量が増え多くの人が使用すれば、信用が生まれ、通貨のように使えるだろう。現在は一部のその過渡期にあたる。すでに海外では旅行サイトなどでビットコインで支払いが可能だ。
通貨の本質を考えれば、ビットコインの未来がどうなるかは予測できる。近い未来、ビットコインが仮想通貨として普及した際に、zaifがその語源である〝第2の財布〟として活躍する日が来るであろう。
■今週のガジェット■
『zaif』
堀江氏がアドバイザーを務めるテックビューロ・ラボが、7月に公開したスマホ向けのビットコインウォレットサービス。現在はαテスト中。公式サイトでは次回β版の参加者を募集している。
運営 テックビューロ・ラボ(関連サイト)
利用料 無料
■今週の近況■
米アマゾンが独自のモバイル決済をスタート
アマゾンがモバイル決済サービス『Amazon Local Register』を発表した。'16年までの期間限定とはいえ、既存サービスよりも1%も手数料を下げたのは大きい。これで他も手数料を引き下げざるを得ない状況に追い込まれたかも。そのうち、カード会社すら飛ばしてしまい、ビットコインのようなP2Pの暗号通貨ベースの取引になるかも。
ということで、当連載は今回で最終回。今後もメルマガや『ホリエモンドットコム』などで情報を紹介していくので、ぜひチェックしてみてください。
ご愛読ありがとうございました。
※この連載は週刊アスキー2014年9月9日号(8月26日発売)に掲載されたもので、堀江氏の意見をもとに編集・再構成したものです。
●関連サイト
堀江貴文ポータルサイト
『ホリエモンドットコム』
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