AMDはAシリーズをはじめとするメインストリーム向けGPU内蔵CPU(APU)、ハイエンドではFXシリーズを製造するプロセッサーメーカーですが、2006年にATIを買収して以降、RADEONシリーズというGPUブランドも保有しています。
近年、モバイルデバイスの台頭もあって、縮小傾向にある自作PC市場では、タブレットや薄型ノートPCなどでは性能が不足しがちなゲーミング分野に特化しはじめています。そんな中、AMDはPCゲームのバンドルキャンペーンやライバルであるインテル製CPUよりもGPU性能に特化したAPUにもRADEONを投入し、ゲーミングPCにおいてその優位性をアピールし続けています。
そうしたPCゲームに強いというイメージのRADEONブランドは、グラボやAPUのほか、メモリーモジュールでも展開してきました。
そういった経緯を踏まえると、ゲームのロード時間短縮に効果があるSSDにもRADEONの名を冠した製品を展開し、ゲーミングPCを自作したいユーザーにRADEONというブランドで訴求する戦略は自然な流れかもしれませんね。これでAMDコラボのPCケースを使えば、AMDブランドで固めたAMD愛あふれる自作もできます。
今回AMDが発表したSSD『RADEON R7シリーズ』は、容量120GB(99.99米ドル~)、240GB(163.99米ドル~)、480GB(298.99米ドル~)の3ラインアップ。日本発売は未定ですが、米国では8月19日(現地時間)から販売される予定です。
接続はSATA3(6Gbps)で、転送速度は120GBが順次読み込みで最大毎秒550MB、順次書き込みで最大毎秒470MB。240GBと480GBでは各毎秒550MB/530MBとなります。480GBは4K、QD32のランダム読み込みが10万IOPSと速いのが特徴です。
とはいえ、AMDはストレージメーカーではありません。中身はOCZが製造しています。OCZと言えば、2014年はじめに東芝のグループに入りました。そのためか、SSDのコントローラーは『Vector 150』にも使われている“Barefoot 3 M00”で、NANDフラッシュは東芝製の“A19nm MLC”を採用しています。耐久性は1日に30GBで、4年保証と『Vertex 460』よりも長いのが特徴です。
今回はサンプルが手に入ったので、簡単ですが実物をご紹介します。
パッケージにはRADEONのロゴ。240GBモデルで試します。
よく見ると細かいな幾何学模様のデザインです。
裏側のシールでOCZ製品であることがうかがえます。
さて、性能ですが下記の環境で計ってみました。
●検証環境
CPU:インテル『Core i7-2600K』(3.4GHz、最大3.8GHz)
マザーボード:ASUS『P8P67 LE』(Intel P67)
メモリー:Elixir『M2F4G64CB8HB5N-CG』(4GB×2、DDR3 PC10600)
ストレージ:ADATA『S596』(SATA3、64GB SSD)、
HGST『HDS722020ALA330』(SATA2、2TB HDD)
グラフィックボード:MSI『Global N760 TF 2GD5/OC』(GeForce GTX760)
OS:Windows8.1 Update(64bit)
OSを入れずにドライブDとしてCrystalDiskMarkを回してみた結果がこちら。順次もランダムも書き込みが速いのが特徴ですね。圧倒的なコスパで人気のCrucial『MX100』の256GBと比べると、読み込みが弱い印象ですが、ソフト起動などの体感差を感じるレベルではないと思います。
MX100の256GBモデルは1万2000円前後。RADEON R7の240GBは163.99米ドル(1万6900円前後)であることを考えると、価格性能比はあまり良くないですね。しかし、グラボやメモリーと一緒に買えば5000円引きなどのキャンペーンをすれば、その差額は埋まり一気に買いのSSDになると思います。数々のユニークなキャンペーンを行なってきた日本AMDに期待しましょう。
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