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12K MEGASTAR FUSIONで世界遺産を背景に満天の星空を堪能する

2014年08月06日 09時30分更新

MEGASTAR

 千葉県立現代産業科学館では開館20周年を記念して、8月6日(水)~8月31日(日)の期間、『世界最高の星空-12K MEGASTAR-FUSION-』と題したプラネタリウム上映会を開催します。MEGASTARといえば、投影できる星々の数で革新を起こし続けてきたプラネタリウム。その最新型FUSIONを使った最新の成果を披露する場となります。

MEGASTAR
2200万個の投影星数を誇る『SUPER_MEGASTAR-II』。

 具体的には今回、合成解像度“12K”(※)という超高解像度での投影を実現しています。ドーム中央には、2200万個の投影星数を誇る『Super MEGASTAR-II』と『MEGASTAR-FUSION特別仕様機』の光学式2台を設置。さらに17台の4Kプロジェクターが映し出す映像と融合した星空を直径23mの大型ドームに投影します。

※830万ピクセル×17台=約1.4億ピクセル
1.4億の平方根=1万1874ピクセル=約12K

 8月5日には、6日からの上映に先駆けて関係者やプレス向けの内覧会を実施。これはぜひとも拝みたいということで、猛暑の中、JR本八幡駅から徒歩で約15分、エッチラオッチラ訪ねてきました。

MEGASTAR
開館20周年を迎えた千葉県立現代産業科学館。

 この企画展では、オリジナルの新作『星のある風景』と『スタークルーズ~わたしたちは誰?~』(昨年発表した作品をもとにFUSION版としてリメイク)の2番組を上映。実際に2本を見せてもらうことができました。

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投影に使われる『Super MEGASTAR-II』と『MEGASTAR-FUSION』。
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17台の4KプロジェクターはJVCケンウッド製。
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番組の冒頭、望遠鏡が開くと、そこには星空が!

 もともと、プラネタリウムのシステムとしては、シャープな星像で美しい星空を再現できる光学式と、星空の美しさでは劣るものの、3次元の宇宙飛行など自在な空間表現ができるデジタル式の2つの方式が存在します。星空を映すときは光学式、それ以外の場面はデジタル式と使い分けるわけです。同時に使用すると、建物や雲に星が重なってしまう欠点があります。

 それに対し、このFUSIONプラネタリウムは、光学式の星ひと粒ひと粒を自動で付けたり消したりコントロールすることで、建物や雲に星を重ねずに映す技術を実現。ひとつの星空を光学式とデジタル式両方の技術を同時に使って再現できる、新しい投影方式なのです。この光学式とデジタル式の融合技術により、従来のプラネタリウムでは実現できなかったいろいろな映像表現が可能になりました。

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FUSIONなら雲間からのぞく星空を自然に表現できる。

 たとえば、森の木々のすき間や雲の晴れ間からのぞく星空、さまざまな土地の風景とその上に広がる星空、そして夜空を埋め尽くすような無数の星たちすべてがそれぞれの色を放ちながら、チラチラと自然に瞬く様子まで表現できるのです。

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『星のある風景』。

『星のある風景』では、たとえば世界遺産・五箇山の合掌造りの家を背景に見上げる満点の星空など、世界の絶景とMEGASTARの星とを融合させた壮大なビジュアルが見どころ。登場する世界各地の映像は、MEGASTARシリーズの生みの親、プラネタリウム・クリエーター大平貴之氏や大平技研スタッフらが自ら撮影してきたそうです。

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合掌造りの家並みから見上げる満天の星空。
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本来なら街の灯りが邪魔をして見られない星空も、香港の摩天楼をバックに見事に表現できる。

 五箇山の合掌造りの家々のほかにも、熊野の那智の滝、香港、ボリビアのウユニ塩湖などの実写風景と星空を融合した荘厳な風景をスクリーンに描き出していました。

 プラネタリウムはどうしても無数の星だけを見つめることになり、リアルな世界とはまた違った感覚を覚えがちなのですが、リアルな景色と溶け込むことで自然な没入感が生まれ、思わず息を呑む、そんな感覚を味わうことができました。

 もうひとつの番組『スタークルーズ~わたしたちは誰?~』では、宇宙船に乗って、137億光年のかなたへの旅行体験を味わえます。MEGASTARの描く星空と17台のプロジェクターによる高精細なCGがこれまた見事に融合した作品になっています。

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MEGASTARシリーズの開発者。プラネタリウム・クリエーター大平貴之氏。

 大平貴之氏に今回の開催にあたって苦労した点を尋ねると、「プロジェクターを台数並べて調整したり、映像作品の制作ですとか、いろいろ苦労はしました。でも、楽しいですね。楽しくやらせていただいていて、夏のいちばんたいへんな仕事でもあり、お祭りみたいなものでもあり。館のみなさんと夜中まで汗を流して作業をするのは楽しんでやらせていただいてます(笑)」とのことでした。

 見てもらう子供たちには、「2つの作品でちょっとメッセージは違いますけども、まずは宇宙のスケールを感じていただければなと思います。ぼくらが住んでいる世界はとても大きな世界で、時間的にも空間的にも我々の日常を遥かに超えたスケールで、まずそこを感じてもらう。で、そこにどんな夢を感じるのか。私は夢、夢、夢というより、夢と現実、両方がうまくマッチングしないとと考えるほうなんでけども、まずはそういうスケールにおいて、日常のことを大切に、自分自身のことを大切に、周りの人を大切に、そんなことを感じてもらえたらなと」と締めくくってくれました。

 なお、8月10日(日)と24日(日)には、大平貴之氏による生解説上映、およびグッズ購入者を対象としたサイン会も実施予定です。

 また、会場には、大平氏が製作した中学生のころからのプラネタリウムの実機を展示。最新システムFUSION開発までの軌跡をたどれます。

MEGASTAR
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 お近くの方は、夏休みの楽しい体験として訪れてみてはいかがでしょうか。

千葉県立現代産業科学館
企画展<開館20周年記念プラネタリウム上映会>
『世界最高の星空-12K MEGASTAR-FUSION-』

期間:8月6日(水)~8月31日(日)*期間中無休
入場料
一般 500円
高校・大学生 250円
中学生以下、65歳以上は無料
*プラネタリウム観覧希望者は、入館時に「プラネタリウム鑑賞券」を人数分お受け取りください(無料入場者分も必要です)
※1回の入場につき1枚(1作品)です
内容
《上映作品》
(1)「星のある風景」(約30分)
(2)「スタークルーズ~わたしたちは誰?~」(約30分)
<大平貴之氏による上映解説会>
 8月10日(日)・24日(日) 各日2回目・4回目

■関連サイト
千葉県立現代産業科学館
大平技研 MEGASTAR


(2014年8月6日17時40分追記:イメージ画像を追加しました。)

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