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3日間の成果は?ノミネート作品紹介&結果発表|石巻Hackathon2014

2014年08月01日 08時00分更新

 みなさん、こんにちは。MacPeopleと週刊アスキーを絶賛兼務中の吉田でございます。さて、先週末の7月25〜27日の3日間、宮城県石巻市にある石巻工業高等学校で「石巻Hackathon」というイベントが開催されました。「石巻Hackathon」は、今年が3回目となるハッカソンイベントで、石巻市を中心にスマホのアプリ開発など教えている「イトナブ」の代表である古山隆幸氏が中心となって企画されました。

 リポート第2弾として、ハッカソンイベントの目玉であるノミネート作品を紹介していきます。

チーム・デル子 〜 デル着

石巻Hackathon
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 「デル子」を中心としたチームが開発したのは「デル着」。メロディーの録音、加工、保存という一連の作業が可能なアプリです。具体的には、鼻歌などのメロディーをスマホのマイクに向かって録音し、その音声データに楽器の音を割り当て、着メロとして保存できるというもの。加工時には、自動調整機能が利用できるそうです。実際に、石巻工業高等学校の校歌を鼻歌で歌い、データ化するデモが披露されました。残念ながら、石巻市の名産のひとつであるホヤが音楽を奏でる機能の披露には失敗しましたが、今後は楽譜を使った制作や調整、曲名検索、シェアなどの機能を実装したいとのこと。

チーム・じゃみんぐ 〜 すまーす

石巻Hackathon
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 「チーム・じゃみんぐ」は、スマホをマウス代わりに使えるアプリ「すまーす」を披露しました。スマートフォンのマウスで「すまーす」だそうです。スマホの画面の上部に上下のスクロールボタンと左右のクリックボタン、下部にトラックパッド領域を用意。さらに、スマホを上に傾ける上ボタン、下に傾けると下ボタンと同じ操作が可能になります。このアプリはデモで見せるのが難しいため、PCの画面の下部にマウスカーソルのXY座標の移動履歴を表示させていました。また、プレゼンの最後にはチームのメンバーが通う岩手県立大学の紹介もありました。

チーム・加藤

石巻Hackathon
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 「チーム・加藤」は、可能なかぎりの自動化を目指したアプリを紹介。検索したタップすることが多いケースとして、レストランを探す、移動手段・時間を探す、買い物をするの3つを挙げ、これらのすべての行動が集約されるのが旅行であると定義して、このアプリを開発したとのこと。アプリの仕様としては、目的地に着いたことを検知するとプッシュ通知され、必要な情報がまとめて見られるようになります。参照できる情報は、目的地の天気、乗り換え案内、グルメ情報、イベント情報など。アプリのメイン画面の背景画像も、目的地に関連したものに自動的に切り替わるとのこと。

チーム・ビーコン 〜 石工祭スタンプラリー

石巻Hackathon
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 「チーム・ビーコン」の作品は、なんといま大注目のビーコン通信を利用した「石工祭スタンプラリー」アプリ。石巻工業高等学校の文化祭で毎年開催されている紙のスタンプラリーを置き換えることを目指して開発されました。校内に設置されたビーコン端末を通過することでスタンプが押されていき、スタンプがたまったら大盛無料券として使えるようにするとのこと。また、単純にスタンプが押されるだけでなく、各地点にある装置や展示物の使い方や作り方が映像で流れるという機能も備わっています。

東北TECH道場6期生チーム 〜 Cashard

石巻Hackathon
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 「東北TECH道場6期生チーム」が披露したのは「Cashard」というアプリ。EvernoteのAPIを利用して、スマホで撮影した写真の中に含まれる文字をOCRでテキストデータ化。このデータをアプリに転送して単語帳として利用可能するというもの。3日間で実装できたのは、撮影した写真をEvernoteに送ってOCR化するまで。残念ながら、テキストデータをアプリに取り込む機能は組み込めなかったとのこと。今後の機能強化としては、他言語の翻訳、ウェブ検索、SNS連動を挙げていました。

チーム・ピーマン

石巻Hackathon
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 「チーム・ピーマン」は、小遣い帳のアプリを開発。シンプルで見やすく、自分たちが使いたいと思うデザインを目指して開発したそうです。画面上に緑色で表示されているのが残高、赤色が支出となっており、月単位の収支がひと目でわかります。

チーム・ぼっち1 〜 デンコちゃん

石巻Hackathon
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 「チーム・ぼっち1」は、電話応答システムの「デンコちゃん」を披露。60代のインターネット普及率が30%程度、そして石巻市の人口分布では60代が多いという状況を踏まえて開発。応答システムにEvernoteの音声読み上げ機能を利用しているそうです。Evenote上にあらかじめ保存しておいたテキストの読み上げが可能なので、災害発生時の情報提供にも使えます。投票システムなどにも応用可能とのこと。また、かかってきた電話の履歴や押したボタンなどもすべて記録できるとのこと。

チーム・ぼっち2 〜 CoT

石巻Hackathon
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 「チーム・ぼっち2」は、「CoT」(Code of Things)という、3Dプリンター向けのプログラミング言語を紹介。ブラウザーベースの、コンパイラー、SDK、IDE(統合開発環境)を提供するとのこと。コードを書きながら実行結果をリアルタイムで確認できるなど、使い勝手のいい開発環境に仕上がっているようでした。プログラムを学習する際の障壁を面白おかしくプレゼンしていたのが印象的でした。

チーム・フィッシュ 〜 Tsureek

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 「チーム・フィッシュ」が開発したのは、「Tsureek」という釣り好きのためのアプリ。釣りに最適な満潮・干潮の日時、週刊天気予報、近辺の雨の情報などを取得できます。また、Evernoteに音声や位置情報、水温などをメモとして記録できる機能も備えています。

チーム・Happy 〜 Happy

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 「チーム・Happy」は、音楽を流しながら映像を記録できるアプリ「Happy」を紹介しました。ビデオ編集アプリといえば、撮影→加工→保存→視聴→共有という流れになりますが、本アプリは楽しく撮影することに主眼を置いています。メインターゲット層は子供がいる母親とのこと。

チーム・デルジオ 〜 Disaster Survival Toolbox

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 「チーム・デルジオ」の作品は、「Disaster Survival Toolbox」。災害発生時に必要な情報をSNSから集めてくるというアプリとのこと。ハッカソンの期間中に、バックエンドとなるAPIとフロントエンドとなるウェブインターフェースを実装したそうです。

チーム・種巻 〜 Tanemaki

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 「チーム・種巻」は、「Tanemaki」と呼ばれるアプリを披露。種まきを管理するアプリではなく、「まちのステキを集める」がコンセプトのソーシャルアプリ。撮影した写真を位置情報を使って地図上に登録可能です。投稿されている情報に「LIKE」をタップすると種から花に育っていきます。

受賞チーム発表

石巻Hackathon
39 Works賞は「チーム・ビーコン」
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最優秀賞は「チーム・ぼっち1」

 ノミネート作品のプレゼンの終了後、審査員による審査を経て各賞の発表となりました。まず発表されたのは、Evernote賞。この賞は、記録する、共有するというEvernoteの機能をうまく活用した作品に贈られます。東北TECH道場6期生チームとチーム・フィッシュが受賞しました。

 39 Works賞は、「石工祭スタンプラリー」を開発した「チーム・ビーコン」が受賞。秋の文化祭でぜひこのアプリを利用してほしいというコメントとともに賞品が贈られました。

 そして最優秀賞は、電話応答システムの「デンコちゃん」を開発した「チーム・ぼっち1」が受賞。審査員からの今後はチームで開発を進めてほしいという要望とともに、東京と石巻の往復チケットが賞品として贈られました。

 3日間におよぶイベントでしたが、とにかく開発への熱気が凄かったです。スマホの登場と開発環境の進化により、アプリ開発が身近になり、小学生から社会人までが楽しみながら開発に取り組んでいたのが印象的でした。

■関連サイト
イトナブ
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