iTunes Matchは新サービスなだけに、いまいち挙動がわからず導入を見送っているという人もいるだろう。そこでさまざまなシチュエーションを想定して、実際の動作を確認してみた。
エンコーダーやビットレートでマッチング条件を検証
iTunes Matchのマッチングでは、楽曲のファイル形式やビットレートに制限はないのか、複数の設定で試してみた。すると、ボイスメモなどに使われるサンプリング周波数が11.025kHzのファイルは音楽向きではないためか、認識されなかった。22.050kHz以上のファイルでも96kbps未満のものはカットされる。
逆にAAC/MP3の320kbpsやAppleロスレス形式、WAV形式といったハイレゾ音源は問題なく認識された。これらはマッチングするとAAC/256kbpsに置き換わる点は要注意。とはいえ、ローカルのファイルを削除しなければ、オリジナルのデータが消えることはない。
同じアルバムの中で、設定を1曲ずつ変えながらエンコードしてアップロードを試した。
96kbps以下のファイルはマッチングされなかった。iTunesで高ビットレート/高い周波数に変換するといい。48kHzなどCDを超えるサンプリング周波数の場合は問題なかった。
ファイル名を変更しても正しくマッチング
今度はiTunes Matchがどういった条件の下にマッチングしているのかを調べるため、ファイル名をわざと別の名前に置き換えた。その結果、正しい曲名で認識された。名前やタグ情報がないファイルでも、マッチングさせれば曲名などの情報がわかるわけだ。
また、波形だけを見ているなら同じ波形のデータでごまかせないか、「4'33"」という無音が続く曲と、その波形を真似たファイルを認識させてみた。しかし、iTunes Storeでも販売されている曲にもかかわらず、マッチングしなかった。完全な無音ではなく微妙な違いがあるのかもしれない。
オリジナルと同じように完全に無音のファイルで「4'33"」を作ってみた。今回は「QuickTime」で無音トラックを作成し、波形編集アプリ「Audacity」で切り出した。
iTunes上では不適切なファイルとして扱われ、マッチングしなかった。偽のデータでシステムをだまして手に入れるのはかなり難しそうだ。
このほか、MacPeople9月号(7月29日発売)の「iTunes Match 徹底解剖」では、モバイル環境でのiTunes Matchの利用検証、元のライブラリが消えてしまった場合など、iTunes Matchに関するさまざまな検証をしています。さらに、iTunesでの音楽管理をおさらいするほか、「Spotify」や「Beats Music」など海外で人気の音楽ストリーミングサービスも紹介しています。
また、9月号の特集ラインアップはこのほかに、1.4GHzの低価格iMacレビュー、Photoshopで始める iOSアプリ開発入門、アプリ開発者のアイデア発想術を掲載しています。
|
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります