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コアi7を超えろ!Pentium G3258を水冷で5.2GHzにOC

2014年07月25日 13時00分更新

 どうも、オーバークロッカーの清水です。Pentiumブランドの誕生20周年を記念して発売されたPentium G3258は、8000円を切る実売価格ながら、オーバークロック(以下、OC)の伸びしろが大きいということで注目されています。久々に“安くて遊べるCPU”が登場したことで、いま急速に自作PCのOC人気が高まっているとも言えます。

 今回、「5GHz超えを達成せよ!」とのジサトライッペイさん(@jisatora_ippei)の指令の下、殻割も視野に入れて、簡易水冷クーラーを使って限界までOCしてみました。

【検証環境】
CPU:インテル『Pentium G3258』(2コア/2スレッド、定格3.2GHz)、CPUクーラー:Thermaltake『Water 3.0 Ultimate』、マザーボード:MSI『Z97 XPOWER AC』(Intel Z97)、グラフィックボード:GeForce GT630、メモリー:G.SKILL『F3-19200CL9Q-16GBZHD』(PC19200 DDR3 4GB×4を2枚で使用)ストレージ:ADATA『ASP900S3-64GM』(64GB SSD、SATA3)、電源ユニット:1200W、80PLUS GOLD、OS:Windows8.1(DSP版、64ビット)

3連ファンの水冷CPUクーラー『Water 3.0 Ultimate』
Pentium G3258
ダイガードまで付属する『Z97 XPOWER AC』
Pentium G3258

 マザーボードのMSI『Z97 XPOWER AC』は、付属品のダイガードを使用すれば、殻割したCPUのダイにCPUクーラーを直接取り付けることができます。CPUクーラーのThermaltake『Water3.0 Ultimate』は360mmサイズの巨大ラジエーターと3基のファンを備え、現在国内で購入できる簡易水冷クーラーでは最大級の冷却力が期待できます。ちなみに検証時の室温は24℃でした。

Pentium G3258

 Vcoreを1.4Vに盛って(定格は1.2V前後、この値はマザーボードによって微妙に変わります)、4.7GHzからスタート。CINEBENCH R15を完走させながらCPUクロックを上げていくと、5GHzを余裕で突破し、5.02GHzまで安定してベンチが完走。このときのVcoreは1.5Vで、ベンチ中のCPU温度は71℃まとまだ余裕がありました。ただこれは、テストした固体がいわゆる“当たりCPU”であったことと、3連ファン水冷クーラーの冷却力の高さの恩恵が大きいです。

Pentium G3258

 OC後の性能を見てみると、マルチスレッドのスコアーは360cdを超えて定格時(243cb)から約1.5倍も伸びました。さすがにスレッド数にして4倍のCore i7-4790K(830cb程度)と比べると、ダブルスコアー以上差をつけられていますが、シングルスレッドのスコアーは192cbにまで達し、Core i7-4790K(170cb程度)よりも高くなりました。チューンした小排気量車が峠の下りにおいてだけ、大排気量車に勝つ!的なロマンを感じました。これぞOCの醍醐味ですよね。

Pentium G3258

 CINEBENCH R15完走という条件をなくし、OS上で動作できる限界のCPUクロックを探ってみると、最終的には5.2GHzを突破。Vcoreは1.6Vまで昇圧しましたが、負荷がない状態なので、CPU温度は27℃と低め。こういったピーキーなOCになると、クロックを上げていくスピードやタイミングがとても重要になってきます。バリデーションファイルやスクリーンキャプチャーを撮るときは、システムが落ちる前にすばやく操作することが重要です。しかし、クロックを上げていく過程では、早すぎる操作がフリーズの原因になることもあるので操作のタイミングに注意しないといけません。それらに気を付け、メリハリのある操作を行なうとクロックが100MHz以上変わることさえあるので、最大クロックチャレンジはシンプルですが、意外と奥が深いのです。

 しかしながら、殻割前に5GHz超えを達成できたのは正直意外でした。5GHz超えを達成できなければ水冷クーラーのラジエーターに液体窒素でもかけるか!と思っていたので、CPUが空気を読んだのかもしれません(笑)。

Pentium G3258

 ちなみにCPUの殻割も行なって成功させたものの、連日の酷使がたたってかマザーボードが不調に陥り検証はストップ。さらに上を狙っていただけに少し残念ではありますが、また機会があったら挑戦してみます。

 詳しい検証結果は、週刊アスキー8/5号 No989(7月22日発売)の特集『はじめての自作PCオーバークロック』に掲載されているので、興味のある方やこれからOCを始める方はぜひとも手にとってみてください。

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