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日本発ライトノベルがトム・クルーズ主演で映画化 原作者・桜坂洋さんインタビュー

2014年07月12日 10時00分更新

戦場で何度も死ぬことで強くなる。ゲーム感覚のタイムループを描いた日本のライトノベル『All You Need Is Kill』は海外でも高く評価され、トム・クルーズ主演の超大作として映画化。原作者の桜坂洋さんに話をうかがった。

All You Need Is Kill

桜坂洋
映画『オール・ユー・ニード・イズ・キル』原作者
PROFILE
1970年東京生まれ。2003年『よくわかる現代魔法』でデビュー。2004年出版の『All You Need Is Kill』(集英社スーパーダッシュ文庫)は12ヵ国語で翻訳出版され、15ヵ国でコミックとしても出版されている。

―ご自身もゲーム好きとのことですが、特に好きなゲームは?

いちばん好きなのは『ファントムクラッシュ』で、『シヴィライゼーション』なども好きですね。ストーリーがあるゲームは得意ではなくて、ゲームならではの、プレイしていて自分が強くなっていく、知識を蓄えてだんだんうまくなっていくゲームが好きです。

―死を繰り返すことで強くなるというのは、ゲーム的な発想だと思いますが。

僕らの人生を考えると、子供のころからゲームで遊んでるわけですが、失敗した、もう一回挑戦する、何回かやって成功したっていうのは、バーチャルなものではなくて、僕の人生の一部なんですよ。失敗したり成功したり繰り返してきたものを一本の線として過去方向に見たときに、それはストーリーになるのではと思いました。

―原作にはリタ以外のヒロインも登場します。これが美少女ゲームならシャスタルートやレイチェルルートがありそうですが。

書いたのは2002年ぐらいなんですが、考え出したのは1999年ごろで、当時はノベルゲームの全盛期でした。ノベルゲームこそが物語の集大成という人もいて、ちょっとイラっとしてたんですね(笑)。僕はどっちかっていうとストーリーは一本のほうが好きなので。じゃあ、1本の話で全部やってやるよって思ったのもあって、可能性としては残してあるけど、1本のストーリーとしてそこは回収しないという選択をわざとしてるわけです。

All You Need Is Kill

―トム・クルーズ主演ということで設定は大きく変わりましたが、リタの胸の赤い斜線や、斧ではないですが近いものをもっていたり、あちこちに原作への敬意が感じられます。

心憎いことをしてますよね。最初のグラフィックワークスでは、もっているのは斧だったりするんですが、実写化する過程で、現場で『これは無理』みたいな感じになってきて、だんだん変わってくるわけです。

―撮影現場では、“機動スーツ”も着てみられたそうですが、実際には40キロ以上あるとか?

スーツは重い以外の感想がないです(笑)。あれで演技する役者はとてつもないと思いましたね。僕は重くて歩くのが精一杯でした。ダグ・ライマン監督は『ちょっと撮ってやるよ』って言ったくせに、そのちょっとが気に入らないカットだと何十回も撮りなおすんです。僕が段差を降りるというだけのシーンなんですが、何十回もやって死にそうになりました。トム・クルーズはあれを着て全力疾走するんですから、信じられない。

All You Need Is Kill

―何度も生き返ることができるループは、生命を軽んじてるようにも思えますが、むしろ生と死を繰り返すことで、生きる意味が見えてくる物語ですね。

何回も繰り返せるという見方はまちがっていて、物語の中では死んでも生き返れますが、そこから読み取れるのは死んだら終わりってことです。成功と失敗を僕らは繰り返す、繰り返しそのものが我々の人生なんです。

All You Need Is Kill

オール・ユー・ニード・イズ・キル
●http://wwws.warnerbros.co.jp/edgeoftomorrow/
●丸の内ピカデリーほかにて全国公開中
© 2014 VILLAGE ROADSHOW FILMS(BMI)LIMITED

謎の侵略者“ギタイ”によって滅亡寸前の世界。同じ日を無限に繰り返す“時のループ”に巻き込まれた兵士ケイジは、戦いと死を繰り返すことで成長する。

 

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