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低価格iMacの処理速度を計測したら実力はMacBook Airより上だった|Mac

2014年06月22日 07時00分更新

  みなさん、おはようございます。MacPeople/週刊アスキーを絶賛兼務中の吉田でございます。すでにご存じかと思いますが、Appleから低価格の21.5インチiMacが登場しました。従来の最下位モデルより2万円程度安いだけなので微妙な感じもしますが、安いことはいいことですね。ちなみにAppleは大々的には言ってませんが、既存のiMacの本体価格も2000円ほど値下げしているモデルがあります。

iMac

 低価格iMacのCPUはCore i5と既存モデルと同じですが、処理速度を決めるクロック周波数がなんと1.4GHz。従来の21.5インチの下位モデルの2.7GHzと比べて1.3GHzも低いです。

iMac

 CPUのコア数も従来モデルの4から半減して2となっており、いったいどれぐらいのパフォーマンスを得られるのか気になるところです。

iMac

 メモリーは8GB固定。「このMacについて」のメモリー項目ではメモリースロットという表記になっていますが、Apple StoreやApple Premium ResellerのCTOで変更できないことから、メモリーは直付けで実装されているようです。

iMac

 標準搭載されている内蔵ストレージは、SATA接続でで容量500GBのハードディスク。米HGST社製(旧・日立グローバルストレージテクノロジーズ)のものですね。なお設置スペースの関係で、21.5インチのiMacは2.5インチ、27インチのiMacは3.5インチのハードディスクを内蔵しています。

iMac

 内蔵ストレージについては、CTOで1TBのハードディスク(プラス4900円、税別)、1TBのFusion Drive(プラス2万4500円、税別)、256GBのSDD(プラス2万4500円、税別)に変更することが可能です。低価格感は薄れてしまいますが。

 それでは、気になるマシンの性能をチェックしていきたいと思います。比較対象としたのは、同じCPU(Core i5-4260U/1.4GHz)を搭載する13インチのMacBook Air(Early 2014)と、現行ラインアップの21.5インチiMacでは上位となる2.9GHzモデルです。

Geekbench 3
iMac
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64ビットモードで計測。Singleはシングルコア、Multiはすべてのコアの性能を指す

 まずは、CPUとメモリーのパフォーマンスを計測できる「Geekbench 3」。MacBook Airよりも少しいい値が出ました。iMacの2.9GHzモデルと比べるとその差は歴然です。デュアルコアとクアッドコアの差が如実に表れていますね。テストはいずれも64ビットモードで計測しました。なお、Turbo Boost時のクロック周波数は、iMacの1.4GHzモデルが2.7GHz、iMacの2.9GHzモデルが3.6GHzです。

CINEBENCH R15
iMac
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CINEBENCH R15のCPUとGPUの性能。CPUの単位はcb、GPUの単位はfps

 次に「CINEBENCH R15」でのCPUとGPUの性能テスト。CPUは3D画像のレンダリング、GPUはOpenGLでのリアルタイム3D描画の性能が測れます。CPU性能はiMacが240cp、MacBook Airが230cp。GPU性能はiMacが21fps、MacBook Airが18fpsとなりました。搭載するGPUは両機種ともIntel HD Graphics 5000です。ビデオメモリーはメインメモリーと共有で、こちらも両機種ともが256MBがビデオメモリーとして使われます。

Blackmagic Disk Speed Test
iMac
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5GBの連続読み書きの性能。単位はMB/秒

 3つ目のテストは「Blackmagic Disk Speed Test」での内蔵ストレージ速度の計測。こちらはMacBook Air(Early 2014)に比べてかなり遅い数値となりました。読み出し性能は、iMacが105MB/秒、MacBook AIrが692MB/秒。書き込み性能は、iMacが100MB/秒、MacBook AIrが311MB/秒。iMacが2.5インチハードディスク、MacBook AirがSSDという、ハードウェアの違いによる差ですね。

Valley
iMac
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単位はfps

 最後のテストは「Unigine Valley Benchmark 1.0」です。CINEBENCH R15のGPUベンチと同様に、OpenGLを利用したリアルタイムの3D描画性能を計測できます。実際のゲームに使われる屋外の3D画像を利用したテストです。こちらはiMacが11fps、MacBook Airが10fpsというスコアになりました。テストは「Basic」モードを利用したので3D描画の品質はそれほど高くありませんが、いずれのマシンも3Dゲームをグリグリ操作するには画質をもっと落とさないと無理なようです。

 総合評価として、2.9GHzのiMacには圧倒的に負けていますが、13インチのMacBook Airを少し超える性能を備えています。3Dゲームを高画質で楽しみたい、動画編集をできるだけ短時間で処理したいという場合には不向きですが、一般的な作業にはまったく支障が出ないマシンでしょう。21.5インチの中位となる2.7GHzモデルとの価格差が2万円というのが非常に悩ましいのですが、オフィスや教育機関などへの一括導入を考えるとこの価格差が効いてくるのかも。

 個人的には、この低価格iMacの性能や価格より、MacBook Airと同じUシリーズのCore i5を搭載したことが気になっています。Uシリーズは一般的なノート向けのCPUよりもさらに低消費電力のタイプです。低消費電力となれば、そのぶん発熱も抑えられます。今回は従来機と同じボディーが使われていますが、単純に考えればMacBook Airのロジックボードを21.5インチのボディーにぶち込むだけなので、今後のiMacはさらに薄型になる可能性も出てきますね。MacBook Airほど部品同士が密集することもないので、ファンレスの機構も可能かもしれません。

 となると、さらに気になって仕方ないのがMac miniの今後ですね。Mac Proを除くMacはすべてCore iシリーズのCPUを搭載していますが、Mac miniだけはCPUの世代が1つ古い「Ivy Bridge」のままです。もう1年以上も新製品が出ていないのですが、今回の低価格iMacのようにMacBook Airと同じハードウェア仕様になれば、ボディーがもっと薄くなる可能性がありますね。iPadみたいなアルミの板状になったりして。

 AppleがiMacやMac miniを再発明する時期が近づいているのかもしれません。

●主なスペック
ディスプレー:21.5インチ(1920×1080ピクセル)
CPU:1.4GHzデュアルコアIntel Core i5(Turbo Boost使用時最大2.7GHz)
GPU:Intel HD Graphics 5000
メモリー:8GB
内蔵ストレージ:500GB(ハードディスク)

●関連サイト
アップルストア

 さて、MacPeople7月号(5月29日発売)ですが、先日オープンしたアップルストア表参道に関連して、世界のアップルストア特集をしています。表参道店の外観もすごいですが、世界にはまだまだ驚きの建築物がたくさんあります。そうそうない特集なので、保存版として持っておくと資料的価値も高いですよ!

 その他、MacBook Air(Early 2014)の徹底レビューでは、性能を丸裸にしています。第1特集はハードのパワーアップガイド。iPod 30GBのHDDを512GBにしたりと、やりすぎ改造テクニックをご紹介。第3特集はゲームアプリ開発環境Cocos2d-xで、スマホアプリを作りたい人は必読です。第4特集は話題のYouTuberに直撃インタビュー。彼らのコツを惜しみなく掲載します。第5特集はアプリ開発者に聞く最新トレンドで、なかなか知ることのできない開発環境や作成までのエピソードとなっています。

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