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中国のAppleことシャオミー(小米)5つのスゴイこと:MAE2014

2014年06月13日 18時30分更新

 上海で6月2日に開幕した『Mobile Asia Expo 2014』(MAE)の基調講演にて、中国のスマホメーカー“シャオミー(Xiaomi、小米)”の共同創業者Lin Bin氏が登壇した。

シャオミー MAE2014
↑2010年の創業から4年で国際展示会の基調講演を担当することになったシャオミーのLin Bin氏。

 シャオミーというと、中国で急成長している企業なのだが、日本で事業展開をしておらず、最近ではマスコミから“中国のApple”などと言われているものの、いまひとつ日本にそのスゴさが伝わって来ていない。

 そこでLin Bin氏のスピーチから、シャオミーは何がスゴいのか、5つのポイントをピックアップしてみた。

・その1 シャオミーは社員がスゴい

 2010年4月に創業されたシャオミーだが、共同創始者は全部で8人。この8人の経歴がスゴい。たとえば、Lin Bin氏自身はGoogleとマイクロソフトに勤めていた経歴を持つ。さらにCEOのLei Jun氏は、日本でも無料のセキュリティーソフトなどをリリースしているキングソフトの元CEO。そのほかのメンバーもモトローラや北京科技大学など、トップクラスのIT企業や研究所に所属していた過去を持つ。

シャオミー MAE2014
↑8人の創業メンバー。シャオミーの神8といったところだ。

 さらにこのメンバーがこれまでのコネクションを使って、優秀な社員を移籍させているのがポイント。そのもっともな例が、GoogleでAndroidの製品担当をし、“Androidの顔”とも言える、Hugo Barra氏の移籍だ。

シャオミー MAE2014
↑2013年に、Androidを熟知したHugo Barra氏をGoogleから獲得。

・その2 販売戦略がスゴい

 シャオミーがほかの中国メーカーと大きく違う点は、ウェブ直販に重点をおいたこと。従来のキャリアによる販売や代理店、問屋を通さずに自社のウェブサイトでの販売が主力だ。

 この販売方法は、航空業界のLCCの戦略に近い。たとえば、今年4月には4周年を記念したバーゲンセールを実施。特別端末を2時間ごとに合計12時間販売した。このバーゲンセールで、1日だけで130万台のスマホをセールスしたとのこと。特定日にバーゲンセールを行ない、販売数を確保するのはLCCでは常套の販売方法だ。

シャオミー MAE2014
↑4周年記念バーゲンセールの結果。周辺機器も含めると200万件のオーダーがあったという。
シャオミー MAE2014
↑この販売戦略で2013年の売り上げは316億元(5200億円前後)と、前年比で150%の成長率。

・その3 品質がスゴい

 シャオミーというと、格安端末というイメージが強いが、これは前述の販売戦略により、コストカットなどが図られているため。端末自体は、シャープ製の液晶やソニー製のカメラセンサーなど、ハイエンドモデルが採用する部材を使っており、決して“安かろう、悪かろう”といったたぐいの製品ではない。

シャオミー MAE2014
↑シャオミーが提携しているサプライヤー一覧。良い部材ならどこの企業といことを気にせず採用しており、日本メーカーも数多い。
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↑『Mi3』は、Tegra4を採用し、ソニー製の1300万画素のカメラモジュールを搭載。価格は1699元(2万8000円前後)。
シャオミー MAE2014
↑クアルコムのSnapdragon400シリーズを搭載したローエンドモデルは、なんと699元と日本円で1万2000円前後。

・その4 サポートがスゴい

 シャオミーは中国全土に“Xiaomi homes”というサポートセンターを開設し、アップルストアのジーニアスバーと同じように端末の持ち込み修理が受けられる。ここでスゴいのが、修理時間を1時間と規定しており、1時間をオーバーすると、1時間につき20元(約330円)のキャッシュバックをユーザーに支払う施策をしていること。

シャオミー MAE2014
↑Xiaomi homesで最新端末をチェックしたり、修理が受けられる。
シャオミー MAE2014
↑電話でのサポートを行なうコールセンターも24時間体制だ。

その5 ユーザーの熱意がスゴい

 シャオミーの端末はファンの多さも重要なポイント。オフラインでのファンイベントも数多く行なわれており、愛好家たちからの協力も多く受けている。たとえば、シャオミー端末のホームアプリ『MIUI』は公式には中国語の簡体字と繁体字、そして英語の3言語のみ。それ以外の言語への対応はユーザーからの投稿で製作されており、その数は25言語にもおよぶという。

シャオミー MAE2014
↑各国言語の対応はユーザーの手によって行なわれている。
シャオミー MAE2014
↑各地で行なわれているファンミーティングの様子。iPhoneと同じく熱いファンに支持されている印象。

 このように、従来の中国端末とはまったく違ったアプローチでシェアを拡大してきたのがシャオミーのスゴさ。海外進出も東南アジアをメインにスタートしており、この勢いが世界にも広がっている。

シャオミー MAE2014
↑基調講演後、各国の記者から質問を受けるLin Bin氏。

 ただし、基調講演後の囲み取材では、日本のプレスからの「日本展開については?」の質問に「ほかの国の展開で、とても忙しいので対応できない」とLin氏は回答。しばらくは日本でシャオミーを目にすることはなさそう。とはいえ、ファーウェイやASUSなどが直販でSIMフリー端末を販売し、格安スマホが注目を浴びているなど、日本のスマホ市場に変化が表われているだけに、今後のシャオミーの動向は要チェックだ。

●関連サイト
シャオミー 公式サイト(英語)

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