LGエレクトロニクスは6月12日、au向けの新端末『isai FL LGL24』の概要を披露する『isai Press Conference 2014』を開催した。
会場となったのは、韓国・亀尾(クミ)に位置するLG Electronicsの関連会社、LG Display社の工場内のカンファレンス場。広大な敷地は約25万坪、15000人が就労している。主に小型端末向けのパネルを生産していて、自社製品向けからOEM向けまで含めたすべてのタブレット用・スマートフォン用のパネルはこの亀尾工場で生産されている。
プレスカンファレンスに登壇したLGエレクトロニクス・ジャパン モバイルコミュニケーションプロダクトチーム課長の金 希哲(キム・ヒチョル)氏は、昨年11月に発売したauとLGの初となるコラボプロダクト『isai LGL22』は、納入した製品のほぼすべてが売り切れとなり、一定の成功を収めたと語った。
LGエレクトロニクス・ジャパン モバイルコミュニケーションプロダクトチーム課長の金 希哲(キム・ヒチョル)氏 |
“isai”ブランドのコンセプト。キャリアだけではできない、メーカーだけではできない端末づくりを目指したau×LGエレクトロニクスの共同企画だ。isai FLではさらに、人気のアプリ開発会社も参画するコラボ企画になっている。 |
今回発売する『isai FL』のネーミングには、FL=フルで、“フルスペックのフル”、ジェスチャー操作を特徴とする端末ゆえの“端末を振るのフル”、そして、現在スマホとしては最高解像度であるWQHD液晶を搭載する“ディスプレーもFull”といった意味を込めている。
「スマートフォンの進化は非常に早く、半年に1回新しいモデルが出るなかで、ハードウェアやデザインでの差別化は難しくなっている。一方で、サービスと連動した利用シーン提案は発展途上なことが多いのではないか。
事業者、メーカー、サードパーティーの3つの事業者が合わさって、お客様に使い方を提案できるモデルをつくろう、というのがisai FLのコンセプト。」(金 課長)
isaiの特徴は大きく分けて3つある。
1つめはスマホとして世界初採用となる5.5インチのワイドQuad HD(2560×1440ピクセル)の美しい液晶。ピクセル密度は583ppiに達する。
両サイドと上面が極薄の三辺ナローベゼルの採用で、スタイリッシュなデザインと、高品位高精細表示を両立している。一般に、液晶は高解像度になるほど強いバックライトが必要になるためバッテリー駆動時間に対してはネガティブに働くが、isai FLのWQHDパネルはパネル自体の低消費電力化と、ソフトウェア的な電力消費低減のアプローチ、さらに3000mAhの大容量バッテリーの採用で、十分な駆動時間を確保しているという(具体的な数値は現在メーカー側で計測中)。
2つめは新機能となる“isaiモーション”。
これは、端末を振るシェイク操作で色々な機能を呼び出せるもの。標準では、振ると端末の位置情報から周囲の情報を検索して表示する“おでかけ”、人気の着せ替えアプリ『ココッパ』とのコラボにより実現した、振ると壁紙とアイコンが切り替わる”アレンジ”、そしてギャラリーの写真を振る操作で組み写真にする“コラージュ”がある。オプションとして、振るだけで任意のアプリを起動することもできる。
3つめの特徴は、画面を任意のジェスチャーでタップするだけで、スリープから目覚め、画面ロック解除ができる”ノックコード”。以前から利用者の間ではなかなか評判が良い機能だったが、この進化によりセキュリティ性と使いやすさを両立できるようになった。
以前のisai LGL22もデザイン性の高さでは定評が高かったが、今回のisai FLでは、さらにその質感や洗練度が高まった。発売は7月中旬~下旬を予定している。
isai FLのプロトタイプ機。WQHD液晶は、PCでいえばMacBook Pro Retina 13インチモデルと同等の高解像度を、5.5インチの大きさで実現したことになる。写真を表示した際や4K動画再生時にこれまで見たことがない精彩感を感じる。 |
背面は左右にむかってカドがおちて弧を描くラウンド形状。このピンクモデルは男性でも持てそうなビビッドな色。 |
質感も非常に高い。背面カメラは1320万画素。3820×2160ドットの4K動画撮影にも対応している。 |
カメラ下にあるボタンはボリュームボタン。写真向かって左の、一般的にボタン類が集中する位置には、電源ボタンしかないのもデザイン上の特徴。人により慣れはあるものの、横位置でのカメラ撮影時や不意に手に持った際にボリュームが勝手に押されることがないというのはメリット。 |
■グローバルモデルの兄弟機種、『LG G3』は販売絶好調
isai FLの詳細説明のあと、グローバルモデルである『LG G3』の概況についても言及した。登壇したLGエレクトロニクスのベ・ヒョンギ常務によれば、「isai FLのプラットフォームのベースになるLG G3は、5月27日に世界6ヵ所で同時発売した。世界的に非常に高い評価をいただいている。(発売直後は)通常7-8000台というところだが、G3は2万台という規模。発売5日間で10万台を突破した。」
なお、韓国ではゴールドが人気で、品切れの状態。G3の人気の高さは、LGがこれまでに発売してきたスマホのなかで過去最高とのこと。G3発売後からの反響に強い手応えを感じているという。
昨年9月に発売した先代の『G2』は目標1000万台に対して現在700万台を出荷、発売1年が経つ頃には1000万台到達する見込み。G3も同様に1000万台を目標に掲げているが、この反響を見る限りはもっと早く目標達成を実現するのかもしれない。
なお、質疑応答セッションでは、いわゆる980円SIMなどMVNO事業者向けのSIMフリー端末についても言及。
「グローバル版を量販店で販売している例もあり、日本のMVNO、オープンマーケット市場は今後のびる。MVNO事業者さんと少しずつコンタクトをとりたいと考えている。(中略)料金プランとセット販売の事業者さんとなら、組むメリットがあるのではないか。LGのグローバル端末の種類は非常に多いので、そのなかからお客様にあう商品を提供できると思っている。あとはLTEのバンドとか日本の電波の規格などをうまく設定すれば、今後日本のお客様向けに(提供していく)そういった展開の可能性はあると思う。」と、MVNO事業者と組んでのSIMロックフリー端末の提供について前向きな姿勢を見せた。
■番外編
プレスカンファレンス移動の道中に立ち寄った世界遺産の佛國寺での1コマ。奉納できる瓦に『isai FL完売!』と書いて完売祈願。もし行く機会があれば、佛國寺のどこかにisai FLの瓦がある、と覚えておきましょう。
●関連リンク
isai FL LGL24製品ページ
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