今年の2月22日に発売されたPlayStation4(以下、PS4)。発売から3ヵ月以上が過ぎ、ついに6月10日にnasne(ナスネ)と連携してテレビ番組の再生や録画が可能なアプリ『torne(トルネ)』のPS4版の提供が開始される。そこで、直接ソニー・コンピュータエンタテインメントに行き、PS3版からの進化ポイントを聞いた。
ソニー・コンピュータエンタテインメント
研究開発本部2部 担当部長
石塚健作氏
――ズバリPS3版の『トルネ』との違いはあるのですか?
石塚「イチバン大きな違いはシステムソフトとゲームとの行き来が簡単にできるといったところです。PS3の時代ではゲームをプレイしていて、次に『トルネ』を起動しようとした場合、一度ゲームを終了しなくてはなりませんでした。しかし、PS4ではゲームと『トルネ』をメモリー上にて同時に展開して、さっと切り替えられるということを実現しました。たとえば、ワールドカップなら試合が始まる前に『FIFA 14』でメンバーを決めて待っておいて、前半戦を見たら15分のハーフタイムで遊んでから、後半を視聴してもらえるとうれしいですね」
torne PlayStation4
↑接続しているnasneの表示やアイコンのUIなど、基本はPS4版と同じ。トルネフがコメントをするのと、NEWS(オシラセ)機能の”トルネフ”のアイコンが増えている。
――PS3版の『トルネ』はホーム画面や番組表の操作がスゴク速かったのですが、PS4版はもっと速いように感じますね。
石塚「PS3のときよりも、よくわかんないくらい速いです。nasneに保存したコンテンツはネットワークの先にあるのですが、120倍速の早送りもさらに速くなり快適です。PS3のときは起動が遅い、ゲームといっしょに起動できないといった悩みがあったと思いますが、起動も10秒かかりません」
番組表はまったく変わらない
↑番組表の表示は従来のまま。ただし、処理速度が上がったため、画面スクロールがPS3版よりも超爆速になった!!
――何かPS3版のときにはなかった機能はありますか?
石塚「おもしろいところで言うと録画番組の逆再生が可能です。たとえば、サッカーの場合シュートを決めたときに逆再生すると、まるで『ウイイレ』のように映像が逆戻りします」
――サッカー好きの人は得点までの組み立てを気にしたりするので、これは良いですね。
石塚「そうなんですよ。たとえば、シュートをした選手にパスを出しているシーンで、一体どこを見てパスコースを決めたのかといったことが、ちょっと戻って確認できたりします。PKのときならどっちに蹴ろうとしたのかもわかるんです」
決定的瞬間がもう一度見たい!
↑ちょっと目を離した瞬間にシュートが決まってしまったなんてときも、コントローラーの十字キーの左を押すだけで……。
映像が逆戻しで再生される
↑ボールがゴールから戻ってシュート前に。見ているだけでもおもしろい。
――画面の左端にいるマスコットはPS3版のときに見かけなかったような気がするのですが。
石塚「これは今までツイッターで運用してきた『トルネフ』というキャラクターなのですが、ユーザーのみなさまの録画ライフをおもしろくしてくれるような機能として活躍してくれます。今までトルネには“トルミル”と呼ばれるユーザーの録画数と視聴数を集計する機能があったのですが、この機能では毎回同じ人気番組しか上位に表示されませんでした。しかし、みんなが観ていないけれどおもしろい番組はたくさんあります。そこで、そうした埋もれてるけどおもしろい番組を自動で教えてくれるのがトルネフです。トルミルの情報で最近少し人気の出て来た番組やある一定の時期に伸びた、ちょっとおもしろそうだなといった番組を紹介するようになっています。トルネフのコメントは自動でツイッターと同じようにしゃべることもあるのですが、一部の番組は手動でコメントを付けて紹介もしています。たとえば、若者に人気の『テラスハウス』という番組はただ勧められただけでは観る気にならなくても、『通は副音声でみるとスタジオの人がいろいろ厳しい突っ込みしていておもしろいよ』と聞かされると、観たくなったりしますよね。そうやって新しい番組に出会ってもらうお手伝いをする機能となっています。また、毎日起動してもらえるための試みとしてアンケート集計機能も追加しました。今後の『トルネ』の開発に関わる質問とか、参加して楽しんでもらえるようなアンケートが提供できればと思っています」
トルネフがオススメをピックアップ
↑トルミルの情報を使って、あまり知られていないオススメ番組をトルネフが解説。おもしろいと思える番組に出会えるかも……。
アンケートの集計も実施
↑具体的に内容が決まってないようだが『トルネ』の開発に関わることや、好きな番組の集計などのアンケート機能も追加される。
――トルネ屋で提供されるアプリで何か新しい試みのものはありますか?
石塚「BDレコーダーに入っている“ハーモニクスイコライザー”と呼ばれる、ちょっとした高音質化技術をPS4で実現できる『オトイイネ』という有料アプリを提供する予定です。この機能がアンプに備わっている製品もあるので、もしかしたらアンプを通して聴かれると違いが出ないかもしれません。そこで、体験版も用意しています。より音が聴きやすくなる、もっと深みのある音になるよう調整しているので、テレビのスピーカーやヘッドホンでふつうに使っていててもそれなりに違って聴こえるかと思います」
――ちなみにここまで紹介された新機能はPS3版に付ける予定はあるんですか?
石塚「PS3版は今の段階でもメモリーがいっぱいですし、現状これらの機能はPS4版の『トルネ』として開発してきたので、今のところ付ける予定はありません」
――PS4ユーザーにとっては大きなメリットですね。
石塚「ワールドカップを楽しむなら『ニコニコ実況』を使うと、ひとりでテレビを観ていても、オンライン上のみんなと盛り上がって観戦することができるのでオススメです」
――確かにニコニコ実況は盛り上がりそうですね。ぜひ活用させてもらいます。
nasneは4台まで同時接続が可能。W杯を楽しむなら、複数のnasneで逃さず楽しむことができる。また、週刊アスキー6/17号(No.982)では、4Kテレビやレコーダーなど、ほかにもW杯を楽しむための最新事情が目白押しだ。
●関連サイト
PlyaStation公式サイト
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