ASRockは同社独自のUltra M.2ソケットを採用するモデルなど、インテル9シリーズのマザーボードを発表した。内覧会ではASRockマーケティング副本部長のクリス・リー氏が登壇して製品の概要を語った。
↑ASRockマーケティング副本部長のクリス・リー氏。
同社の9シリーズマザーボードは、Super Alloy Technology(超合金技術)により、電流を制御するMOSFETやチップセットの発熱を抑え、高パフォーマンスを保つように設計されている。また、業界でも最長寿命となる1万2000時間使用が可能な“12Kプラチナコンデンサ”といった高品質なパーツを採用している。
注目は『Z97 Extreme6』に搭載する同社独自のUltra M.2ソケット。PCIエクスプレス(以下、PCIe) 3.0×4で、CPUに直接接続することでレイテンシーをなくし、通常のM.2ソケット(×2接続)の10Gbpsの約3倍である32Gbpsの高速性を実現している。
CrystalDiskMark の結果はシーケンシャルリードで毎秒1159MBと、驚異的な速度を実現している。
サムスン製のM.2 SSDを接続した際、従来のM.2ソケットと比べ、速度が46%向上したとしている。
PCIe×2接続(10Gbps)のSATA Expressもサポート。SATA Expressコネクターには従来のSATA3対応デバイスなら、2台同時に接続可能だ。ただし、M.2を使うとSATA Expressは使用できなくなる排他仕様となる。
8シリーズで採用していた“Purity Sound”を強化した“Purity Sound2”も採用。ハイエンドなニチコン ファインゴールドコンデンサーを利用することで、リーク電流が従来のコンデンサーの300μAから10μAと低くなり、ノイズの発生を抑えてよりよい音で音楽が楽しめる。
HDD Saverコネクターに接続したHDDの電源のオン/オフをソフトウェア上で操作可能な“HDD Saver”機能も搭載。
プライバシー保護が必要なHDDを2台までシャットダウンして隠すことが可能。また、スリープやスタンバイをするたびにオン/オフを繰り返すHDDの電源管理を自分で行なうことで、HDDのダメージも抑えられるとしている。
UEFIはすべて1920×1080ドットのフルHDデザインを採用。自分がよく使う機能を登録してすぐに呼び出せるお気に入り機能にも対応している。
また、ソフトダウンロード機能『ASRock APP Shop』から同社の提供するアプリやサポートソフトをダウンロードできる。今後はフリーなソフトやゲームを手軽にダウンロードできるようにするようだ。
Z97 Extreme6
インテルZ97チップセットを搭載したATXマザーボードのハイエンドモデル。5月11日発売、市場想定価格2万4000円前後。特大サイズのXXLアルミニウム合金ヒートシンクにより、電流を制御するMOSFETやチップセットの熱を劇的に発散、冷却可能。
Ultra M.2に通常のM.2、SATA Expressを1ポート搭載。ほかデュアルギガビットLANやミニPCIeスロット備える。
一方、ゲーミングモデルではKiller E2200を採用し、ネットワークのレイテンシーを少なくし、高速なパフォーマンスを実現しているという。また、Killer LANを搭載しているマザーボードの中で唯一クラウドサービスをサポートする。
PCをNASとして使えるソフト『Orbweb.ME Professional』4.99ドル(約5000円)が1年間無料で利用できる。iPadなどのモバイルデバイスからPCにシームレスに接続し、PC内の写真や音楽、動画を視聴できる。
従来のリモートデスクトップ機能では、接続できる人数はひとりだけだったが、同時に複数の人がアクセス可能になった。共用PCなどで活用したい。
Z97X Killer
LANコントローラーにゲーム用のKiller E2200を採用したゲーミング向きのZ97マザーボード。5月11日発売、市場想定価格1万9000円前後。グラフィックボードを複数挿して3D性能を引き上げる3-Way CrossFireおよび2-Way SLIに対応する。M.2とSATA Expressもサポート。
H97 Pro4
インテルH97チップセットを搭載したATXマザーボード。5月11日発売、市場想定価格1万2950円前後。オーディオ回路にELNAのコンデンサーを搭載することで、リーク電流が3μAと非常にノイズレベルが低く、高品位な音質を実現。外部出力端子を3つ搭載して、3画面出力も可能。
Z97M Pro4
インテルZ97チップセットを搭載したマイクロATXマザーボード。5月11日発売、市場想定価格1万2950円前後。ELNAのコンデンサーを搭載するほか、2-Way CrossFireに対応。
Z97E-ITX/ac
インテルZ97チップセットを採用したミニITXマザーボード。5月16日発売予定、市場想定価格1万8500円前後。小型ながらSATA ExpressやM.2ソケット(裏面)を搭載。無線LANモジュールは802.11acに対応。タブレットなどをHDMIで接続してパススルー映像出力ができるHDMI-Inも備える。
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