電子工作を趣味でやっている関係上、半田ごては当然もっています。どんなのを持っているかといいますと、メインで使っている70ワットのものを筆頭に、ICなどの半田付けで使う先端の細い40ワットのもの、プラスチックなんかを溶かして加工する100円ショップで買ったものあたりでしょうか。まぁ、一般男児であればマイ半田ごての2本や3本くらい持っているのは当然のこと。ですが、もしかすると1本も持っていない、それどころか「半田ごてなんて中学の授業で使ったくらいだ」なんていう人もいるかもしれません。
理由を聞けば「別に使うことないから」などというかもしれませんけど、断線修理やケーブル延長、壊れたコネクターの交換、QFPパッケージのIC交換といった一般用途でも役に立つだけに、何本あっても損することはありえません。とはいえ、半田ごてって結構大きくて、使わないときにジャマになるのも事実。そんな人にオススメなのが、このコンパクトな『USB半田ごて2』でしょう!
●世の中なんでもUSB給電になれば便利
最大の特徴は、名前にもある通りUSB給電で動作すること。PCやモバイルバッテリーなどから給電してやれば、いつでもどこでも半田付けが可能になります。また、ケーブルとキャップを合わせても実測わずか53グラムしかなく、持ち運びにも便利。まさにモバイル半田ごて。ユビキタス時代の革命児です。……えーと、ナニいってんだかわからないうえ、表現が微妙に古いとかはスルーでお願いします。
どのくらい小さいか比べてみた |
↑上から順に、70ワット、40ワット、USB半田ごての順。コテの部分だけ見ても、やたらと小さいのがわかるかと思います。コテ先が細く、精密な作業もこなせそうなルックスです。 |
電源はUSBだけど本体はミニジャック |
↑本体の電源コネクターはミニジャック。最初、マイクロUSBじゃなのかと残念に思いましたが、ミニジャックだと方向を気にしなくていいので接続がラクです。 |
●使い方や実力をチェックしてみる
まずは使い方の基本からチェックしていきましょう。使うまでの手順はとても簡単で、まずUSBケーブルを挿して電源を確保。次に中央の金属部分に触れてスイッチオン。わずか10秒ほどでコテ先が温まりますので、あとは半田付けをするだけです。普通の半田ごてですと、この“コテ先が温まるのを待つ”のに数分かかったりします。10秒で使えるというのが新鮮で、ものすごく便利に感じました。ちなみに、スイッチは指を離して20秒ほどすると自動でオフになりますので、長時間使わない時でも安心です。
次にチェックしたのが、どのくらいのものを半田付けできるのかという実力の点。8ワットと低いので少し不安があったのですが、抵抗やLEDといった電子部品はもちろん、電源ケーブルみたいな太いものでも余裕でオーケーでした。調子に乗って半田吸い取り線にもチャレンジしてみましたが、これも問題ありません。一般的な用途であれば、まず困らないでしょう。
スイッチは触れるだけでオンになる |
↑電源のスイッチは触れるだけでオンになるので、押し続ける必要はありません。手を放すと20秒くらいで自動でオフになります。 |
実力は本物!太い電源ケーブルも半田付けOK |
↑ちょっと見づらいですが、電源ケーブルを半田付けしたところ。温度が低いと半田が流れず玉になったりするのですが、しっかりと流れて馴染んでます。 |
少し気になったのが、どのくらいの電流を使うのかということです。簡易な電流計を使って計ってみたところ、大体1.5~1.6アンペアの間と、結構高めな値となっていました。そもそも8ワットだといってるんですから、当然なんですけどね。
物は試しに、出力の小さいUSB ACだとどうなるのかと実験として0.8アンペア出力のACアダプターにつないだところ、半田が溶けるほどコテ先が温まるのに40秒ほどかかってしまいました。なお、ACアダプターは結構熱くなっていたので、安全に使うのであれば2アンペア出力できるものを使うのがオススメです。
電流はだいたい1.6アンペアくらい |
↑少し見づらいですが、この時で大体1.55アンペア。あまり電流がとれないPCに繋いで使うときは、温まるまで時間がかかるかもしれません。 |
小さくてオモチャみたいな半田ごて、しかもUSB駆動だなんて“出オチ”みたいなもんだろうと思ってましたが、意外にも実用的で驚きました。正直、電源コードの半田付けはムリだと思ってただけに、いい意味で予想を裏切られた結果です。たまにしか使わないかもしれませんが、いざというときのために机の中にひとつ忍ばせておくといいかもしれませんよ。
さらに詳細なスペック&オンライン購入はこちらでどうぞ(品切れてしまったらすみません)。
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