1984年1月24日の初代Macintoshの発売とともに、同じく30年の歴史を歩んできたMac OS。初代Macintoshに搭載されたSystem 1.0から始まり、最新のOS X Mavericksまで、歴代OSが受け継いできた仕組みや機能の数々を紹介します。
System 1.0~6.x
初代Macintoshとともに登場した最初のMac OSは、当時から高い完成度だった。特にユーザーインターフェースは、ほかのパソコンや一般の家電製品にも影響を与えた。30年も前のシステムから現在のOS Xまで、基本的な部分は何も変わっていないと言えるほどだ。
Mac OSのアイコン/ウィンドウ/メニュー
Mac OSの最初のバージョンは初代Macintoshとともに1984年1月に登場した。現在のOSXに慣れたユーザーが、いま実際に初代Macintoshを使ったとしても、ほぼ迷うことなく操作できるだろう。なぜなら、MacOSにとって最も基本的なユーザーインターフェース要素と言えるアイコン/ウィンドウ/メニューも、アイコンの造形こそ異なっているものの、いまとまったく同じように配置されているからだ。
シングルタスクのOS
実は「MacOS」という名前が使われるようになったのは、初代Macintoshが発売されてから13年後の1997年に登場したMacOS7.6からのことだった。初期のMac OSは単に「System」と呼ばれており、System 1~4までの間は、ユーザーは一度にひとつのアプリケーションしか起動しておけなかった。いわゆる「シングルタスク」のOS。初期のiOSと同様の制約だったと考えればわかりやすいだろう。
ひとつのアプリを起動している状態ではFinderも使えないので、ほかのアプリのアイコンを見ることさえできない。もちろん、今日のLaunchpadのような機能が備わっているわけでもない。従ってアプリを切り替えるには、使用中のアプリをいったん終了してから、次のアプリを起動する必要があった。
つまり「File」メニューから「Quit」を選んでアプリを手動で終了し、自動的に起動するFinderから次に起動するアプリのアイコンを見つけてダブルクリックするという、いまでは考えられないほどの手間がかかった。
「デスクアクセサリ」というウィジェット
「ウィジェット」という名前こそ使われていなかったものの、最初期のSystemにも現在のDashboardウィジェットに相当するミニアプリが備わっていた。それらは「デスクアクセサリ」、略して「DA」(ディーエー)と呼ばれていた。
DAは「アップル」メニューから選んで開ける。標準状態ではアラーム機能付きの時計「AlarmClock」、スティーブ・ジョブズ本人がインターフェースをデザインしたことでも知られる電卓「Calculator」、ハードウェアやシステムのさまざまな設定を
変更する「ControlPanel」、特殊な文字でも簡単に入力できる一種のソフトウェアキーボード「KeyCaps」、ページをめくるアニメーション効果も備えたメモ帳「NotePad」、1~15の数字を16マスの中に並べる「Puzzle」ゲーム、クリップボードの内容を複数ディスクに保存できるユーティリティー「Scrapbook」がインストールされていた。
↑初期のシステムでは、「アップル」メニューはもっぱらDA(デスクアクセサリ)を起動するためのものだった |
↑DAは、図のようにメモリーが許す限り、いくつでも同時に開いてワンクリックで切り替えながら使用できた |
System 7
初期のMacのシステムは、新しいMacの登場に合わせて少しずつ機能が追加されていた。そうしたハードウェアに合わせたアップデートではなく、新しい世代のOSとして設計されたのがSystem 7だった。見た目や操作性は継承しながら、新機能が意欲的に追加されたOSだ。
見かけよりも変化の大きな中身
System7は、それまでと比べてインターフェースはほとんど変わっていない。Finderが標準でカラー化され、各所に控えめな色付けが施されたのに気づく程度だ。しかし、それ以前は渾然一体となっていたシステムフォルダーの中身が整理され、ファイルの種類ごとにフォルダーに収められるようになった。
「アップル」メニューは、DA(デスクアクセサリー)を選択するという機能自体は変わらないものの、DAも個々のプログラムが独立したファイルとなり「AppleMenuItems」フォルダーに格納された。実はDA以外のファイルでも、このフォルダーに入れるだけで「アップル」メニューに表示できるようになった。
↑System 7のデスクトップは、アップルマークや各部のアイコンやウィンドウのタイトルバーなどがカラー化された |
板についたマルチタスク
System 5から搭載された協調型マルチタスクを実現するMultiFinderは、機能としてはSystem 7でも有効だった。ただし特に「MultiFinder」とは呼ばれなくなり、標準機能となった。必要に応じてシングルタスクと切り替えることもなくなった。
以前のMultiFinderでは、「アップル」メニューで複数起動したアプリの中から次に操作するものを選択して前面に表示していたが、System 7ではアプリを選択するメニューは「アップル」メニューから独立し、対極の位置、つまり右端にある「アプリケーション」メニューで操作するようになった。開いているほかのDAも表示されるので、やや紛らわしく感じられたが、この点でもDAユーザーから見ればアプリとほぼ同等に扱われていたことになる。
↑起動している複数のアプリやDAの一覧はメニューバー右端の「アプリケーション」メニューに表示されるようになった |
このように、MacPeople 5月号(3月28日発売)ではMacintosh30周年特集第3弾として「History of Mac OS」を大特集。System 1.0からMac OSと名称を変えたSystem 7.6、初代iMacにプリインストールされていたMac OS 8、最新のOS X Mavericksまで歴代Mac OSが受け継いできた仕組みや機能を隅々まで紹介しています。
そのほか、4月9日にサポートが終了するWindows XPからの移行方法も紹介しているWindowsユーザーのためのMac買い換えガイド、iOS 7.1徹底解説、いま話題のiBeaconの最新情報すべてなど、見逃せない特集が盛りだくさんです。
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また、MacPeople3月号と4月号では、Macintosh30周年特集の第1弾、2弾として、歴代の一体型/デスクトップ型Macをまとめた「30th Anniversary Macintosh」特集、Macintosh PortableやPowerBookなど歴代ノート型Macをまとめた「PowerBook MacBook History」特集を掲載しています。ぜひ、3号セットでご覧下さい。
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