『Wearable Tech Expo in Tokyo in Tokyo 2014』にて、スマホと連携するおもちゃ『Moff』が出展。Moff代表取締役の高萩昭範氏が登壇し、製品のコンセプトを語った。
Moffは腕に装着するリストバンド型のおもちゃで、腕を振るとスマホアプリを介して音が出るというシンプルなもの。子供がピストル型のおもちゃで遊ぶときに、口で「バーン!」と言うのをアプリが代わってくれる、と言えばわかりやすいかもしれない。
『Moff』(関連サイト)
すでにKickstarterでの目標支援額を2日間で達成し、7月には出資者向けに出荷が開始される。MWC2014で初披露して以来、とくにアメリカでの人気が高いという。デモをすればすぐに商品の魅力が伝わるのも武器のひとつで「擬声語は世界共通」と、手応えを感じているようだ。
高萩氏はメルセデスベンツの商品企画部などに携わった経歴をもち、そのときの経験が役に立っていると語る。自分自身に子供が生まれたことをきっかけに、「おもちゃは飽きたら捨てられる。エコ的にも罪悪感があった」、「スマホやタブレット、携帯ゲーム機ばかり画面があるもので遊んでいて、もっと想像力を育むような遊びを提供したい」というふたつの“社会的な課題”をクリアーすべく、Moffを立ち上げた。
今後は、「まずは子供たちに喜ばれる製品づくりをする。次は子供に与える立場の親向けのエクササイズ。さらに高齢者が孫と遊ぶことで体を動かせるようにしたい」という製品の展開を考えているようだ。
ブースでは、高萩氏自らデモンストレーションを行なってくれた。ブルートゥースでiPhoneに接続し、本体のボタンを押してアプリを操作、効果音を変更できる。アプリにはテニスのラリーする音や、銃を撃つ、エアギター、魔法少女が杖を振ったときの音など、既存の子供用おもちゃと合わせて使えそうな効果音が入っている。のちのち自分で効果音を購入したり追加できるようだ。
構造は非常にシンプルで、バンドは金属製の素材が中に入っており、腕に当てるとパッチンっと丸まって留まるタイプ。充電機能はなくボタン電池交換型で3~4時間駆動する。高萩氏曰く「ウェアラブルって高いじゃないですか。それじゃあ誰も買いません」と、とにかく低価格で提供したいとのこと。
カンファレンスのなかで印象深かったのが、「“体験”を構成する一部分を切り取る」という言葉だ。Moffは“音と動き”に絞ることで、子供にも扱いやすく、コンセプトが伝わりやすい。あくまで将来的な想像として「例えばエアコンそのものの機能をウェアラブルにするのは難しいが、エアコンの役割である”温度が快適になる“という体験の一部を切り取れば可能かもしれない」と語った。ウェアラブルデバイスは、使う側に何を体験させるかを明確にすることが重要なのかもしれない。
■関連サイト
Wearable Tech Expo in Tokyo 2014
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